ブログ小説 妙なこと 第七話(3)

修二と健介のふたりは、地下鉄の銀座の駅から新宿へ戻り、
そこからふたりの住む駅に着いたのでした。
駅近くに置いてあった自転車に乗ると、
二人は橋のところまでいっしょに来たのです。
「じゃあなー!?。」と、健介が言うと、
「おおー!。じゃあなあー!?。」と、修二が言って、
ふたりはそれぞれ、自分の家に向ったのでした。

「ただいまー!。」と、玄関を開けると修二は言ったのです。
「おかえりー!。」と、母の美津子が言いました。
修二は玄関を上がるといつもどおり、
台所を通り洗面所に行こうとしたのです。
「わりと早かったわねえ!?。」と、
美津子が修二の顔を見るなり言ったのでした。
「うん!。お母さん!。おみやげ買って来てやったからね!。」
と、ニコニコしながら言ったのです。

「ホント?!。珍しいこともあるわねえ!?。」
「うれしいけど!。なにっ?!。」
と美津子が言うと、
「冷蔵庫に入るかなあ?!。」と言って、冷蔵庫を開けたのです。
「詰めれば、入いりそうだな?!。」そう言うと、
修二は買ってきた物を入れたのでした。
父の義雄はいませんでしたが、美津子と姉の美加と
自分の分を二つで、四個買ってきたのです。

「あとで教えるよ!。夕食後のデザートだよ!。」
と言って、冷蔵庫を閉めると、
修二は、手を洗いに、洗面所に向ったのでした。
すると、「トゥルルートゥルルー」と、電話が掛かってきました。
「美加かしら?!。」そう言いながら美津子は、
電話のところまで行ったのです。
「もし、もしー!?。」と言ってでると、やはり美加からでした。

「はい!。じゃあ!。待ってるから!。」
美津子はそう言うと、電話を切ったのでした。
美津子は台所に戻ると、夕飯のしたくを始めたのです。
きょうはカレーでした。
もうすでに、野菜を軽くいため、弱火で煮込んでいたのです。

ルーを入れると、カレーの匂いが、台所全体に広がったのでした。
洗面所から台所に来た修二が、
「おおー!。きょうはカレーかあー!。」
と、言ったのです。
すると美津子が、
「何かご不満でも?!。」と、修二に言うと、
「いいえ!。ご不満はごじゃりませぬ!。」
と、いつものパターンで答えたのでした。

「うーん?!。カレーのあとかあー?!。」
「甘いものは、合うかなー?!。」
と、少し首をひねって修二が言ったのです。
すると直ぐに美津子が、
「修ちゃん心配しなくたってだいじょうぶ!。」
「カレー食べたあと、お茶でうがいすればOKよ!。」
と、うれしそうに言ったのでした。

「そーかー?!。その手があったんだー!。」
「さすがお母さん!。だてに!。」
と言って、修二は言うのをやめたのです。
「なに?!。」と美津子が言うと、笑って、
「いや!。食後が楽しみだね!。」
そう言って、ごまかした修二でした。

「さっき電話掛けてきたの、やっぱりお姉ちゃん?!。」
と、修二が訊いたのです。
美津子は、カレーを焦がさないように、
ときどきお玉でかき混ぜながら、
「そう!。駅に着いたら電話するから、迎えに来てだって!。」
と、言ったのです。
「ふーん!。ところでお母さん!。見た?!。」
と、修二が言うと、
「なに??!。」と、けげんな顔で、そう答えた美津子でした。

「冷蔵庫の俺が買ってきたヤツ!。」
と、修二が言うと、
「失礼しちゃうわねえ!?。」
「夕飯のしたくで、それどころじゃないわよー!。」
と、美津子は言ったのです。
「そうかー?!。」「楽しみはあとでだね!。」
と、修二はうれしそうに言いました。

それから30分ほどして、電話が掛かってきました。
「お姉ちゃんだ!。」そう言うと、修二が電話に出たのです。
「お姉ちゃん?!。お母さんから聞いた?!。」
と、修二が言うと、
「なに?!。」と、美加が訊いたのです。
「きょうデザートを俺が買ってきたんだ!。」
「聞いてないの?!。」
と、修二が言うと、
「聞いてないわよ!。」
「とにかくお母さんにすぐ迎えに来てって言ってね!。」
と言って、美加は電話を切ったのでした。


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