ブログ小説 妙なこと 第九話(6)

漁場に到着しました。
靄(もや)が一段と濃くなってきていたのです。
すると修二たちだいぶ前を、車が猛スピードで通り過ぎたのでした。

「なに??今の!??」と修二が言うと、
「なんだ!?今のは??!!」と義雄も言ったのです。
すぐに義雄は船長のところに行ったのでした。
「船長!?今の見た??!!」と義雄が言うと、
「ああー見たよ!。」
「年に、何回かあるんだ!!?」と船長が言ったのです。

「うわさじゃあー!?」
「蜃気楼みたいなもんじゃないかって言うんだけど!??」
「本当のとこはよくわからないんだ!!?。」
と、船長が言うと、
「蜃気楼ねえー!?陸で走ってる車かあー!??」
「それにしちゃあー!?ずいぶんと速かったなあー!!??」
と納得しない義雄でした。

船長が「今度は30mからやってみて!?」「はい!いいよー!?」
と言ったので、急いで自分の場所に戻った義雄でした。
しばらくすると靄が晴れて来たのです。
遠くまで見渡せるようになってきたのでした。
すると一斉に釣れはじめたのです。

義雄の仕掛けに手ごたえがあったのでした。
一気にあわせると、「よーし!掛かった!!。」と言い、
テグスをどんどん引き上げてきたのです。
小ぶりのカツオでした。それを見て、
「なんだー!?ちいせいなあー!??」
と言いながら、嬉しそうな義雄でした。

今度は修二に手ごたえがあったのです。
「お父さん!?」「もってってるけど!?合わせればいい!??」
と、修二が義雄に訊いたのでした。
「早く合わせろー!!?」と義雄に言われたので合わせたのですが、
「あっ??!軽くなっちゃったー!??」
と修二が言ったのです。

「ばれたんだ!!?」
「とにかく引き上げろ!!?」
と義雄に言われた修二は、がっかりしながら、仕掛けを引き上げたのでした。

「ちょっとかしてみな!?」と義雄は言うと、
修二の仕掛けを点検したのです。
「ハリスも針も大丈夫だから、合わせが遅かったんだ!?。」
「今度もってったら、俺に訊かないですぐ合わせろよ!!?」
と、義雄は言ったのでした。

「うん!?なんとなくわかったよ!!?」
「タイミングが遅かったんだあー!??」
「結構いい引きするねえー!??」と修二は言ったのです。
「ああー!?この引きがたまらなくいいんだー!??」
と、うれしそうに言った義雄でした。

「お父さん!?その釣ったカツオ頭から樽に入れたけど!??」
と修二が言うと、
「ああーこれか!?カツオは頭からこうしとけば血抜きできるんだ!!?。」
「親父から教えてもらったんだけどな!?。」
と義雄が言ったのです。

「へー!?そうなんだあー!??」
「勉強になったよー!!?」
とうれしそうに修二は言ったのでした。
すると船長が笑いながら、
「しゃべってないで、どんどん手換えしして釣って!!?」
と言ったのでした。

義雄と修二はふたりともベロを出して、
ニコニコしながら仕掛けを下ろしたのでした。
群れに当たったのか、みんな型(かた)は小さいのですが、
全員釣れてるようです。

修二も最初の失敗を教訓(きょうくん)にして、1匹目を釣り上げたのでした。
「お父さん!?暴(あば)れて手でつかめないよう!??」
と修二が言ったのです。

「お前のは少し型がいいなあー!?」
「手だけじゃなく胸のところに持っていって!?」
「魚を押さえるんだ!!。」
と義雄が言ったのですが、
「わかんないよーそんなこと言ったって!!??」
と言って、困った顔をした修二でした。

しょうがないので、義雄が修二の釣ったカツオを、
実際につかんで見せたのです。
「こうやるんだ!!?。」
「簡単だろう!??」と義雄が言うと、
それを見ていた修二は、
「わかったよー、そうやるんだあー!?」
と、うれしそうに言ったのでした。


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