舞い込んだ分厚い手紙 |
おじいちゃんと戦争 孫娘に答える |
T 生い立ちと陸軍士官学校 |
【質問1】 おじいちゃんの生れた頃の日本は? |
あんずの里、「大学は出たけれど」、臥薪嘗胆、自然いっぱいの山野 |
【質問2】 おじいちゃんが受けた義務教育は? |
戦前の学制は複線型、平等を機械的にとらえている戦後の学制、学校と地域社会、 |
学校教育の基本「教育勅語」 |
【質問3】 なぜ、軍人の学校に進んだの? |
欧米列強の脅威、富国強兵、時代の空気 |
U 終戦、そしてルネッサンス |
【質問4】 陸軍士官学校の教育はどんなだったの? |
厳格教育の極致、”公”に尽くす使命感 |
【質問5】 おじいちゃんは戦場に行ったの? |
北軽井沢で聞いた玉音放送、山室静先生の言葉 |
【質問6】 終戦後、おじいちゃんはどうしたの? |
価値観のコペルニクス的転換に戸惑う、おじいちゃんのルネッサンス |
【質問7】 戦後の学生生活で何を考えていたの? |
青春謳歌、人生の師安倍能成先生との出会い、学習院は2年で卒業 |
【質問8】 なぜビール会社に就職したの? |
日本を建て直すには経済だ、仕事は一人ではできない |
V 戦争の本質について |
【質問9】 アメリカとの戦争は正しかったと思う? |
国益の視点に立つ、傲慢の戒め、ABCD包囲網の兵糧攻め、 |
戦争以外に選択の余地はなかった、結果でものごとをとらえる誤り、歴史に学ぶ |
【質問10】 終戦直後の日本の様子を教えて? |
焼け野が原の明るさと活気、尾を引く戦争の傷、生きていてすまない |
W うしなわれしもの |
【質問11】 極東軍事裁判について、どう思う? |
20世紀の汚点、事後法の過ち、パール博士の主張、精神的「カルタゴの平和」 |
【質問12】 戦後の新体制に感じた事は? |
7年間、日本に主権はなかった、現行憲法の基本的性格 |
【質問13】 戦後の社会を見て思うことは? |
日本経済に利した東西対決の冷戦、マッカーサーの証言、 |
第二次大戦の後遺症北方四島、大きな空洞、ノンチックさんの詩 |
【質問14】 戦後のアメリカの影響について教えて |
外来文化を消化する日本、文明開化のなかで見直しした日本精神、 |
伝統的精神の継続性、根無し草の恐れ |
X 日本人の心 |
【質問15】 天皇について、おじいちゃんの考えは? |
天皇という存在の不思議、日本人の心と一体化した精神的存在、 |
終戦に発揮された天皇存在の機能、国民統合の象徴 |
【質問16】 日本のこれから、そしてアメリカとの関係は? |
日本人の心を帯して、「日の丸」と「君が代」、国際性と国家性 |
おじいちゃんのレポートを読んで 馬場景子 |
おじいちゃんのレポートの反響 |
私は日本人 |
仲良しのコリアンと私 |
アメリカ一人暮らしの決意 |
内容紹介
平成10年よりアサヒビール名誉顧問である中條さんの戦争中の体験及び考え方を綴ったものです。
あるときニューヨークに家族で滞在する孫娘の馬場さんから届いたのが、1通の分厚い手紙でした。それには孫娘の馬場さんが通うアメリカのマスターズスクールの女性教師から課題が出たが、それが第二次大戦時の家族や知人の戦争体験者の話を聞こうということでした。そこで馬場さんはおじいちゃんの中條さんを頭に浮かべ、質問状という形でおじいちゃん宛に分厚い手紙を送ったのでした。
この本は、その孫娘の馬場さんがおじいちゃんに送った質問状に答えていく形で、中條さんが戦争体験、そして考え方を述べていったものです。
中條さんは、質問に対して真摯に、また率直な意見を述べながら答えています。これは孫娘の馬場さんに答えると同時に今の若い方にも述べているのだと思います。ぜひ本書を手にとって読んで欲しいと思います。
中條高徳さんの著書です。
1.おじいちゃん戦争のことを教えて―孫娘からの質問状
2.おじいちゃん日本のことを教えて―孫娘からの質問状
3.子々孫々に語りつぎたい日本の歴史
4.魂を抜かれた日本人―歴史に学ぶ日本人の生きざま (マイ・ブック)
5.立志の経営―アサヒビールの復活の原点とわがビジネス人生 (致知選書)
6.小が大に勝つ兵法の実践―アサヒビール再生の要因
7.おじいちゃんの「わが闘争」
8.兵法に学ぶ勝つために為すべきこと―アサヒビール起死回生の経営戦略と人生哲学
9.事の成るは成る日に成るにあらず―アサヒビールの奇跡 小説・中条高徳 |