ブログ小説 妙なこと 第九話(9)

船が港に着くと軽トラが、もうすでに待っていました。
義雄と修二は船から降りると、
クーラーは軽トラには載せずに、二人で持って船宿まで戻ったのです。
「お父さん結構重いねえー!!??」
「きょうは大漁だねっ!!?」
と、修二がうれしそうに言ったのです。

「量的には満足だけど!?大きさがなあー??!」
「まだ群れが小さいから!?」
「この大きさじゃあー、近所に配ってもいい顔しないなあー??!。」
と、義雄は苦笑いをして言ったのでした。

「カツオは小さいと血合いが多くてなあー!??」
「メジは小さくても、一応マグロだから刺身で食べれるからいいけど!!?」
と義雄が言うと、
「メジってマグロの子供だからねえー!?」
「酒の肴(さかな)にいいねえーお父さん!!?」
と、修二がうれしそうに言ったのでした。

「でもお父さん!?カツオとメジじゃあー!??」
「同じぐらいの大きさでも、ぜんぜん引きが違ったよー!!?」
と修二が言うと、
「マグロは回遊魚じゃあー!?横綱だからなあー!!??」
「そりゃーあ、ぜんぜん違うさー!!?」
と、義雄もうれしそうに言ったのでした。

「もうそろそろ、軽トラが来るから!?」
「人でこの辺はいっぱいになるから、そっちあたりで待っててくれ!!?」
「これから車を先に、取りに行ってくるから!??」
そう言うと義雄は、急ぎ足で駐車場に向ったのでした。

しばらくすると、軽トラが船宿のところに着くと、
たくさんの人が集まってきたのです。
ちょうど車で義雄が来たところでした。
「タイミングが遅かったなあー!!??」
そうつぶやくと、車の窓を開け、
「しゅうじー!?こっちこっち!!??」
と修二を、車を止めた少し離れたところに呼んだのでした。

修二は重たそうに、10mほどクーラーを持って歩いて来たのです。
「修二、じゃあー!?着替えるかあー!??」
と義雄は言うと、汗と塩水でダブンダブンと音のしている、
長靴を脱ぎ、サンダルに履き替えたのでした。
修二も同じように履き替えたのです。

「長靴の中にこんなに水が入ってるぞー!?」
そう義雄は言うと、長靴の中の水をこぼしたのでした。
修二も同じようにこぼしたのです。
「ここで着替えるのー??!」
「真っ裸じゃーかっこ悪いよー!!??」
と修二が言ったのでした。

「とりあえず、カッパは脱いじゃおー!?」
「パンツとランニングになったら、後ろのシートで着替えるから!!??」
「お前、着替えは??!」
と義雄が言うと、
「トランクに入ってるよー!!?」
と修二が言ったのです。

義雄はトランクを開け、クーラーを入れると、
着替えの荷物を後ろのシートのところに、ドアを開け放り込んだのです。
「これだけかあー!??」
と義雄が訊くと、
「うん!そのバッグに全部入ってる!!?」
と修二は答えたのでした。

義雄は修二から脱いだカッパを受け取ると、たたんで、
自分の脱いだカッパもたたみ、
いっしょに大きめのビニール袋に入れたのでした。
そしてそれを、トランクに入れたのです。

二人は後ろのドアを開け、バスタオルを敷き座ると、
運転席と助手席シートを前にいっぱいスライドさせたのでした。
「これでだいぶ着替えやすくなったねっ!!?」
と修二が言うと、
「じゃあーこの濡れたのは、ビニール袋へ入れちゃえよ!!?」
と義雄は言うと、大きめの袋を修二に見せたのです。

「うん!わかった!!?」
と修二は答えると、急いで着替えを済ませたのです。
義雄も着替えを済ませたのでした。
義雄は濡れた下着の入ったビニール袋を持つと、
「修二!その長靴はこっちのビニールに入れてくれ!!?」
そう言うと、2枚ビニール袋を修二に渡したのです。
そして義雄は、ビニール袋をトランクに入れたのです。
修二はそれを受け取ると、長靴を入れ、トランクに入れたのでした。

「俺は運転するから靴に履き替えるけど!?」
「お前は乗ってるだけだから、そのままサンダルで行くか!??」
と義雄が言うと、
「うん!そうするよ!?」と修二は言ったのでした。
船宿のまわりにはもう、3.4人の人しかいませんでした。


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