定石外れのとがめ方

定石は数えきれないほどたくさんあり、全部憶えられません。
初級者・中級者の皆様は定石を知らないので定石外れの手を打つことがあります。
相手をしている人も定石外れを打つたりします。
また、相手が定石どおりに打ってこないので、次にどう打っていいか分らない場合もあるでしょう。
実戦でよく打たれる定石を中心に勉強しましょう。
黒▲の一間バサミは、厳しいハサミで白が上辺に根拠を得ようとする手を完全に妨げている。白が競り合いを避け隅に入れば厚く封鎖することもできます。
右辺の「い」に黒石のある布石では特に有効な封鎖で、現在よく用いられる手段です。

問題の部

第1型  白先  解説

定石を知らない人が早く封鎖しようと白1と打ちました。白はこれをどうとがめますか。

第2型  黒先  解説

白1は隅を白地にして、黒の外勢も破ろうとする欲張った定石外れの手です。黒はどうとがめますか。
第3型  白先  解説

黒の外勢を突破しようと白1に対して黒2とオサエました。ごく自然の手のように見えますが、定石外れです。白はどうとがめますか。

第4型  白先  解説

定石の途中で黒が手抜きしました。
白はどうとがめたらいいでしょうか。
第5型  黒先  解説

白△のハネは定石外れです。
黒は分かりやすく、とがめてください。

第6型  黒先  解説

白△のように二つしか並んでいない時に、白1の一間トビは定石のうろ覚えでした。黒は適切にとがめて下さい。




第7型  白先  解説

白△の位置に白石がある時は、黒▲はついオサえたくなりますが、定石外れです。白はどうとがめますか。
第8型  白先  解説

白1に黒2、4は定石外れです。
黒はどうとがめますか。












第9型  黒先  解説

黒▲の一間バサミに対して、白1と両ガカリしました。黒2と、黒▲のハサミのある側にツケるのが好手です。
白5のアテが定石外れです。








解説の部

1−1図  手順

白1と三々に入れば、白の実利、黒の外勢という分れになります。
実戦でもよく打たれる手です。
黒2のオサエは白を隅に封鎖し、黒は外勢を築きます。基本的には黒が▲辺りにあるような時に打たれることが多い。
黒4は外勢を築こうとした手ですが、定石外れです。
1−2図  正解

白1、3と打たれると、黒に断点が二箇所できます。





1−3図 正解続き  問題へ

白1から15まで、黒がゲタで取られてしまいます。





2−1図  手順

黒4は白のキズをねらいながら、しっかりした外勢を築こうとした手で定石です。白5は欲張った手です。

2−2図  正解

黒3と内側にキルのが手筋です。黒5、7と白△の二子を分断してしまいました。
2−3図  正解変化  問題へ

黒3に白4とツグと黒5と白二子を取ります。黒は外勢を破られましたが、隅の実利が大きく黒が十分です。
3−1図    手順

白5のオシに対して黒6のハネは自然な手のように見えますが、定石ではありません。


3−2図  正解

白1のハネが良い手です。白2のキリには白3とツギます。黒4とノビれば白5のノビが好形で白が戦えます。
3−3図  正解変化

黒1に白2、4の抵抗なら黒5が成立します。


3−4図  正解変化の続き

白1と逃げ出す手があります。黒2には白3から5と黒一子を抜けば白の成功です。

3−5図  定石

白1に黒2と出ます。黒4と隅の方からキリます。
黒12までが定石です。
3−6図  黒失敗  問題へ

黒1とこちらをキルのは悪い。黒3、5と隅を取っても、白6と黒模様を破って、白有利です。

4−1図  手順

黒▲とノビた時に、白1のサガリもよく打たれる変化です。黒2もよく打たれるオシですが、白3のサガリが落ち着いた好手です。ここで黒が手抜きしました。
4−2図  ネライのハネ出し

白1のハネ出しが厳しいネライです。黒2と切った後、白3とノビ、5、7を利かします。黒8が省けない備えです。白は9までと、簡単に治まり形につくことができます。
4−3図  強烈なツケ

4−2図の黒8は省けない大切な備えです。手を抜いて、黒1ときたら、白2が、知らないと打てない強烈なツケです。白8まで、黒四子を取ることができます。
4−4図  黒苦戦  問題へ

白△のツケに黒1とサガって白の薄みを狙っても、白6のツギが好手で白は連絡してしまいます。黒大苦戦です。

5−1図  手順

黒1がある時、白6は一路左のノビが定石です。
しかし、白6とオサエてくる人が以外に多いように思います。
5−2図  正解

黒1のサガリが正解です。白2と連絡をさえぎってくれば、黒3が厳しいキリです。白4から黒7までになれば黒満足です。
5−3図  白無理

白4と一子を逃げ出すのは無理です。黒5と打ち、白6のとき、黒7が厳しいハネ込みです。黒11まで、白のツブレです。
5−4図  正解変化  問題へ

黒1に白2のツギが相場でしょう。黒3とマガって一子と連絡し、実利を取る変化になります。

6−1図  手順

黒3、5と圧迫する型です。ここで白8からすぐ白10とトンだところです。白10が定石外れです。
6−2図  正解

黒1、3のデギリがよい手です。白4のカカエなら黒5、7と白三子を取って黒は満足です。
6−3図  正解変化

黒3に白4なら、黒5と取ります。白6から10と分断してきても黒11と荒らして黒十分です。
6−4図  失敗  問題へ

黒1のオシは味消しです。白2とツガれて黒はせっかくのチャンスを逃しました。
7−1図  手順

白1の高い両ガカリは、よく打たれる策のある手です。白5のツケが好手です。黒6が定石外れでした。

7−2図  正解

白1のアテから3と切断します。黒4と逃げても、白5から7とアテられ、白に良い形で破られてしまいます。更に白9から11と隅の一子を取り込まれてしまいます。
7-3図  正解変化

白1に黒2、4なら白は5、7と打って十分な構えです。
7−4図  失敗  問題へ

白1のヒキはチャンスを逃しています。黒2のツギで隅の白地が大きく、白が不満です。
8−1図  正解

白1のアテが手筋です。ここから持っていくのがよい打ち方です。黒2と逃げてくれば・・・

8−2図  正解・続き

8−1図に続いて、白1から5が良い手順です。隅の黒▲が痛んで白十分です。
8−3図  失敗1

白1のアテは俗筋です。白5と頭を出した時、黒6と受けられます。黒8まで、この図は白不十分です。
8−4図  失敗2  問題へ

白1のノビは打ち過ぎです。黒2から封鎖されます。黒10まで、窮屈な形で白失敗です。



9−1図  正解    黒7ツグ(△)

黒3が厳しいキリです。白4とアテ返し、白8までとなったときに、黒9は他の大場に向います。
隅の白地は大きく見えますが、黒の厚みがまさります。後に、黒、白、黒となれば隅の白地は小さくなります。
9−2図  正解変化

前図の白2で、白1とツイでも、白は良い結果になりません。黒2とオサえ、白3には黒4が冷静なツギです。白5のとき、黒6のトビが、白の連絡を妨げる好手です。黒8まで黒が厚い姿です。

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