捨石3
2 連絡切断の捨石
13型 黒先 |
いま、白△にツケられたところです。白の意図がどこにあるかは明瞭です。あなたは殿軍の将。全軍の犠牲となって無事本隊を救出してください。 |
13−1図 あきらめ |
実戦ともなれば仕方がないとあきらめて、黒1とツグ人がいるのではないでしょうか。 だがこれは白2と切られて黒五子を取られて、被害は甚大です。 |
13−2図 正解 |
ここは黒1とワリ込みを打たなければなりません。白2と打てば黒3と切ります。これで白aの切りはなくなり全軍無事帰還できます。 |
13−3図 捨石 |
黒1に対して白2と切るなら、黒は三子を捨石にして3から5と連絡します。敵の攻撃を一手に引き受けた殿軍としては、このくらいの犠牲は止むを得ません。戦っては退き、退いては戦う。このカケヒキがなくては殿軍の将はつとまりません。 |
14型 白先 |
白△の二子を救出する手があります。 ヒントは黒六子のダメヅマリです。 |
14−1図 無策 |
白1、3と突き出すのは無策です。こんな単純な手では成功するはずがありません。黒2とハズされ、白5の切にも黒6と鋭鋒をかわされます。 |
14−2図 正解 |
白1とハネるのが好手筋です。黒2とオサエたら白3と切ります。 |
14−3図 捨石 |
黒1とカカエたとき、すかさず白2とハネます。これも重要な手順です。黒の応手には、aのオサエ、bのハネ、およびcの取りの三つが考えられますが、黒がそのいずれをとっても、必ず白は連絡できます。つまり、この場合の白△は捨石です。 |
14−4図 連絡 |
黒1なら白2と出ます。黒6子はアタリです。それに黒aと遮断する手もありません。黒3には白4です。むろん、白aと黒のツギを交換して4と打ってもかまいません。 |
14−5図 ハネへの対策 |
次は黒1のハネに対する対策です。この場合は白2と食わせて黒をダメヅマリに導くのがよい手になります。白2のあと、黒aと取るなら、白b黒ツギ白cで1の一子が取れます。 |
14−6図 続き |
黒1と一子を取れば白2と突っ込んでアタリです。ここでも△の捨石が有効に働いて、黒a、または黒bとツグ余裕を与えません。 |
14−7図 黒不利なコウ |
とすれば黒は1と取る一手です。そこで白2と切って両アタリです。このあと、黒a白bのコウの余地はありますが、黒七子がアタリになるコウです。黒に勝ち目はありません。 |
14−8図 白コウを避ける |
白がコウを避けたいなら、白1、3とする手法もあります。黒aとツゲませんから、黒4白aで黒▲を取ることができます。 |
14−9図 無事撤退 |
最後の一つは黒1の取りです。しかしこれならもっと簡単で白2と出ればよい。黒aなら白bで両アタリです。こんどもコウになりません。 黒は14−2図の2の手で、aあたりに打って白に連絡させるほかないということになります。 |
15型 黒先 |
下方の黒三子を助ける道はただ一つ、白△の二子を取るしかありません。その時必要なのが犠牲バントです。どこでどう打ったらよいでしょうか。 | 15−1図 ヘボ筋 |
黒1、3とするのはいわゆるヘボ筋です。白2、4と受けられたあと・・・ |
15−2図 |
黒5とここで犠牲バントを行っても、白6から8とポン抜かれれば攻め合いにもなりません。 |
15−3図 失敗 |
黒9とツイだとき、白10と出て12とサガれば完全な二眼の生きです。 |
15−4図 正解 |
黒1と飛びつけ3と切りチガエる。白△の二子は取られたも同然です。 |
15−5図 解決 |
白4と一子をカカエれば、黒は5と突っ込みます。黒▲の捨石がここで奏功し、白aとツグ手はありません。白がbと一子を取り、黒はaと白△二子を取って上下の黒は連絡します。 |
15−6図 |
15−4図のあと、白1には黒2とキリます。白aとはツゲないので、白bと黒aとツナがります。 |
15−7図 |
黒1とツケたとき白2とサガるなら、黒3とオサエ、白4のハネダシには黒5とキリます。白aにはツゲません。 |
15−8図 先手のフリカワリ |
こうなれば白6は絶対です。そこで黒7と白二子を取って連絡し、白8とカカエたとき先手をとって他の大場に向かうことができます。 | 15−9図 白無理 |
黒1に白2のツギは一般に最強の抵抗ですが、この場合は無理です。黒3のサガリから黒7まで黒の一手勝ちになります。 |
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