冬の対策どうしよう?2008
冬をどうやって越すか。みなさんのアイディア集です。
寒い冬を越すために
温度計とメダカ
水温計で管理しよう

冬になり、寒さ対策をどうしようかと思っている方も多いようです。
ここでは、みなさんの対策アイディアを紹介しながら、 どんな方法がいいか考えてみたいと思います。

まずメダカを飼育する時に考えなければならないことは、

「一日を通した水温の変化が、なるべく少ないようにする」
と言うことです。
水温の変化があまり激しいと、メダカが体調を崩し、白点病などの病気が発生しやすくなります。 私たち人間もそうですよね。暖かかったのが急に寒くなるとカゼをひきやすくなるのと同じことです。

なので、必ずしも「あたためなければいけない」ということではありません。 水温の変化を少なくするために「あたためる」という方法もある、と考えてください。
考えてみれば、野外にはヒーターなんてありませんからね。
野外では、寒くなってくると底に積み重なった落ち葉の下や、岸に生える植物の根本などあまり水の動きのない所に潜んでいます。 おそらく、そんなところは水温変化がゆるやかなのでしょう。 ですから、飼育でも同じような環境を作ってやればいいと考えることができます。
1.ヒーターで温度を保つ
おそらく多くの方がやっている方法だと思います。ヒーターを入れ、水温を常に20℃以上に保つという方法です。 水槽内は夏と同じ状態ですので、エサもよく食べるし、産卵もします。基本的な世話は夏と同じです。
最近はヒーターの性能もあがっていますので、あまり起きないですが、デメリットもあります。
まず、電気を使っている機器ですので、突然のトラブルが起きる可能性があります。 ヒーターにはサーモスタットを用いて、過熱防止回路が組み込まれていますが、これがなんらかの原因でこわれ、 水槽の中身をゆでてしまったなんて事例があります。また、ヒーターに近づいてしまったメダカがやけどのような状態になってしまったなんてこともあるようです。
さらに安いヒーターで防水加工がおろそかになっているものを使っていて、 メダカが感電死してしまったということもあるようです。
ヒーターを使う場合、過熱防止対策はどうなっているか、防水加工はしっかりしているか、 確かめてから購入したほうがいいでしょう。
また、水温を25℃以上に保ち、蛍光灯などで日照時間を補ってやると、 冬でも産卵をすることがあります。 ただ、親メダカの栄養状態があまり良くないと、ふ化してもなかなか育たなかったりすることがあります。 また、寿命も短くなる傾向があるようなので、無理に産卵させないほうがいいかもしれません。
2.極端に温度変化しないようにする
わらしこさんの野外水槽
わらしこさんの野外水槽

ヒーターがない状態での冬越しは、どのような対策をすればいいでしょうか。
一番上に書いたように「温度変化を少なく」すればいいので、水温が低いならば低いままで保つ、でもいいわけです。
(ただし、5℃よりは下がらないようにしたほうがいいかもしれません)
日中、太陽の光が当たると水温が上昇します。また夜は、水槽の各面から温度が逃げていきます。 (もちろん、水槽内がどんな環境か、どんな場所に置いているかで変わります) なので、極端に温度が上がったり下がったりしないような対策が必要でしょう。

まず、野外での飼育の場合、容器を土で埋めてしまうという方法があります。 まわりが土で囲まれていれば、日中に温まった水の温度が逃げにくいと考えられます。 場合によっては、レンガなどでもいいかもしれません。
また、プラ舟を使った水槽に、園芸用ビニールトンネルの針金をつかい、 マルチシート(ビニール)でおおって、簡単な温室にする方法があります。プランターでもやっている方がいます。
さらに、飼育容器の周りを断熱効果のあるもの(発泡スチロールなど)のシートでおおってしまってもいいでしょう。 ある程度の厚みがあったほうがいいようです。気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)で覆う方法もあります。
室内水槽の場合、それほど大掛かりな対策をしなくても大丈夫であることが多いです。 どうしても窓際など温度変化の激しい場所に水槽を置かなければいけない場合は、 保温シートなどで夜間かぶせるカバーなどを作ってもいいでしょう。 それで夜間に温度が逃げることを防ぐわけです。
それから、水の量が多いほうが水温の変化がゆるやかになります。 夏の間は小さな容器でも、冬の間はよりたくさん水が入る容器で冬を越させた方がいいでしょう。 できたら45cm以上の水槽の方が安心です。

