アナログメディア関連 アナログ音源再生計画
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カートリッジとレコード針

この記事はPart1「レコード」・特集6「シングル盤・・・」についての補足内容です。




アナログ・デジタルを問わず、アナログディスク(以下レコード)の録音の質に大きな影響を及ぼすのが「カートリッジ」です。アナログテープへの録音では録音デッキやテープの質に大きく左右されますがPCMデジタル化では仲介するオーディオデバイス(サウンドカードや外付けのコンバータ)、変換ソフトによる影響は微少です。PCのスペック自体が音質に与える影響は電源などを除けばゼロといっても良い。

そうなると音の「入口」であるカートリッジの質が直接音質に影響してくる事になります。特に最近出回っているフォノイコライザ内蔵のプレーヤーに付属のカートリッジでレコードのデジタル化を試みている方は「交換可能」であれば是非別売のカートリッジを購入して付け替えてみて下さい。PCやCD-Rドライブに高いものを使うより格段に効果があります。(レコードだけの話しですが)

ところが現在ではレコード再生はHiFi向けではなく逆回ししたり自分でサウンドづくりを楽しむクリエイティブな用途に用いられる事が多いようで音質云々で語られる部分がなくなってしまった感があります。そのためカートリッジも2極分化して極端に高い一部製品と、あとは逆回転再生可能なDJ用、低価格な普及品しか手に入らない。

結局、昔使っていたカートリッジを使い続けようという事になる。そこで問題になるのがレコード針。プレーヤーを引っぱり出してちゃんと動く事は動くが肝心のレコード針が折れていた、すり減っていた、近くの店で探したが手持ちのカートリッジに合う針が見つからなかった。結局お蔵入り、という方も多いのでは?管理人も発掘調査の結果1本のカートリッジの針が折れていた。

幸いプレーヤーに付けたままのV15TYPEVというカートリッジは他のものと違い針部分のガードが付いていたので助かった。
このカートリッジは針部分の保護用にガードが付いていて再生しないときはのように下げておけば折れたりしない。写真はレコード再生時。
米SHURE社のV15というカートリッジは日本でも人気が高く、とりわけTYPEVはベストセラーだったようで1997年に製造が中止になっても国内で針が手に入りました。(2001年現在)

学生時代、友人の家でこのカートリッジでレコードを聞かせてもらった時、「針だけで1万円以上するから」と「正座」して細部の音まで聞き逃さないよう「一生懸命」聞いたことを思いだして苦笑してしまいました(^^;その時聞いた音が大変明るく透明だったので(SHUREの解説書には色づけが無いと書いてあるが)その後私も購入しました。針が高いのはわかっていたのでテープ録音以外には盆と正月しか針を落とさず普段は別のカートリッジで聞いてました(^^;そのため20数年来1回も針を交換したことが無かった。

ところが時代が経過すればいい加減になるもので、管理人はこのサイトを初めてから実験的にボロボロのソノシートまでこの針で再生しました。「レコードは後回し」などと自分で書いておきながら、やはり音のいいレコードのデジタル化を結構行ったので、針の摩耗が心配になった矢先、秋葉原で売っているのを見つけたので購入しておきました。

このTYPEVはたまたま、人気があったので針も入手できたのですが、レコードマニアと呼ばれる人間の中にはMM型だけでは無くMC型などを含め10数本持っている者も珍しくなかった。そういう方は針の調達はどうしているんでしょうか?互換針で良ければネット検索すると見つかります。純正と若干質は異なりますがそれでも安いカートリッジに交換するより、古いカートリッジでも良いものを持っていれば互換針を使用した方が良いでしょう。

デジタル化する場合はモチロン、そのまま再生する場合でもできるだけ質の良いカートリッジを利用すれば音質だけではなく、低針圧でトレースできるので盤の傷みも軽減されます。これからも長く大切なレコードを聞き続けるには針の入手先もしっかり確認しておいたほうがよさそうです。純正針が今後入手困難になると予想される場合は「在庫」として確保しておく必要があるでしょう。

※余談かも知れませんがレコードの摩耗を少なくしようと指定針圧以下でトレースしても逆効果でかえって針と盤面を傷めますのでご注意。



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