ブログ小説 妙なこと 第九話(8)

「じゃあー15mからやってみて!?」
と船長が言ったのです。
「ここは浅いんだなあー!??」
と修二は言うと、辺りを見回したのでした。
すると、修二たちがいる反対側の少し先には陸地が見えていました。

修二は仕掛けを下ろしながら、
「もう陸が見えるところまで戻ってきたんだね!?お父さん!!?」
と言うと、
「そうだなあー!?もうじき上がりの時間だから!?」
「港に近いところの根(ね)かもしれないな!?」
と義雄が言ったのでした。

そう言われた修二は、もう一度周りを見回したのです。
まだ港は見えませんでした。
「こんな浅いところで釣れるのかねえー!??」
と修二が言うと、
「浅い深いは関係ないさ!?」
「回遊魚狙いだから、群れがいるか、いないかだけさっ!!?」
と義雄が言ったのです。

しばらくその場所でやっていると、
30cm前後の小鯖(こさば)の群れが集まってきたのでした。
船で一斉に鯖がかかり始めたのです。
義雄は1匹釣ると、仕掛けを片付け始めたのでした。そして、
「修二お前はやってろ!。」
「どんどん巻かないと、仕掛けが絡まるからな!!?」
「小鯖じゃあーしょうがないから!?俺はやめるから!?。」
と義雄は言ったのです。

義雄が予想したとおり、修二は仕掛けを絡めてしまったのでした。
三人離れた人の仕掛けと絡んだのですが、すぐに解けたのです。
「すいませーん!?。ありがとうございまーす!?」
とすぐに帽子を取り、義雄が礼を言ったのでした。
修二もすぐに
「ありがとうございました!。」と言ったのです。

それから修二は、
「お父さん!?引くから面白いけど!?」
「絡まるのはいやだから、やめるよー!!?。」
と言ったのです。
「そうかあー!??」
「じゃあーそうしろ!?。」
と義雄は言うと、修二の仕掛けを片付けはじめたのでした。

「きょうは面白かったよー!!?」
そう言って、修二はうれしそうにペットボトルのお茶を飲んだのでした。
「でも、手がものすごく臭(くさ)いねえー!!?」
と修二が言うと、
「そうだなあー!!??」
「それがこの釣りの難点かなあー?!!」
と義雄は言うと、うれしそうにペットボトルのお茶を飲んだのでした。

「ゴミは、へさきのとこにゴミ入れがあるから、
そこに捨てればいいからなっ!?」
そう言うと義雄は、お茶を全部飲んだのでした。
修二もお茶を全部飲んだのです。

ゴミをコンビニの袋に全部集めて入れると、修二が捨てに行ったのでした。
そのあいだに義雄は、餌やうろこで汚れた自分たちまわりを、
ホースの水とタオルを使い、洗い流したのでした。

しばらくすると修二が戻ってきました。
それから樽に水をいっぱいためて、ふたりは手を洗ったのです。
そのあと環境にやさしく、匂いが取れるという、
ジェル状の石鹸を使い、タオルで爪の隙間をこすりながら、手を洗ったのでした。
周りで釣っていた人たちも、次第に片づけ始めたのです。

「修二じゃあー!?これ置いてきてくれるかあー!??」
「あとこのタオルも!?。臭くてもう使えないから!!?」
と義雄が言ったのです。
「うん!わかった!!?」と修二は言うと、
えさ用の桶と魚用の樽を持つと、その中に使ったタオルを入れ、
へさきのところに行ったのでした。

へさきに着くと、修二はゴミのところにタオルを捨て、
もうすでに伏せて置いてある桶と樽を、上から重ねて置いたのでした。
すると船長が、
「上げてー!?」と言ったのです。
まだ釣っていた人たちが一斉に、仕掛けを急いで上げたのでした。
すぐに修二は、義雄のいる場所に戻ったのです。

しばらくすると船は港めざして走り出したのです。
着く頃までには全員、自分の周りをきれいに洗い流していたのです。
20分ほど走ると港に着いたのでした。


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