カセット・テープの魅力
●カセットテープはそれまでのオープンリールやアナログレコードなどの記録メディアの扱いづらさを克服した画期的といって良いメディアでした。

そして1979年に発売された「ウォークマン」は日本が世界に誇れる大ヒット商品となりました。ハード・ソフトとも日本がNo1の品質と生産量を誇っていたメディアでしょう。

アナログレコード、CD・MDの再生装置は無い家庭でもカセットテープが聞けないという家庭は日本では皆無ではないでしょうか?

ウォークマンだけでなく「FMエアチェック」「カーステレオ」「語学教材」etcカセットがあったからこそ普及した文化は計り知れないものがあります。


カセットがここまで延命できたのも家庭用ビデオのVHS-ベータ戦争、現在の記録可能DVDのように複数の規格が乱立せず、サイズ・トラック・スピードを頑なに変更せず、そのなかで高性能技術を日本のメーカーが中心になって競ってきたからだと思います。。

●MDやCD-Rに押されて非常に影が薄くなっていますが、現在でも録音メディアとして活用している方も多いのではないでしょうか?

あまりに安価で手軽で、持ち運べて、そのためにいい加減に扱ってきてしまったカセットを、もう一度みなおして整理してみませんか?

カセット・テープの再生とメンテナンス
カセットテープは、現在では生産量はピークに比較にならないほど落ち込んではいるがスレスレ21世紀まで残りそうなアナログメディアです。ハード・ソフトともショップで手にはいるので再生に困ることは無い。
新旧混在したテープの中で古いものを探してメンテナンスするのがポイントになってきます。

POINT
■古いカセットを重点的にチェックして不要なら捨てる
■現在は大丈夫でもいずれリーダーテープが取れてしまう。貴重な録音は早めにメディアの変更を検討する

発掘・動作可能性
★★★★★(星印が多い方が発掘が容易・動作可能性大)
発掘物 発掘可能性 動作可能性
カセットデッキ ★★★★    ★★★☆
カセットテープ ★★★★☆ ★★★
※デッキ・テープともおおよそ1980年代以前(昭和)のものが対象の評価です。
※テープの動作可能性は破損状態。
[発掘可能性]
★古いデッキを探してもほとんど意味がない。特に1970年代のデッキでは現在の機種に比べ、周波数特性で劣ります。ただし早送り・巻き戻しスピードの速いデッキを探せば巻き直しの整理専用に使える。

★テープは古い新しいを問わず「自分にとって価値のある」ものだけをセレクトすれば良い。市販のミュージックテープが見つかれば選別しておきたい。私はコレクターでは無いので価値はわからないがマニアの間ではアナログレコードよりいわゆる「市場価値」が高いミュージックカセットは結構多いみたいですヨ。
 特集で記事にはしてあるが昔テープを買うとくれた景品を探しても特別価値は無い。カセットは「発掘」という行為より「整理」が大切。

   古いカセットの見分け方はこちら

再生機器の設定
カセットの場合は再生機器はミニコンポに未だ付いている機種も少数ながらあるし、単体のデッキとしても発売されているので再生に困ることはないでしょう。
 複数のプレーヤーが再生可能であればチェック用には早送り・巻き戻しのスピードが早いデッキを利用する。あるいは1台を頭出し用に用意しておくと手早く整理できます。まずヘッドの清掃をしておきましょう。

 
再生前のメンテナンス
ケースと本体が一致しているかどうか?
ケースと中身が全く別のものが入っている場合もある。

リーダーテープの部分まできちんと巻き戻しされているか?
途中でテープの表面がむき出しになっている場合には間違いなく古いテープはヨレヨレ(ワカメ状)になっています。この状態のまま再生すると最悪の場合キャプスタンにからみついてテープが切れる場合がある。

特に車載のプレーヤーでは注意が必要。幸いカセットはテープが薄いためまき直すとワカメ状態が解消するものがほとんどなので再生する前に巻き戻しておきましょう。

再生とチェック
再生はヘッドホンやイヤホンで
テープの場合の再生モニタ(チェック)はできるだけヘッドホンやイヤホンで。スピーカだと音飛びや磁性体の欠落部分を聞き逃してしまう事が多いからです。

早送りや巻き戻しの際のストップ状態の機能にも注意が必要。古いテープや120分テープではストップ時にテンションが強いデッキで両方に引っ張られて切れることもあります。

音質はどうか?
今聞いても満足できる音質で再生できているでしょうか?もしこもったような音であればテープの劣化ではなくヘッドとテープの角度が狂っている場合が多い。古いタイプのポータブルデッキで録音したものなどは結構いい加減になっている場合が多く別のデッキで再生すると音がこもる場合があります。

古いカセットではハーフ自体の出来が悪く音質の劣化につながる事も多いので、貴重な音源はハーフの交換をすると良い音で聞けるようになる事もあります。

デッキが複数台あれば、もっとも音質のよいもので再生してみる。上述のように古いデッキは録音再生とも周波数特性は悪い。
う〜ん、古いテープでも結構いい音してるよねぇ、バランスもいいし。。。
それは多分、あなたが愛情と手間をかけてレベルメータとニラメッコして録音したものだからです。今では、とてもできない芸当かも知れません。

ミュージックテープの場合
カセットミュージックテープはレコードやCDのようにプレスできません。マスターテープから数倍の速度でダビングするため等速ダビングより音は劣化します。

しかもテープ自体は鏡面仕上げしていない普通のノーマルタイプのものを使用していました(現在はどうか確認していないが、学習用テープでも鏡面仕上げしていないテープなど見かけなくなった)。

 だから音質のバランスは良いが、大抵自分がレコードからダビングしたものより高域は伸びていない場合が多い。カーオーディオ用途として発売されていたからでしょうか?いずれにしてもこの程度の音質だと思って再生してみる。
 
テープの修復とメンテナンス
古いカセットのトラブルはリーダーテープと磁気テープを接着してあるスプライシング・テープが粘着力が弱くなってとれてしまう、カセットハーフの出来が悪いため音がするというトラブルが多い。聞かないものであれば選別して捨ててしまうのが手っ取り早い。

 その「思い切り」と「思い入れ」の狭間で悩む(^^;事が昔録ったテープは多いですね。

 残しておきたい貴重なテープの場合でも修復は応急処置と考えてデジタル化を検討する方がいいでしょう。

以下の頁にカセットのトラブルと対処法を掲載しましたので参照下さい。


カセットハーフの交換・修復

(C)Fukutaro 2000.10,2001.1,2002.9

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※その他メディア年表・補足(アナログメディア)にも記事を掲載中

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