捨石6
攻め合いの捨石
24型 白先 解説 白△の五子を助けてください。 |
25型 黒先 解説 黒七子は完全に白の囲みの中ですが、よく見ると白のほうにも欠陥があります。ことに隅は魔物が住んでいます。 |
26型 黒先 解説 三つに分断された黒のうち、もっとも弱いのは黒▲の四子です。これを助けるには白△の二子を取らなければなりません。うまく白二子を取ってください。 |
27型 黒先 解説 攻め合いにすることさえ難しい感じの黒ですが、実は白△七子を取って黒勝ちになります。どう打ったらいいでしょうか。 |
24−1図 勝手読み ちょっと考えると、白1から3と打って簡単に手になりそうな感じです。3のあと、黒aとはツゲず、黒bなら白aと突っ込んで両アタリです。ところがこれは白の勝手読みです。黒は2とは受けません。 |
24−2図 黒の反発 白1に対しては黒2の反発があります。白3と出て一見白勝ちのように見えても、隅の白△二子がすでにアタリです。 |
24−3図 白負け 黒4とその二子を取られると、白△の四子もアタリになります。白aは黒bでトラレです。また、白cのウチカキが打てるのは、白△が二手以上ある場合の話です。つまり、dがあいていることを見逃した片目の白の目測の誤りです。 |
24−4図 目算違い そこでこんどは白1の出から打ってみます。黒2は当然で、続いて白3とハネます。 |
24−5図 しかしこれも、白△と黒▲の交換があるだけで24−3図と少しも変わらず、白の目算違いです。黒4と二子を取られて隅の白4子が先にフタリになります。白aなら黒bで白のトラレです。そう考えると手はなさそうですが、ここにピッタリの格言があります。その格言とは「敵の急所は味方の急所」 つまり、白の失敗の原因は、いずれも黒▲の位置を黒に打たせたことです。 |
24−6図 解決 それに気がつけばもはや解決したも同然です。すなわち白1のワリコミを先に打つのです。黒aなら白bで黒▲が取れます。それがいやだとして・・・ |
24−7図 捨石 黒が2とツグなら、白3とハネて追い討ちをかけます。白△の捨石の威力を見てください。黒五子がアタリで黒aと取る余裕はありません。また、ダメヅマリとなった黒は、bとオサエることもできないのです。 |
24−8図 捨石の効果 黒が4と一子をポン抜けば、白も5とポン抜きます。今度は白△が捨石となって、黒aのオサエを防ぎます。 |
24−9図 白勝ち 25型へ 黒6と取れば白7と打って黒▲四子との攻め合いは白勝ちです。この手があっては24−6図白1に黒aとするしかありません。そこで白は二子を取って生きとなります。 |
25−1図 俗手 黒1は俗手です。白2、4と受けられると、黒九子は氷の海に溺死してしまいます。 |
25−2図 不可 黒1のツケもむろん不可です。白4のあと、黒aと打っても白bと取られて手なしです。また、白2は4と打つのもあります。 |
25-3図 筋 黒1が筋です。白2、4と切られて、黒一子はすぐにも取られそうですが、ここは隅の特殊性があります。 |
25−4図 手を伸ばす手段 黒5白6となったあと、黒7とサガったのがうまい手です。白は直接aと打つわけには行きません。また、白bとサガれば黒cと打ちます。ダメヅマリの白はdと打つ手がありません。これでまず左辺からの攻めを封ずることができました。 |
25−5図 捨石 次には左下からの攻めをけん制する番です。白8とツイだとき、黒9と切ったのがそれです。むろんこれは捨石です。白10とカカエてもまだ白aと突っ込む手のないのが白の泣き所です。黒▲の手数は完全に一手延びたわけです。 |
25−6図 攻め合い勝ち これだけ準備してから黒11と打てばもう大丈夫です。白aと打っても黒bで勝ちです。 |
25−7図 白に残された反撃の手段は、25−4図のあと、白1と放り込む手です。黒2から・・・ |
25−8図 負けのないコウ 26型へ 白3黒4白aと取ってコウです。しかし黒にはbやcのこうだてがあり、まず負けのない姿です。 |
26-1図 失敗 黒1の出はあまりにも平凡です。白もダメが詰まるが黒も詰まります。黒3とサガっても黒4とツガれて黒の手負けは明らかです。 |
26−2図 正解 正解は黒1のハネです。黒▲に負担をかけず、しかも白△四子の手を詰めるにはこれしかありません。この場合の白の応手はa、b、cの三つです。 |
26−3図 中央突破 白2と切れば、黒はすかさず3と出る。白がaと取れば黒bとアテます。白aでbなら黒cと打ちます。いずれにしても白二子を取って黒生きです。 |
26−4図 予期以上の成果 黒1のハネに白2とツイだら、黒はむろん3とノビます。白4と切られても黒5とノビて黒は三手、白はaでただちにアタリになります。 |
26−5図 次の手は 黒▲に対しては、単に白1とオサエルのが白としては最強の抵抗です。こう打たれると無意識のうちに黒aとツギたくなりますが、そこが思案のしどころです。黒aなら白bで負けになるのは明白です。もう一着非凡な手を打たなければなりません。 |
26−6図 絶妙な手 黒1と二段にハネるのが絶妙な手段です。白2とツゲば黒も3とツギます。黒は四手で白は三手です。黒勝ちです。 |
26−7図 黒1とハネたとき、白が2のオサエなら黒3と出ます。黒▲二子の働きで白はaとツグ手がありません。白bには黒cとツイでよく、その後白dなら黒aと突っ込みます。 |
26−8図 捨石 27型へ 最後は白1に対する対策です。この場合は黒▲三子を捨石として黒2とハネ込むのが素晴らしい手順です。むろん白aとツグ手はなく白△二子が確実に取れます。 |
27−1図 一本道 黒1から白4まではまぎれる余地のない一本道です。ここで手数を数えてみると、白は四手、隅の黒は三手です。このまま詰めあっていくと黒の負けは明瞭です。しかしここは隅、その特殊性を使って解決したいものです。 |
27−2図 時期尚早 黒1のサガリが隅でしばしば用いられる手です。しかし直接それを打つのは時期尚早です。白4のあと、黒a白bで黒が先にアタリになります。 |
27−3図 失敗 黒1に対して白2と食わせます。黒3とウチカキ、白4と取った後・・・ |
27−4図 貴重な発見 黒5から7とダメを詰めあっていった時白aと押す手がありません。これは27−3図の白2が悪かったためですが、黒としては貴重な発見をしました。すなわちそれは「右側から白の攻めは心配する必要がない」ということです。 |
27−5図 絶好の捨石 右側が当面心配ないとすれば、両面作戦も少しも恐れることはありません。黒1とウチカキます。白2と取った時黒3とサガるのが正しい手順です。白4のあと黒5のツケが絶好のタイミングです。言うまでもなく捨石です。 |
27−6図 白6から8まではいずれも必然の応酬です。白はaのノゾキを打ちたいところですが、黒bとツガれて自らダメを詰めることになりますから、もちろんそれは打てません。 |
27−7図 総攻撃 次はいよいよ右の白七子に総攻撃をかける番です。黒1から3となったあと、白aと打てないところが黒▲の捨石の効果です。白4と取れば・・・ |
27−8図 黒一手勝ち 黒5とツギ、白6と取った時黒7と詰めて白はアタリです。一見まったく手がないように見えた本型は27−5図黒1、及び27−6図黒5の二つのけん制作戦がみごと功を奏して黒勝ちとなります。 |
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