目 次 |
はじめに |
編集にあたって |
ヨーチンと衛生兵 |
谷口治夫 |
バンザイ三唱で見送られて入隊、農業をしながら夜間学校に通学、過酷な初年兵生活、下士官への道、「ヨーチン」と呼ばれた衛生兵、戦死者の多かった衛生兵、 大隊長の戦死、足のマメの治療、陸軍製絨廠勤務、危険な状況のなか中部仏印へ、日本軍の宿舎だけが標的、終戦まぎわの負傷、フランス軍の捕虜、消毒液のお風呂、亡くなっていた息子、佐渡で元気を取り戻す、大工さんの手伝い、つらかった戦後の数年 |
フィリピンのジャングルでの負傷 |
狩野哲郎 |
新しい軍旗、初年兵の教育係、フィリピン戦線へ、コタバト州の警備、モロ族との銃撃戦、右大腿部負傷、ランプの元での手術、助かった命、内地へ帰還、再び敦賀の部隊へ、焼け野原の町、 |
海軍少年飛行兵の募集 |
岡井徳雄 |
貿易会社勤務から現役入隊、日中戦争開始直後の赤紙、機雷の掃除、三十六才での召集、事務職で命拾、志願兵の募集、自転車で郷里に帰る、終戦後にきた弟たちの戦死広報、慣れない農業 |
海の底の特攻隊 |
川合逸夫 |
滋賀海軍航空隊入隊、予科練への憧れ、予科練合格、班単位でつけられる成績、「操縦」と「偵察」、宮津での出会い、「特攻隊へ行くんだ」と言われて、「伏竜」特攻隊、空気を鼻から吸って口から吐く練習、浮いたり沈んだりする練習、訓練中の犠牲者が多かった、戦争が終わって、よい子になって帰ってきた |
軍馬の遺髪 |
櫻本善兵衛 |
小学校から青年学校へ、近衛騎兵連隊に入隊、上官の命令行きが決まる、つかの間の家族との再会、手馬兵、包囲攻撃を受ける、マレー作戦開始、太平洋戦争の予感、暗号通信兵として、印象に残った二つの電報、シンガポールからの帰還、結婚祝は二升酒のチケット、「赤紙」で再び召集される、戦後も続いた家族の死、馬が犠牲になってくれた |
後方部隊で |
本郷兵三 |
五尺三寸の輜重特務兵、輜重特務兵の訓練、馬の扱い方のノウハウを伝授する、外国人居留地を通って出兵、揚子江の馬の上陸、後方の輸送部隊、二回目はこっそりと出た、国境付近の監視、日本に帰れると思ったところが、倉庫勤務、前線へ米一俵送るのに、日本から5俵必要だった、家族への手紙、防空壕が崩れ死んだ人たち、防空壕のなかで朝寝坊、地面を這う殺傷弾、反撃できずに、終戦前の帰還、 |
戦死の誤報
朝鮮半島の部隊に入隊、中国北部で負傷、つらかった病院船、名古屋の軍需工場へ、「戦病死」した兄が帰郷、昭和22年に結婚、「ここを出たら最後や」いうて、何回も召集される人々、ナベ・水筒をぶら下げて帰ってきた、結婚した当時も配給生活、
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奥村照雄
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呉海軍工廠
呉海軍工廠へ、マンモス工廠の出勤風景、科学の粋を集めた海軍工廠、タイムレコード、募集から強制的になった人集め、とりやめになった海軍技手養成所行き、戦艦大和の進水式、書類を持って防空壕へ、海軍工廠壊滅、燃えてしまった呉の街、焼け残ったミシン、役に立たない戦災証明、広島原爆で亡くなった姉、終戦と敗戦病
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熊木与吉
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赤道を越えて
水雷艇「千鳥」、少なかった海軍入隊者、視力が重要な海軍、日中戦争へ動員、陸軍が台湾に結集していたわけ、陸軍の護衛、巡洋艦「天竜」に転勤、「天竜」沈没、駆逐艦「清波」に転勤、月明かりのもと撃沈された「清波」、十日間の漂流、戦車部隊に行かずに命拾い、地球は丸かった |
西川鎌蔵
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終戦の日の特攻出撃命令
海軍に入隊した三人兄弟、飛行気乗りは第一種消耗兵、十八歳で予科練入隊、殴られっぱなし、特攻隊へ組み入れられる、練習機しかなかった特攻隊、カンと気力がたよりの飛行訓練、飛行機が少なくなって始まった体当たり攻撃、終戦の日の出撃命令中止、敗戦を知って、帰国まで台湾の製糖工場で働く、甲種飛行予科練習生、生死の境をかいま見て |
笹井敬三
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天山山脈を越えて
十六歳で満州へ、十九歳で現役入隊、焼け野原の神戸・大阪、ソ連参戦後の混乱、九月までは気楽な使役、「東京に帰る」と言われたのに、砂漠の発電所、くじでわける黒パン、大トカゲも貴重な食糧、言葉を覚えて住民と仲よくなる、砂漠で死んでいった人たち、家族へのハガキ、なかなか信じられなかった帰国 |
北島敬三
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さんご礁での毛布洗い
日本赤十字社滋賀支部救護看護婦生徒卒業、戦場に行かなければならなかった救護看護婦、病院船への召集、出征兵士のように送られて、行き先のわからない二度目の召集、空襲の毎日、毛布を洗ってあげる、病院船沈没、嵐・機銃掃射そしてフカに襲われた漂流生活、かつお節を持ってフィリピンへ、バギオの山のなかをさまよう、助かった命、終戦の翌年の帰国、両親が無事を祈っていてくれた |
木村ます
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海軍の自い服と黒い雨
三人の男の子を持つ母の悲しみ、兄の遺骨、Bコウにやられた兄の遺骨、ドカレン(予科練)と松の根掘り、原爆の落ちた日の朝、大きなキノコ雲やった、三十年後にとれたガラスの破片、白い服を黒くそめる雨、広島の街の惨状、知っていた原子爆弾、被爆後一週間で新芽が出てきよった、被爆者であることを隠した |
笹井孝太郎
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ビルマでの夜襲
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三木辰六 |
戦地からの手紙
無事に皆様と出会い一同笑って暮らす日を楽しみに
僕の帰る日を待っていて下さい
その後長らくご無沙汰をしておりました
父上母上様お変わりはございませんか
デンシャミチヤ、イケヘアソビニ行ッテハイケマセン |
青木勘四郎宇野栄一
奥島宗男
村上順治
西村浅吉 |