ブログ小説 妙なこと 第七話(4)

「修ちゃん!。やっぱり、美加だった?!。」
と、美津子が、電話口から台所に戻ってきた、修二に訊いたのです。
「うん!。すぐに迎えに来てだって!。」
と、修二が言うと、
美津子はエプロンを取り、
自分のいつも座る椅子にそれを掛けると、
「じゃあ!。修ちゃんお留守番を頼むわね!。」
と言い、玄関から出かけたのでした。

車で往復20分ほどで、
美津子は美加を連れて戻ってきたのでした。
「ただいまー!。」「ただいまー!。」
ふたりはそう言って玄関を入ってきたのです。
「おかえりー!。」と言って、修二が玄関まで出てきました。
「修ちゃん!。おみやげ買って来てくれたんだって!?。」
「サンキュー!。」
「お母さんから聞いたけど!。」
「銀座なんて、珍しいとこ行ったわねえ!。」
「ブランド品でも買いに行ったの?!。」
と、笑いながら美加が言ったのです。

「まったく、よく言うよ!。」
「でも!。ブランド品買ったには、買ったけど!。」
と、ニコニコしながら、修二が言ったのでした。
「えー!?。」
「ホントなの?!。修二!。」
と、美津子がびっくりして言うと、
「おみやげの、スイーツ!。」
「ブランド品だよ!。」
「健介が、銀座の松坂屋の地下で、”有名なスイーツの店がある”
って言ったんで、まねして買ってきたんだよ!。」
と、うれしそうに言ったのです。

それを聞いた美津子は、
「まったくー!。」
「美加!。手を洗ってご飯にしましょう!。」
と言うと、サッサと家に上がり、洗面所に行ったのでした。
そのすぐあとを、美加も行ったのでした。
「私なんか!。銀座は、もう5.6年行ってないんだからー!?。」
「今は、ブランド品なんか買えるお金もないし!。」
と、美津子が手を洗いながら、美加に言うと、
「今は、って言ったけど!。」
「昔はお金があったの?!。」
と、笑いながら美加が訊いたのです。

「結婚する前の話よ!。」
と、笑って美津子が答えたのでした。
ふたりは洗面所から戻ってくると、
夕飯のしたくに取り掛かったのです。
修二は居間でゲームに夢中でした。
しばらくすると、夕飯のしたくが出来たので、
美加が、修二を呼びに、居間に行ったのです。

「修二!。ごはんよ!。」
「きょうはお父さんがいないからって、
ゲームばかりしてないで、勉強もしなさいよ!。」
と、美加が言うと、
「わかってます!。わかってます!!。」
「もう直ぐ期末試験だから!。」
「直ぐかたづけて、行くから!。」
と、修二が答えたのでした。

「まったくー!。いつも勉強しないんだから!。」
「試験のときぐらい勉強しなさいよっ!。」
と、美加は言うと、食堂に戻ったのです。
「うるさいなあ?!。」
「お姉ちゃんとは頭の出来が違うんだから!。」
「しょうがないだろう!?。」
と、修二はぶつぶつ言いながら、片づけ始めたのでした。

「修二!。かたづけたら、すぐ来るって!。」
そう美加が言うと、
「おなか空いてきた頃だから、きっと、直ぐ来るわよ!。」
と、美津子が言ったのです。
「期末試験だっていうのに、のんきにゲームして!。」
「純ちゃんとはえらい違いよ!。」
と、美加は美津子に言ったのでした。

「純ちゃんっていえば、どうなの?!。」
「修二は”学校に来てる”って言ってたけど!。」
と美津子が訊くと、
「ええ!。私が家庭教師についてから、
奥さんが、”勉強するようになった”って喜んでたわ!。」
と、美加が言ったのです。
「そう!。それはよかったわねえ!。」
「じゃあ、修二のはあとにして、先にわたしたちの分、よそりましょう!。」
そう美津子は言うと、ふたりの分を先に、したくしたのでした。

したくを終えると、直ぐに修二が来たのです。
それを見た美津子が、修二の分のしたくをしたのでした。
「いただきまーす!。」「いただきまーす!。」
「いただくでごじゃる!。」
と、三人がそれぞれ言うと、食べ始めたのです。
三人が夕飯を食べていると、玄関で、
「ピンポーン!。」と、チャイムの音がしたのです。


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