アナログ音源再生計画 ★特集★
特集5 70年代音楽用カセットの現状と音質・オマケ徹底比較

[1]1970年代のカセット
[2]音質の特徴
[3]いただきもの(プレゼント品・オマケ)
[4]初期カセットの現況



古代カセットテープの現況
大変気になる古いテープの現況ですが、やはり各社バラツキが見られました。おそらく、保有している皆さんの状況もほぼ同様と思われます。
気になる方は早速見つけだしてチェックしてみることをオススメします。

※この記事は特定メーカーを持ち上げたり中傷するものではありませんのでご了承下さいネ。あくまで結果をレポートしたものですので。。。

ほとんど変質が無かったメーカー  SONY・マクセル
この2社のテープはハーフのラベル、テープとも殆ど変質が無く当時の音質のまま再生できました。特にマクセルのUDは数年前まで当時のテープを重ね録りしてカーステ用に使ってました。劣悪な環境で車内に放置したテープも元気です。

とりわけマクセルブランドで発売されたLNタイプのULは当初からハーフの精度がよく、デッキにピチッと入り感心したものです。

←カーステ用に現在も使ってます(^^;

SONYについては、あまり気にも止めなかったのですが1本ずつロットナンバーが刻印されています。他社でカセットのラベルに刻印されているモノは発見できませんでした。ちょっとした事ですが品質に対する信頼性を感じました。


黄色の枠で囲んであるのがロットナンバー。皆さんも確かめてみて下さい。その後のテープも入ってました。写真は29611と刻印されてました(1973年購入のテープ)

ハーフ鳴きが出るものが多い TDK
TDKの当時のテープは購入してすぐから巻き戻し・早送り時にキーキーとハーフ鳴きするものが多かった。特にノーマルのDはその傾向が強く昔から悩まされました。
 ハーフのラベル、テープについては特別変形は認められず、通常の再生では大丈夫でした。

壊滅状態 FUJIフィルム
FUJIの初期のテープは正直言ってほぼ壊滅的な状況でした。すでに10数年前からリーダーテープが切れて何本か捨てましたが、この「再生計画」で再度チェックしたりデジタル化の最中にも切れました。

 ハーフのラベルについても唯一変質が見られたメーカーです。特に「FM」の次に発売されたFXシリーズがひどく、黒いシミが殆どのラベルに付いて変質していました。「FL」ではラベルの剥げてしまったものもあった

再生可能なテープでの音質自体の劣化は認められませんでした。

FXシリーズは「FXjr」「FX Duo」とか色々買いましたが殆ど壊滅的な打撃を受け、ラベルはシミだらけでテープは切れてました(-_-;)
残念ながら当時のFUJIのテープは接着剤の強度と質に問題があったと判断せざるを得ません。音質的には気に入っていて保有本数はマクセルに次いで多かったのですが、現在までに切れて捨ててしまったので手許に残っているのはわずかです。これらもいずれテープ切れをおこすのではと心配です。

今後の保存と対策
各メーカーによって現況にバラツキがあるのは上述のとおりです。なお80年代に登場した銘柄では各社とも、このような問題のあるテープは見つかりませんでした。使用頻度にもよるのですが30年近く経過したカセットテープが未だ健在なものが多いというのは、少しばかり安心感を与えてくれます。

今後の問題は接着材の劣化によるリーダーテープ切れでしょう。
オープンリールでは、SONY・マクセル・TDK全てのメーカーのリーダーテープはことごとくぶっちぎれました。用はデッキのテンションの強さのちがいだけで、いずれどのテープもリーダー部分が切れます。

オープンとちがいカセットのテープ切れは、寿命がつきると同じ事なのでいくら状態を良くして保存してもあまり意味は無いように私は思います。

それなら、このサイトで紹介しているように積極的にデジタル化による保存を考える方が利便性も高まり、懸命だと考えますが。。。録音に熱中していた頃を懐かしく思い出しながら再びデジタル録音にチャレンジするのも楽しいものですよ。

[リーダーテープ切れを防ぐための再生ポイント]
・カーステレオで再生しない
・オートリバース機能を使用しない
・早送り・巻き戻し・再生の停止時はリーダーテープ部分の手前で止める



大切な録音テープが切れてしまった場合は「カセットテープの修復」の頁をご覧ください。

[1] [2] [3] [4]
TOP