アナログ・レコード
アナログ・レコードの魅力
●アナログ・レコード(以下レコード)は扱い方を間違うとすぐに傷がついてしまう。指で盤面を触れるとカビが生える。すぐに埃が付着する。だから聞く度にきれいに盤面を拭く。今も昔も10代の頃が最もレコード・CDを購入する世代です。今のおこづかいと比較するとレコードは高価でした。だから皆大切に扱いました。

音質に関してはカートリッジを交換する事によって違った音色を楽しむというのがファンにとって最大の魅力でした。音楽CDの普及と反比例してオーディオブームが下火になったのは家庭用ビデオの普及だけでなく、CDではそうした楽しみ方ができなくなったという事もあるのでは。。。

あとはジャケットが大きい事がビジュアル面での魅力でしょうか。歌詞カード、ポスターやその他の色んなオマケがジャケットに入れることができた。ROCKやJAZZの名盤とよばれる作品はジャケットデザインも「名作」という評価をうける事が多かった。(中身よりジャケットで勝負というレコードも沢山あったが(^^;)
 遊び心があるジャケットはどうしてもCDではできない芸当でしょう。CDがデジタルコピーの普及で売れなくなった。
しかしレコードというのは「モノ」の価値を音源だけでなくトータル的に満たしてくれたバランスのとれた「作品」だったから21世紀においてもその存在価値は薄れないのではないでしょうか?

アナログ・レコードの再生とメンテナンス
アナログレコード再生には長く使っていないプレーヤーのメンテナンスが必要になります。考えてみるとレコードプレーヤーはCDに比べ取り扱いに結構神経を使います。レコードを毎日聞いていた時代には、面倒だと思った事など無かったはずなのにCDに慣れてしまうと最初とまどってしまいました。

 レコードはジャケットにもカビが生えていました。今でもクリーナーやスプレーは売っていますが両方買ったら復刻盤CDが1枚買える金額でした(-_-;)

 それでも『カセットはいつでも聞けるけどレコードはもう10何年も聴いていないなぁ、1回でも聴いてみたいなぁと思っている方も多いでしょう。おっくうがらずに是非この再生計画を実行してみて下さい。

POINT
■プレーヤーが壊れていてたらカートリッジだけでも残しておく
■所有アンプがイコライザー付きか確認
■レコードは売ることができるのでリストを作っておく

■売れば2束三文ですが、その分、貴重盤も非常に安価に買えます。


発掘物 発掘可能性 動作可能性
プレーヤー ★★★☆     ★★☆
カートリッジ※1 ★★★ ★★★★☆
レコード針※2 ★★★ ★★★★
LPレコード ★★★★☆
EPレコード ★★★☆
※1.交換用のカートリッジの場合の予想。
※2.折れたり著しく減耗していないかの予想

[発掘可能性]
★レコード(アナログ)を処分してなければプレーヤーも恐らく発掘できるであろう。そのままカートリッジを付けてあった場合は針が折れていたりする事もある。逆にカートリッジを外してあった場合それだけが発掘できるか、プレーヤーだけ見つかるか判断は難しい。
 ベルトドライブの場合、正常に回転する可能性は古くなればなるほど低い。

★レコードそのものはキャビネットの大きさから考えるとLPとEP(シングル)別々に保管されている可能性が高い。親の持ち物であっても値段から考えてLPはまともに保管してあるはず。処分した覚えが無ければ発掘は容易。

再生機器の設定
レコードプレーヤーがあるか?
 無いか故障して動かない場合は廉価のプレーヤー(※)がAVを扱っている店で手に入る。もしカートリッジだけでも保存してあれば付け替えれば、よりいい音で再生できるだろうから、交換可能かどうか店で聞いてみましょう。

※最近ではかなり廉価でフォノアンプ内蔵プレーヤが発売されています。ただしこれらの機種はDJ用にレコードを逆回転しても大丈夫な針やカートリッジが取り付けられている事が多いようです。

 今後レコードを常時再生できる環境をつくっておくなら思いきって中高級機を購入する方が良いでしょう。ソースも中古レコードを買い求めると、CDの中古に比べても非常に安価に手に入りますのでコレクションもいっぺんに増やすことができるでしょう。


正確な回転で動くか?
回転はストロボ機能の付いたプレーヤー(右画像)であれば確認できるが、そうでない場合は33回転は正確には3分で100回転ということになるのでコインなどを置いて計ってみると良い。100回転前後であれば、1〜2回転遅くても、実際聴いて違和感がなければ、ひどく神経質になることはありません。

 ベルトドライブの場合は古いものは回転が狂っている可能性が高い。ダイレクトドライブではターンテーブルをしばらく回しているうちに正確な回転になる場合がある。

写真はテクニクス(ナショナル)のプレーヤーで25年以上昔のものです。33回転は正常だったが、45回転はムラがあったりなかったり。EPは今後再生が難しくなる可能性があるのでLP化されていないものを優先的にデジタル化しました。


カートリッジはあるか?針は付いているか?すり減っていないか?針圧は適正か?
付いていても埃が針先についていたり、すり減っているとレコードを傷めるので交換したほうが良い。

