授かってからも、生まれてからも漢方を

妊娠中や出産後の授乳期は、お薬の服用を悩む時期です。もしもの時を考えて出来るだけお薬の服用を慎重に考えることは大事です。
しかし体のトラブルが起こりやすいのもこの時期。漢方では古くから妊婦のケア、出産後の母体のケアに漢方薬を使用していました。
不妊体質であった方は、妊娠しても漢方薬で体質を整えつつ出産を迎えた方が、安心です。妊娠中に漢方薬を上手に使っていた方は元気な赤ちゃんを授かる確率が高いような気がします。また母乳の出も良くなるのですよ。
以下によくある妊娠中と出産後のトラブルと、その時によく使う漢方薬を記しました。もちろん症状がひどい場合にはまずは病院で診察を受けましょう。

●妊娠中の出血…体が消耗し、血液が漏れ出すのを防ぐことが出来ない時に出血してしまいます。心配の無いことも多いのですが、体からのSOSサインと考えて、早めに対処することが肝要です。“気”を消耗している場合は「帰脾湯(きひとう)」などを使います。また「きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」も良く用います。

●つわり…妊娠につきものですが、あまりにひどいと子供にも影響してしまいます。基本的に体内の「湿」が悪さをしていると考え、「香蘇散(こうそさん)」や「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」などを使用します。病院では「小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)」がよく処方されるようです。ただしつわりと言ってもその症状は様々です。その時々に応じてお薬を使い分けた方が良いでしょう。

●妊娠中の貧血…妊娠中はお腹の赤ちゃんに血液を与えるために、お母さんが貧血となるケースが多くなります。この場合は漢方で云う「血虚」状態であり、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などを服用すると良いでしょう。鉄剤などよりも自然な形で貧血を改善できます。

●妊娠中の便秘…妊娠中は腸が圧迫されるなどして便秘になりやすくなります。西洋薬の便秘薬は妊娠中禁忌となっているお薬も多く、妊婦にとって悩みの種となります。漢方薬も慎重に使う必要はありますが服用が可能なタイプもあり、お通じ改善の手助けとなるでしょう。

●母乳が出ない…赤ちゃんへ母乳を与えることは、赤ちゃんの体質を強くするためにも重要です。また何より親子の絆のために出来れば母乳を与えたいものですね。しかし母乳の量が少ない方も多いようです。漢方では母乳は「血」から作り出されるとされますので、「血」を補うことによって母乳の出を改善します。

その他にも様々なトラブルが起きることがありますが、漢方薬はお母さんの体調管理の手助けをしてくれるでしょう。またお母さんの体の状態を良くすることは赤ちゃんの体質を整えることにもつながります。妊娠や出産のトラブルに苦しんでいる方はぜひ服用を検討してみて下さい。


漢方薬局リンク

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