ブログ小説 妙なこと 第九話(4)

「このへんが初心者は一番いいんだ!?」
「”へさき”や”とも”よりゆれが少ないんだよ!?」
「船の真ん中を”どう”と言うんだ!!?。」
「どう?!わかった!!??」
と、義雄が言うと、
「お父さん、またくだらないシャレ言って!??」
あきれた顔をして、そう言った修二でした。

「ところで、お父さん!?」
「”へさき”は先だから船の先のほうを言うのはわかるけど!?」
「”とも”って言うのはどこのこと??!」
と修二が訊いたのです。

「船の後ろのほうを言うんだよ!!?」
「なぜそう言うかは知らないけど!?」
「俺は、親父から教わったことだからなあー!?」
「むかしっから、そう呼んでるんだ!!?。」
と義雄が言ったのでした。

「ねえー!?お父さん!??」
「竿持ってる人もいるけど??!」
と、修二が不思議そうに訊いたのです。
「ああー!?お前には、竿はいらないって言ったからなあー!?」
「竿を持ってる人は、”へさき”か”とも”で釣る人なんだ!?。」
と義雄が答えたのでした。

「いいか!船で釣るときは必ず!!?。」
「同じ船の人は錘(おもり)の重さを同じにするんだ!!?。」
「そうしないと、お祭りといって糸が絡んでしまうんだ!!?。」
「ルールだな!!?」
と義雄は言ったのです。

「ふーん!?ルールかあー!?」
「じゃあ、守らなきゃね!?」と、修二は言ったのでした。
「修二!?この通りの人を見てごらん!?」
と義雄に言われた修二は、自分の周りを見たのです。

「船のヘリに餌(えさ)のアミえびの入った桶(おけ)をおいているだろ!?」
「それと、足元にプラスチックの樽(たる)が置いてある!?。」
「へさきのほうに用意してあるから!?」
「お前も真似して準備するんだ!。なるべく早くな!??」
と、義雄に言われた修二は、周りの人の様子をよーく見たのでした。

「俺は仕掛けを作っちゃうから!?」
「おっとその前に、コンビニで買った。」
「おにぎりと、飲み物をクーラーに入れなきゃなあー!??」
そう言うと義雄は、へさきにクーラーを取りに行ったのです。
修二もいっしょに行ったのでした。

そしてへさきのところに行くと、みんなスコップで
凍ったアミえびを砕き適当な大きさにして、
プラスチックの桶に入れていたのでした。
修二はそのやり方を見ていたのです。

「なっ!?こんな具合にやるんだぞ!?」
と、義雄が言うと、
「あいわかった!!?」と修二は言ったのでした。

義雄はクーラーを持って、さっきの場所に戻ったのでした。
義雄がふたり分の仕掛けを作り終わる頃、
修二が樽を抱えて戻ってきたのです。

「修二!?わりと早かったなあー!??」
「もっと時間がかかるかと思ったよー!??」
と義雄が言うと、
「うん!親切なおじさんがいて、餌をスコップで入れてくれたんだ!!?」
「お礼を言っといたよ!?」
と、修二が言ったのでした。

「そうかあー?!それは助かったな!!?」
「じゃあー餌の入った桶をそこの”わっか”に入れ込んで!!?。」
「そうそう!!?」
「そしたら、樽は足元において!?。」
「そうそう!!?」
「よーし、これで準備はOKだ!!?。」

「きょうは錘は50号だから!?」
「化け針だから針に餌はつけなくていいから!!?」
「その代わり、このステンカンというこの中に餌を入れるんだ!!?」
「餌の量は、潮の勢いで違うけど!?」
「だいたい3分の2ぐらい入れればいいだろう!?」
と、仕掛けを見せて義雄は、修二に言ったのでした。

「船長が深さを言うからその深さに下ろして!?」
「そこから早く上に上げて来るんだぞ!!?」
「その繰り返しをするんだ!!?。」
「やっているうちにコツがわかってくるから!!??」
「船長の合図をかならず守るんだぞ!!?」
「それが船釣りのルールだからなっ!!?。」
と、義雄が言ったのでした。


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