ブログ小説 妙なこと 第七話(8)

「バーカじゃない?!。」
「お姉ちゃん!。
”長い”って健介が言ったのは、髪の毛じゃなくって!?。」
「ふ。ろ!。」
と言って、修二は大笑いしたのでした。
健介も笑ったのです。
「なんだあー!。お風呂かあー!?。」
「わたしが長いっていうの、健ちゃんに言わなかったの?!。」
と、美加が言うと、
「修二から聞いていたけど!。」
「こんなに長いなんて!。」
と言うと、健介は、また笑い出したのでした。

「そんなに、笑わなくたって、いいじゃーないの!?。」
と、美加が言うと、
「だってさあー!。長いったって、限度があるよ!。」
「1時間半以上、風呂場で何してたの?!。」
と、健介が言ったのです。すると美加が、
「女性が隅から隅までちゃんと洗って、湯舟に浸かって、
髪の毛も洗うと、そのくらい、誰だってかかるのよ!。」
と、さも当然のように言ったのでした。

「そうかなあー?!。」
と、健介が首をかしげながら言うと、
「まあいいや!。」「入るかあー!?。健介!。」
と、修二が言ったのです。
「うん!。」と、健介が言うと、
「ふたりとも入るって!。」
と、美加が食堂に向って言ったのでした。
その声を聞いた美津子が、
「わかったわ!。」と、答えたのです。

「俺の部屋まで、着替えを取りに行こう!。」
と、修二が言うと、
「うん!。」と健介が言い、
それからふたりは、修二の部屋に行って、着替えを持って来たのでした。
風呂場に着くと、ふたりだとちょっと狭いので、二人は立ちひざをして、
先にボディシャンプーで、身体を洗ったのでした。
ふたりは、小さいときから湯舟に入る前に、からだを洗ってから、
入るように言われていたのです。
それがエチケットだと教わっていたのでした。

むかし、修二と健介がまだ小学校の低学年の頃、
家族で温泉に行ったときのことでした。
いい年のおじさんが、ほんとうに酔っていたかもしれませんが、
大浴場に入ってきて、いきなり湯舟に入ろうと、
片足を入れようとしたきに、修二と健介が大きな声で、
「おじさん!。」
「湯舟に入る前に、からだを洗いなよ!。」
「エチケットだよ!。」
と、言ったのでした。

その声を聞いた周りにいた人たちが、
いっせいに、そのおじさんを見たのです。
そのおじさんは、ばつが悪そうに、
「おじさん少し酔ってたから!。」
「そうだよなあー!?。」
「湯舟に入る前に洗わなきゃーなあー!。」
と言って、湯舟のところから戻って、
鏡やハンドシャワーがある、洗い場に来たのでした。

ふたりは小学校の頃、いっしょに何度もお互いの家に行き、
風呂に入って、歌を歌ったのでした。
「ちょっと狭いなあー!?。」
と、修二が健介といっしょに湯舟に浸かって言うと
「そーだなー!。」
「小学校のとき、何度もいっしょに入ったときは、
ぜんぜん狭く感じなかったけど!?。」
「やっぱり、からだが大きくなったせいだよなあー?!。」
と、健介が言ったのです。
「声変わりもしたし、毛も生えたし!。」
と、修二が言ったのでした。

そこに美津子が、バスタオルを持ってやってきたのです。
「洗うほうのカゴに入ってる下着、洗うよ!。」
と、美津子が言うと、
「すいません!。おばさん!。お願いします。」
と、健介が風呂場から言ったのです。
「修二のと、いっしょに洗っても、いいわね!。」
と、美津子が訊くと、
「はい!。」と答えた、健介でした。

「バスタオル2枚、置いてくからね!。」
と美津子が言うと、
「あい、わかった!。」
と、修二が言ったのです。
「すいません!。」と、健介も答えたのでした。
美津子は洗濯機を開けて、洗剤と柔軟剤を入れると、
洗濯機を回したのです。


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