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『愚の旗』掲載
詩 「五月のように」 
竹内浩三


 

この文は竹内浩三さんの作品集に写真を加え、心象風景を連想させる新たな作品集として松島 新さんが企画構成した「愚の旗」に掲載されているものです。
出版社および企画・編集者松島新さんの掲載許可を得ています。この記事の無断転載は厳禁です。

「愚の旗」16ページ
詩 「五月のように」

                                   竹内浩三著

   ボクの二〇回目の誕生日の日、これを、ボクのために
   そして、ボクのいい友だちのためにつくる

なんのために
ともかく 生きている
ともかく

どう生きるべきか
それは どえらい問題だ
それを一生考え 考えぬいてもはじまらん
考えれば 考えるほど理屈が多くなりこまる

こまる前に 次のことばを知ると得だ
歓喜して生きよ ヴィヴェ・ジョアイユウ
理屈を云う前に ヴィヴェ・ジョアイユウ
信ずることは めでたい
真を知りたければ信ぜよ
そこに真はいつでもある

弱い人よ
ボクも人一倍弱い
信を忘れ
そしてかなしくなる

信を忘れると
自分が空中にうき上がって
きわめてかなしい
信じよう
わけなしに信じよう
わるいことをすると
自分が一番かなしくなる
だから
誰でもいいことをしたがっている
でも 弱いので
ああ 弱いので
ついつい わるいことをしてしまう
すると たまらない
まったくたまらない

自分がかわいそうになって
えんえんと泣いてみるが
それもうそのような気がして
あゝ 神さん
ひとを信じよう
ひとを愛しよう
そしていいことをうんとしよう

青空のように
五月のように
みんなが
みんなで
愉快に生きよう
 
        上へ


2002年1月6日、メールにて松島 新さんより情報提供いただき、
その後ご寄贈頂きました書籍「愚の旗」より転載しております。

 出版社および企画・編集者松島新さんの掲載許可を得ています。
               禁無断転載です。

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