妙なこと 第六話 (10)

修二と健介は、少し気持ちが落ち着くと、
「そういえばむかし、小学校の頃、砂で山を作ったなあー!。」
そう健介が言うと、
「そうだったな!。」
「よーし!。山でも作ってみるかあ!。」
そう言って修二は立ち上がり、ズボンのすそを捲し上げると、
浜に歩いていくと、足で、ぬれた砂をかき集めだしたのです。

それを見た健介も、
「よーし!。俺も作るぞー!。」
そう言って、ズボンのすそを捲り上げると、
修二がいるところに行って、同じように足で砂をかき集め始めたのです。
「やっぱり、山は富士山だよな!。」
「修二!。このへんならいいかなあー?!。」
そう土台のところを足で固めていた、健介が言ったのです。
「満潮になると、その上のへんまで来ているみたいだから!?。」
「いいんじゃあーないかな!?。」
そう言うと、同じように土台を固めていき始めました。

二人が何かを造り始めたのに気がついた京子と夏樹です。
「修ちゃん!。何作ろうとしてるの?!。」
そう京子が言うと、
「むかしを思い出して、山を作ろうと思ったんだ!。」
そう修二が答えました。
「京子!。私たちもいっしょに作ろう!?。」
そう夏樹が言うと、
「そうだね!。」
「修ちゃんいいかなあー!?。」と、京子が言ったのです。

「いいよ!。なあー?!健介!!?。」
そううれしそうに言うと、
「当ったり前だろ!。」
そうニコニコしながら健介が、答えたのです。
そして四人は、砂で山を作っていったのです。
修二と健介はホントにうれしそうに、
ふたりのビキニを見ながら、作っていったのでした。

「もう潮が少しづつ上げ始めているから、
早くしないと、じきにここまで水がきちゃうよ!。」
そう健介が言ったのです。
「じゃあ!。早くしなきゃあー?!。」
「もうすぐお昼でしょ!。」
「わたしたちお昼食べて帰るつもりだったの!。」
そう京子が言ったのです。
四人はせっせと山を高く積み上げたのです。

「まあカッコがよくないから富士山とは言えないけど!。」
「富士山じゃあなくて、おじさんぐらいかな?!。」
と、修二が言うと、
「おもしろい!。この子!。」
そう、夏樹が笑って言ったのです。
京子も健介もいっしょになって笑いました。

「じゃあ!。これから私たち着替えるから、周りを見ててね!。」
そう、夏樹が言うと、
「えっ!。ここで生着替えするの?!。」
とびっくりして、修二が言ったのです。
「じゃじゃーん!。」
「これ!。」そう言って、大きめのバックから、
ポンチョのような物を出して、かぶったのです。
そして、もぞもぞし終わると、
「京子、水着受け取って!?。」
そう言うと、京子は水着を受け取ると、それをビニール袋に入れ、
代わりに濡れたタオルを渡したのです。

修二と健介は顔を見合わせたのです。そして、
それはそれはうれしそうに、声を出さずに笑ったのです。
やはり、もぞもぞし終わると、
濡れたタオルを京子に渡しました。
京子はそれを受け取ると、今度はバスタオルを渡したのです。
受け取った夏樹は、身体を拭いたのです。
京子にバスタオルを渡すと、そのあと、京子から下着を受け取り身につけ、
そして、短パンとTシャツを受け取り、着替えを終えたのでした。

ふたりに一部始終を見られていた夏樹でしたが、
「次は京子の番よ!。」と、平然と言ったのです。
京子は、「ふたりともあっち向いてて!。」と、言いました。
「はーい!。」と言って、修二と健介はしかたなく、後ろを向いたのでした。
しばらくして京子が着替えを終わると、
「もういいわよ!。こっち向いても!。」そう言ったのです。
そしてふたりは当然、京子と夏樹、ふたりのバッグを持って、
駅まで歩いたのでした。

鎌倉高校の前の駅に来ると、
「東を見てもいないようだなあー?!。」
そう健介が言うと、
「もう捜すのはやめよう!。健介!。」と、修二が言いました。
「お姉さんち!。もういそうにないから、あきらめるよ!。」
と、健介が言ったのです。

「しょうがないわね!。」
「じゃあ!。鎌倉まで行って、おいしい物でも食べましょう!。」
「もちろん!。おごるわよ!。」
そう夏樹が笑って言うと、
「やったー!。」「よっしゃー!。」
そうふたりは言うと、
四人で駅に向ったのでした。


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