 さらに針圧は?あぁ面倒くさい!もう自分でも適正圧なんて忘れてしまった。カートリッジの取り扱い書も出てきたので読むと最大圧の1.25gに設定してあった。

 適正圧が判らない場合は軽めから徐々に圧を上げて聞いてみると良い。通常では1.5〜2.5gあたりの設定が多いようです。

アンプにフォノ端子が付いているか?
最近のミニコンポにはフォノ端子がついていないので接続にはフォノイコライザーを購入するか、イコライザー付きのプレーヤーを購入する。廉価のプレーヤーではミニコンポ接続向けにプレーヤーに付いてます。(※1)

 もし今後レコードのデジタル化を検討するならアンプが無くてもPCのサウンドカードにつないで聞くこともできます。

 写真のようにアンプとプレーヤーを並べると結構場所を取るので、デジタル化の場合はスペース確保のためにフォノイコライザーを購入するのもいいかも。。。
再生前のメンテナンス

ジャケットや表面にかびが生えていないか
10年も押入に放り込んでおけば間違いなくカビが発生しています。カビはレコードだけでなく内袋、ジャケット、さらにビニールカバーにも付着していました。
 乾燥している日に全部出してビニールカバーはカビが生えてたら捨てる。カバーも店で売ってます。(残念ながらEP盤用は無いということでした)

写真のように現在でもクリーナーやLP用ビニールカバーも手に入る。カバーは保存に重要なので買って交換しましょう。

汚れ・カビを落とすには
1.市販のレコードスプレー
最もオーソドックスな方法。私の保有レコード本体の汚れやカビは市販のレコードスプレーでほとんど落ちました。
 確か昔はレコードスプレーは盤に良くないとかいって使わなかったヤツがいました私は平気で使用していましたが。。。

2.水洗い
マニアの間では、最初から指紋を付けないように注意して扱って蒸留水(真水)をスプレーでかけて汚れを落とすのが最も良いと言われていました。しかしこの難点は盤面の紙レーベルまで水がかかってしまい、レーベルが剥がれたりヨレヨレになってしまう事でした。
 ところがこうした問題を解決した商品が発売されています。表裏のレーベルを保護してLP盤を丸洗いできるレーベルカバー「LC−1」という器具です。Webサイトで直販可能です。

http://www.asahi-net.or.jp/~zi2a-hsgw/

この情報は上記サイト トークシステム様よりのものです。管理人も試供品として頂きました。

3.専用クリーナー
 ただし中古レコードショップで手入れの悪い盤を購入した場合、水洗いや一般のスプレーでは落ちない場合があります。そのような場合、レイカの「バランスウォッシャー」というレコードクリーナーが非常に効果があるという事です。詳細は以下のサイトに紹介されていますので参照下さい。

http://homepage3.nifty.com/stp/wav/wav.htm

この情報は上記サイト制作者のさとぴーさん提供のものです。こちらの商品についても試用レポートを掲載予定です。

反っていないか
レコードケースに入れないで重ねてあったり立てても斜めになっていると反ってくる場合が考えられます。1970年代ころのLPは材質も良く、反ったものはなかったが、EPは保存がいい加減だったせいか、かなりの枚数が反っていました。

反り具合は実際に針をのせて回転させればアームが上下するのですぐ判ります。。EPは盤が薄いのでちょっと反対に反らせればある程度直る。

LPの反りは、試した訳ではないが水平な台において大型の美術全集みたいな本でも何冊かつくねておいたらどうでしょうか?「裸体写真集」?実にいいかも知れませんなぁ(^^;

再生とチェック


準備ができたらいよいよ再生してみましょう。針が溝を刻んで行くかすかなスクラッチ音が聞こえてスピーカーから懐かしい音楽が流れてくると、当時にタイムスリップしたような気分を味わえるでしょう。

←高価な針なのに聞いたのはソノシート「隠密剣士」。
1960年代「忍者ブーム」を生んだTV時代劇の大ヒット作。

やっぱりレコードはいいなぁ。。。温かみがあるよネ。。。
Yesterday Once More(1973・Carpenters)でもかければ出来過ぎのレトロムードに浸れることうけあい(^^;

とりあえずお気に入りのレコードの最内周の曲を聴いて歪みがないか確認してみる。
 ゴロというモーターの振動音を拾ったり、ワウフラッター(回転ムラ)が聞いてわかるようであれば、ダビングやデジタル化には不都合です。

どちらかというとシングル盤(EP)はスクラッチノイズが目立ったモノが多かった。ソノシートに至っては音声よりノイズの方が多かったのが現状でした(^^;

                      □□□

『なつかしいこの曲だけ1回聞けば十分。あとは再びお蔵入り』
『そのうちリストラされてヒマになったら(ヒマをもらったら(^^;)ゆっくり全部聞いてみよう』
 それはそれで大いに結構なこと。レコードはしっかりとメンテナンスさえしておけば、本当は最も長持ちするメディアではないでしょうか?のんびりとした時間をつくって、ゆっくりと盤面に針を下ろす。余裕のある、そんなゼータクな一時を管理人も、はやくつくりたいと願っているのですが。。。


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