アナログ音源再生計画 ★特集★
特集 壊れたカセットの修復〜パターン別修復の実践

[0]カセットの分解とテープの接合の実践

事件・事故別修復の実践
[1]子供がテープの中身を引っぱり出してクシャクシャにしてしまった
[2]ラジカセやカーステに巻き込んで途中で切れてしまった
[3]古いカセットのリーダーテープ部分が切れてしまった
[4]カセットハーフがキーキー鳴って再生音まで歪む、ハーフが壊れた



カセットハーフがキーキー鳴って再生音まで歪む、ハーフが壊れた
[カセットハーフ鳴き]
一部のカセットで巻き戻しや早送りの時キーキーと音がするものがあります。
 原因はガイドローラーとテープの接触によるものだと思いますが、ひどくなると再生時にも振動がヘッドに伝わりビリビリと音がふるえてしまいます。こうなると新しいカセットにダビングしても、そのまま歪んだ音になってしまいます。

[カセットの損傷]
 また、強い衝撃でハーフの一部が割れてしまうことがあります。再生に問題が無ければすぐダビングすれば良いのですが走行系に悪影響をあたえワウフラッタが増加しやすい。

このような場合はテープ自体に問題が無いのでハーフを交換することになります。外見は異なりますがハーフの構造は古いものでも同じです。どうしても気になる方は同じメーカーの同一のハーフで正常なものに入れ替えると良い。
 古いカセットはハーフの内部にカビが付着している場合も多いので交換はテープの長持ちのためにも効果があります。

カセットハーフの交換
できれば近年の(透明ケース入り)カセットを用意。こちらの中身のテープは捨てる事になるので、わざわざ新品を購入する必要は無い。手持ちCDやレコードのダビングものなど聞かなくなったカセットを利用する。

(1)新しい方のカセットを開けてテープを取り出す→ちょっと勿体ない気がするがテープは捨てる事になる。他のカセットのリーダーテープ切れ対策にハブだけ残しておくと良い。
(2)壊れた方のカセットは開けてみて巻き取りがしっかりしている場合はテープをいずれかのリールに巻き取っておく。
 テープがヨレヨレになっていた場合は一旦ケースを閉じて左右テープが半分になるよう振り分ける。
(3)ハーフは古いものを上、新しいものを下に並べて、まずリールハブを移動し、次にテープを巻いてある方のハブを移動します。


     画像1
←画像2
最初、テープがバラバラになってしまうのでは?と不安になるかも知れませんが、正常に巻かれているテープでは左画像のようにテープを持っても大丈夫です。


作業は素手で行うのが最も確実ですので、指紋が付いてカビの原因にならないよう手を洗って行いましょう。

テープの接合などの作業がない分、特別難しい部分はありません。

ヨレヨレになったテープの場合は?
まれに120分テープや、再生回数が多くヨレヨレになったテープがあります。この場合は注意が必要です。手で押さえてブカブカになった状態のテープでは画像2のように手で持って移し替えるのは困難な場合もあります。
 このようなテープは、次の方法で対処します。

(1)ハーフ鳴き
ガイドローラーやテープバッドなど中の部品だけ交換してみる
(2)A面側のハーフの破損
A面側のハーフだけが破損している場合、同じ銘柄のA面側のハーフと交換
(3)B面側のハーフの破損
これが最も難しい。先ず同一銘柄の交換用カセットを用意。
A面側のハーフを開けて中の部品を全部取り出す→一度ハーフを閉じて(ネジをしない)逆にする(B面側を上にする)→慎重にB面側を外し、同一銘柄のハーフと交換→再度A面側にひっくり返してハーフを開けて部品を取り付ける。

※同一銘柄でないとA面とB面のハーフがピッタリ収まらない場合があります。こうした例は少ないと思われるので画像掲載はしませんが、テストしたところ何とか移し替えできました。


(C)Fukutaro 2002.9
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