また、水中にメダカが身を潜めるためのものを入れることがあります。 木の小枝や落ち葉、稲わらや枯れ草などです。低温に強いアナカリス(オオカナダモ)を繁茂させてもいいでしょう。
ただ、木によってはアク(主にタンニン)が強いものがあったりします。 また街路樹は、防虫剤等の薬剤を噴霧していることが多いです。 さらに入れすぎると、腐って水質を悪化させてしまう場合があります。
入れる場合は入れすぎないようにしましょう。
エサを食べない
冬になり水温が下がるとメダカもあまり動き回らなくなります。 活動範囲も水面から、底の方へ移っていきます。 水温が5℃ほどになると、底でじっとしていることが多いです。 底に沈んだ落ち葉の下でじっとしていることもあります。 体もあまり動かさないので、夏よりもエネルギーを使いません。
ですから、エサをあまり食べる必要もないので、 食べなくなってもそれが当たり前のことだともいえます。
なので、まだメダカの食欲がある秋のうちに、 しっかりとタンパク質のエサを食べさせて健康な状態にしておくことが大切です。
水温が下がり食欲が落ちたら、エサはできる限り少なめにして、あげる回数も減らしたほうがいいでしょう。 場合によっては、1日置きでもいいです。
藻などがはえたり微生物がいる環境だと、それをいつも口にしているので、 ほとんどエサをやらなくても、毎日フンはたくさんしているなんてこともあります。
ただ、翌シーズンに卵を産ませたいならば、栄養のバランスを考えたエサを用意する必要があるでしょう。 やせてしまうと、なかなか元に戻りません。 とはいえ、それでもエサの量は少なめにするべきでしょう。
日当たりのいいところに容器を置くとミジンコが冬でも発生することがあります。 もしそうやって生のエサが手に入るならば、それをなるべくあげるようにすると食いがいいです。
 さらに情報をお待ちしております。
さて、NOZO宅の場合。
2004年シーズン
30センチ水槽・ヒーター・エアはもちろんナシの我が家の室内環境。
棒温度計をつっこんで水温を測ってみました。
水槽を置いてある場所は、部屋の西側の窓ぎわ。ある程度広さのある部屋ですが、 普段あまり使っていない部屋で夜間も明かりはほとんどつけません。 またエアコンもありません。 なので、ほぼ自然光によってあたためられているという環境です。
(光の環境も同じ)
晴れの日で最大18℃(午後1時ごろ)最低4℃(午前5時ごろ)、平均して10℃の変化、 くもりや雨の日は、およそ7℃の変化でした。 現在オスとメス各1匹がいますが、とくに体調をくずした様子はありません。
それよりも、窓に近くなって明るくなったせいか、以前と比べて元気になっています。
うーん、やっぱりメダカには光も重要なのかもしれません。

2005年シーズン
現在の水槽は、初代30センチ水槽が西向きの窓のサッシのところ、 45センチ水槽が一段下がった机の上に置いてあります。
12月で10時ぐらいから日が当たるかなといった感じです。水温は10℃〜15℃ぐらい。 室内であまり人の出入りのない部屋なので、風が当たらないぶん水温変化は少ないかもしれません。
また稚魚用飼育ケースが南向きの窓のところに置いてあります。 こちらもほぼ日中は日光が当たります。
どちらも動きこそにぶくなりましたが、元気に生活をしているようです。

2007年シーズン
室内水槽は45cm水槽のみです。水槽の半分がアナカリスで埋まってます。 その中でメダカはじっとしていることが多いです。
太陽の光は午前中に当たります。水温は10℃〜15℃をキープしています。
エサはいつものメダカのエサと乾燥アカムシです。食いが夏ほど良くないので、ごくわずかな量を与えています。 今年はミジンコがまだ発生するので、それをオヤツとして与えています。 ただ、動きが鈍くなっているので、逃げるミジンコを食べるのに苦労している姿も見られます。
外では、プラ舟水槽をそのまま置いています。立ち枯れの稲と枯れたトチカガミの下でじっとしているようです。