アナログ音源再生計画 ★特集★
特集6 シングル盤(EP・CD)をジャケットごと1枚のCD-Rにまとめて保存する

[1]シングル盤の特徴・制作手順〜シングル盤をCD-Rにしよう
[2]ジャケットのスキャン
[3]シングル盤のPC録音
[4]音量調整・ノイズの軽減

[5]CDエクストラの制作・PCでの音楽再生



この頁では
音量の均一化
スクラッチノイズの軽減

を取り上げます。

シングルを特集タイトル通り1枚だけ、しかもアナログ盤で1枚毎に録音レベルもうまく調整してスクラッチノイズもあまり気にならない場合であればこの項目の処理は不要です。

音量の均一化は「EP・CD混在」「CDシングルのみ」の場合に特に必要になります。CDはアナログディスク以上に1枚1枚の音量レベルがマチマチです。アナログ→デジタル化の場合はある程度録音レベルをコマメに設定すれば良いのですが、CDは吸い出し時にレベル設定はありませんので。

スクラッチノイズ軽減の処理はCDシングルでは不要になります。

シングル盤の音量調整
アチコチの音源から1枚のオムニバス盤を制作する場合に問題になるのが音量の凸凹です。

シングルCDはレンタル店でも人気で、10枚単位で借りていく方も良く見かけます。やはりMDにまとめて録音するんでしょうか?そんな時、CDによって音量がマバラなのに困った経験がありませんか?最近のJ-POPではますますDレンジを高くする傾向が強く、その中にちょっとレンジの低い曲が混じっていると違和感を覚えます。

特に、古いレコードをデジタル化したものと音楽CDを混合して1枚のCD-Rに焼くと、間違いなくアナログ音源の方が音量レベルが低いので聞きづらくなる。

色々なソースから録音をしてみるとすぐ判るが大体は以下のような音量差がある。
デジタル録音のCD 復刻盤CD アナログディスク

こうした音量レベルを揃えてCD-Rに焼くためには「ノーマライズ」という機能を利用します。ここでは2種類のソフトを利用して音量レベルを揃えてみます。

Spindoctorの「音量バランス」機能を使う
Easy CDデラックス版付属のSpindoctorの「音量バランス」機能の設定はPart2.「音楽CDをつくる」に掲載済みですので、こちらをご覧ください。

「音量バランス」機能では最初に全部のファイルを先にチェックして音量レベルを測定し平均化する形式です。この方法のメリットは設定が全く必要なく、ソフトが勝手にレベル調整してくれる事です。

その分時間がかかることと、全部の曲の平均値を取っているようなので極端に音量の低い曲が入ると全体にその音量にひきづられる可能性があり、思ったような音量レベルにならない事です。

Sound Engine−Lumpyの「オートマキシマイズ」機能を使う
今回のようにシングル盤をまとめる場合、タイトルは「1枚の・・・」とありますが実際には持っているシングルを焼いていくと複数枚になる場合がほとんど。

例えば「年代別My Single Collection」というシリーズものを作成したいと考えると1枚の音量だけでなくシリーズとして複数枚の音量レベルを揃えないとなんとなく気に入らない。

※60年代半ば〜70年代半ば頃生まれた方は最もレコードを購入する時期にアナログからデジタルにメディアが変わったので両方のシングル盤を持っている諸氏も多いのでは?このようなアナログ・デジタル混合のソースでCD-R化すると特にアナログ盤の音量が負けるので、底上げしてやる必要が生じます。

DISC1 ADのみ    ←音量レベル→
DISC2 AD・CD混合 ←音量レベル→  
DISC3 CDのみ ←音量レベル→   
※ADはアナログディスク、CDは音楽CD。平均値をとった音量設定をすると1枚で聞くと凹凸は無いが通して聞くと音量に差が出てしまう。


フリーの録音・編集ソフトの「Sound Engine」には独立して「Lumpy」という音量レベル調整ソフトが付いています。このソフトは音量をある程度指定できるのが強みです。

「Sound Engine」をインストールすると「Lumpy」というソフトも同時に利用できます。

@このファイルのウィンドウ(図2)にレイアウトしたファイルをドラッグするか「開く」でファイルを指定します。

A先に
「オートマキシマイズ」「デフォルトアイテムの設定」でファイルの出力先を設定します。下記の図1では\音量テストというフォルダへ出力してみます。

B次にデフォルトの
「音量レベル」を設定します。「Lumpy」では−25db〜-10db(スーパーハード)まで9段階に音量設定できます。この設定が最も重要なのですがここではとりあえず-14dbにしてみました。詳細は次の図2と以下の解説を見て下さい。

図1

この画面で音量のdbと出力先フォルダの設定をしておく。
をクリックすれば出力先を指定できる。


C図2の平均レベルの取得(黄色の)で音量をチェックしてみます。図ではアナログシングル・J-POPのCDの他、FMのライブ放送、マイクで録音した祭りのお囃子の音、それに復刻盤CD(マザーがテープ録音のもの)の5種類のレベルを比較しました。
図2

この図では図1で設定したデフォルトの-14dbに表示されているが
「レベル(L)」で曲ごとに個別設定もできる。

たまたまテストしたシングル盤が特に音量レベルが低かったのか5種類のソースでも最低でした。そこで今回は図1のように-14dbまで音量を上げてJ-POPと復刻CDの中間くらいの設定にしてみました。この程度なら問題はないのですがあまりゲインを稼ぐとピークで波形がつぶれる場合があります。

Dあとは図で黄色くで囲んだAVGボタンの左のGOボタンをクリックすれば処理できます。

※音量レベルを上げてもファイル容量が増える訳ではないので大丈夫です。

スクラッチノイズの軽減
アナログレコードの宿命としてスクラッチノイズのプチプチがあります。
とりわけシングル盤に多い。これはLP盤に比べ
・再生した回数が多い
・再生速度が速いため摩耗が多い

・消耗品的扱いをされプレス後処理がいい加減(^^;


実際同じ回数再生したLPよりスクラッチの発生程度はシングルの方が多い。
後でベスト盤のLPを買わせようという魂胆が見え隠れするほどシングル盤のプレスは貧弱です。

これを軽減するためSpindoctorの「クリーニング」という機能を使ってみます。

Spindoctorの起動画面で処理したいHD内のWAVファイルを指定しておきます。
オプション→プロパティで図3の画面が表示されます。

図3


「クリーニング」タブで「ノイズフィルター」にチェックを入れ「プレビュー」で対象となる曲を再生します。再生しながらスライドバーを上下して実際に聞きやすいレベルに設定します。これが非常に難しく上げすぎると音質が劣化してAMラジオのような音質になってしまう。決定したら他のHD内のファイル処理同様録音ボタンを押すと処理されます。

※現実的には私はほとんど利用しない。ソノシートであまりにもノイズだらけで音声が聞き取りにくい程ひどいものしか処理しませんでした。スクラッチノイズ自体は私は気にする方ですが元の音源の音質がひどく劣化するのがイヤなのでそのまま録音しています。



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