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『愚の旗』掲載
「お前が生れてきたのはめでたいことであった」
竹内浩三著(手紙)


 

この文は竹内浩三さんの作品集に写真を加え、心象風景を連想させる新たな作品集として松島 新さんが企画構成した「愚の旗」に掲載されているものです。
出版社および企画・編集者松島新さんの掲載許可を得ています。この記事の無断転載は厳禁です。

「愚の旗」142ページ
お前が生れてきたのはめでたいことであった

                                手紙(竹内浩三著)

オ前ガ生レテキタノハ、メデタイコトデアツタ。
オ前ガ女デアツタノデ、シカモ三人メノ女ノ子デアツ
タノデ、オ前ノオ母サンハ、オ前ガ生レテ、ガツカリシ
タト云フ。オ前ハ、セッカク、生レテキタノニ、マズオ
前ニ対シテモタレタ人ノ感情ガ、ガツカリデ、アツタ
トハ、気ノドクデアル。シカシ、オ前マデ、ガツカリシ
テ、コレハ生レテコン方ガヨカツタナドト、エン世的ニ
ナル必要モナイ。
オ前ノウマレタトキハ、オ前ノクニニトツテ、タダ
ナラヌトキデアリ、オ前ガ育ツテユクウエニモ、ハ
ナハダシイ不自由ガアルデアラウガ、人間ノタツタ一
ツノツトメハ、生キルコトデアルカラ、ソノツトメヲハタセ。
(原文のまま)
1944・6・14 松島芙美代宛
 

生れた姉の三女(芙美代)にあて筑波の部隊から送られてきた浩三のハガキ。しかし、その姪は生後1年足らずで死亡した。

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2002年1月6日、メールにて松島 新さんより情報提供いただき、
その後ご寄贈頂きました書籍「愚の旗」より転載しております。

 出版社および企画・編集者松島新さんの掲載許可を得ています。
               禁無断転載です。

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