アナログ音源再生計画 ★特集★
特集5 70年代音楽用カセットの現状と音質・オマケ徹底比較

[1]1970年代のカセット
[2]音質の特徴
[3]いただきもの(プレゼント品・オマケ)
[4]初期カセットの現況



70年代音楽用カセットを発掘して21世紀に聞いてみよう
古いアナログメディアの中でも最も気になるのが自分で録音したカセットテープではないでしょうか?

あらゆる家庭に必ず何10本かは存在する程普及したカセットの歴史の中でも、1970年代になってようやく音楽用に開発された頃のテープは今どうなっているんだろうか?


「あったけど、とっくの昔に捨てた」
「とってあるけど聞いたことない」
「生まれてなかった」(^^;


1970年代といえば現在20代の方々の生まれた頃です。カセットが爆発的に普及した時代ですから、ご両親があなたの小さい頃の歌や声を録ってくれてあるかも知れません。

FMの民間放送も本格化し、「週間FM」「FMfan」「FMレコパル」などFM雑誌の創刊が相次いだ頃で、夢中でエアチェックしたテープをお持ちの方も多いはず。。。


この特集では当時のカセットを振り返って、各社の特徴や音質、そして現況を確認してみました。貴重なテープが見つかったら是非デジタル化して保存しておきたいものですね。


音楽用カセットテープの出現
1960年代に登場し、3号オープンに替わって市場を支配したカセットでしたが、未だ音楽の録音用には性能的にとても無理でした。カセットテープといえばポータブル機での録音が主流で音質より携帯性が重視されていました。
カーステレオ用としても8トラックカートリッジに押され気味の時代でした。

音楽録音用のテープが本格的に市場に出回り始めたのは1970年代になってからだと思います。1971年刊行の『テープミュージック』という雑誌には裏表紙に日立の「音楽専用」カセットテープの広告が唯一掲載されていました。中身の記事もオープンテープの品番一覧表だけ。カセットの品番データはどこにもありませんでした。

『テープミュージック』1971年(音楽之友社)裏表紙全面広告の一部抜粋。
当時から日立では景品をエサにしてた事がわかります。私もサンザン釣られました(^^;

ここで取り上げるメーカーはSONY・日立(マクセル)・TDK・富士フィルムの4社の初期「音楽録音用」と称されたテープで、いずれも'72〜'73年頃発売されたものです。これらのテープが登場後、毎年のように各社が新しい銘柄のテープを発売していきました。

これらの系列・品番の系譜は「懐かしのカセットテープ」(制作者M.Kobayashi 氏)の「カセットテープの系図」を参照下さい。


メーカー タイプ 実売最低?価格 定価('74)
SONY LN
HF
LN-C60? \270('74)
HF-C60 \420('74)
\450
\600
TDK D
SD
D-C46 \400('77)
※ED-C60 \560(?)
\400
\550(SD)
日立MAXELL LN
UD
LN-C90? \350('74)
UD-C60 \405('74)
\400
\550
富士フィルム FL
FM・FX
FL-C60 \340('74)
FX-C60 \490('74)
\400
\550(FM)
※SDについては購入価格データが手許にありませんでしたので後継のEDの価格を掲載しました。

実売価格は1974年当時ノートに付けてあった価格です。実際は3本のセットで購入した場合、この単価になっているモノが多い。定価はすべて1974年のものです。

東京・お茶の水にあったオーディオユニオンという店のメンバーカード価格で買うのが秋葉原より安かった。私の知る限りこれ以上安く手に入れられるところは無かったはずです。そのため判明している価格が他で購入した場合、割高に掲載してあるものがある事はご了承下さい。


今回の特集ではこれらのテープの音質について当時、管理人がレポートを書いたノートが発掘できましたので概略を掲載してみました。さらに各社の激烈な販売競争を物語るオマケ←これにつられて結構買った(^^;も一部紹介します。
さらに、最も気になる21世紀の現況をレポートしてみました。


(C)Fukutaro 2001.3-4.16-250
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