不妊に良く使われる漢方薬

漢方の理論で不妊の原因を考えた時、その理由は人によって様々です。さらに言えば、例えば同じ子宮筋腫による不妊であっても、漢方的な体質判断が異なることがあります。
よって漢方薬を服用する場合は、体質の判断が非常に重要になります。普段私たちは病名で対処方法を考えがちですが、漢方では危険な考え方となる場合もあります。
ただし不妊になりやすい体質は存在します。ですから一般的に不妊に良く使われる漢方薬が存在することとなるのです。
以下に主なお薬を列記してみました。

●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…病院で出されるお薬として最も多いと思われるのが、この「当帰芍薬散」です。不妊であれば「まずは」という感じで出されているような感がありますが、本当は「血虚(けっきょ)」という体質がある場合に適用となるお薬です。

●婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)…当帰芍薬散と同じく、「血虚」に対するお薬ですが、その力は非常に優れています。このお薬を1周期飲んだだけで、赤ちゃんが授かったという話もよく聞きますが、もちろん体質が合わない場合もあるため、しっかりとした体質判断は必要です。しかし漢方薬での不妊対策のベースとなる薬と言っても良いでしょう。

●参茸補血丸(さんじょうほけつがん)…このお薬も「血虚」を改善します。しかし婦宝当帰膠と異なる点は、「補陽」作用を持つという点です。一般的には冷えが強く、卵の質が悪い場合などに良く使われます。

●逍遥丸(しょうようがん)…気の巡りを改善するお薬です。不妊とストレスは非常に強い関係があります。ストレスが気の巡りを妨げるため、排卵や着床に影響を与えると考えるのです。「加味逍遥散」という似た名前のお薬があり、婦人科でよく使われます。ほぼ同じ成分ですが「加味逍遥散」には体ののぼせを抑えるために冷やす生薬が入っているため、冷えが強い方は「逍遥丸」の方が良いでしょう。

●海馬補腎丸(かいばほじんがん)…男性不妊にも使われるお薬です。「腎」すなわち生命力を強化して赤ちゃんを授かりやすくします。

その他にも様々なお薬がありますが、体質判断が重要です。また周期療法と言って、生理周期に合わせて漢方薬を飲み分ける方法があり高い効果を示しています。周期療法の場合も各周期に良く使われるお薬は存在しますが、体質をもとに選択する必要があります。


漢方薬局リンク

不妊相談の出来る漢方薬局のHPにリンクしています。
不妊に用いる漢方については、よろず漢方薬局へ