ブログ小説 妙なこと 第七話(7)

「テュルルルー。テュルルルー!。」
電話が掛かってきたのです。
「しゅうじー!。でて!?。」
と、台所から、美津子の声がしました。
「うん!。でるよー!。」
と、修二は言うと、電話に出たのです。
「もしもーし!。」
「いいえ、違いまーす!。」
そう言って、修二は電話を切ると、
「おかあーさーん!。間違い電話だったあー!。」
と、大きな声で言ったのでした。

「わかったわー!。」と、美津子は言うと、
健介の家に電話したのです。
「というわけで、きょうはこちらに泊めますから、
心配しないでください!。」
「いいえー!。とんでもない!。」
「気にしないでください!。」
「では失礼します!。ごめんください!。」
そう言うと、電話を切ったのでした。

美津子は居間に行くと、
「健ちゃん!。今、お母さんに電話しといたから!。」
「うちに泊まるって、言っといたから!。」
と、言うと、
「すいません!。おばさん!。」
「なんか言ってました?!。」
と健介が訊いたので、
「頭ごなしに言い過ぎたって!。」
「”ちゃんと話を聞かずにごめんなさいって
伝えてください”って言ってたわ!。」
と、言ったのでした。

「お母さん!。謝ってたから許してやってね!?。」
と美津子が言うと、
「はい、わかりました。」
と、健介は答えたのでした。
「よかったなー!?。健介!。」
「久しぶりに、いっしょに風呂にでも入るかあー?!。」
と、修二が言うと、
「うん!。そーだなあー!。」
「あっ、でも。着替えがない!。」
と、健介が言ったのです。

「だいじょうぶよ!。きょうは一時、修二のを着て、
夜洗っとくから、朝までには乾くわよ!。」
と、美津子が言うと、
「すいません!。おばさん!。それに修二も!。」
と、すまなそうに、健介がそう言ったのでした。
「じゃあ!。それで決まりね!。」
と、美津子はそう言うと、食堂に戻ったのです。

「悪いなあー!?。迷惑かけて!。」
「お前にも、おばさんにも!。」
と健介が言うと、
「気にするなよ!。親友じゃんかー!。」
と、ニコニコしながら修二が言うと、
修二の顔を見た健介は、思わず、涙ぐんだのでした。
両手で涙をぬぐうと、
「俺って!。心が小さいなあー!。」
と言って、少し笑ったのでした。

「気にしない!。気にしない!。」
「さあー!。もう少しがんばるかあー!。」
と修二が言うと、
「よーし!。がんばるぞー!!。」
と、健介は言うと、軽く顔を両手で、
「パシッ!。パシッ!。」と二度はたいたのです。
それを見た修二も同じように二度、
「パシッ!。パシッ!。」と、顔を軽く両手ではたくと、
「やっぱり!。いてえやあー!。」
と言って、そしてふたりとも笑ったのでした。

風呂から美加があがって来ました。
「いいお湯だったわ!。」
「次、お母さん入るー?!。」
と、椅子に座って家計簿をつけている、美津子に言ったのです。
「美加!?。どうせ部屋に戻るんでしょ!?。」
「だったら、居間にいるあの子達に、訊いてみてちょうだい!。」
「お風呂、先に入るかどうか?!。」
と、美津子は言ったのでした。

「わかったわ!。訊いてみる!。」
そう言うと美加は、居間に行ったのです。
「入るわよ!。」
と言って、美加が居間に入るとすぐ、
「おねえさーん!。長いねえー!。」
と、健介が言ったのでした。
「そう!。最近、長くなってきたから、切ろうと思ってるのよ!。」
「健ちゃん!。やっぱり長いかしらねえ?!。」
美加はそう言うと、頭を振ったのでした。


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