妙なこと 第五話 (6)

修二は大声でそう叫びました。
「何で、俺が見なくて!。」
「俺のあとに来たおばさんと、おじさんが見るんだよおー??!!。」
と、ふくれっつらをして言ったのです。
「やっぱり!!。修ちゃんだったのね!!。」
と、京子は笑みを浮かべて言いました。すると、
「へえー!?。修二がUFO呼んだんだあー?!。」
「知らなかったわ!。」
と、美加が笑いながら言うと、
「美加!。よしなさいよ!。修二をからかうのは!。」
と、笑いをこらえながら美津子が言ったのでした。

「まったく!。みんなで俺を小バカにして!!。」
「信じらんないよ!!。」
「見たいと思ってた人が見れないで!!。」
と言って、ご飯をパクパクと食べたのでした。
「お母さん!。おかわり!!。」
と、修二が言ったので、いつもなら、”自分でよそりなさいよ!”
と言うのですが、よそってやった美津子でした。

「はい!。」と言って、茶碗を手渡すと、
「残念だったわねえ!。UFO見れなくて!!。」
となぐさめた美津子ですが、
「意外と!。修二が呼んだりして?!。」
と、笑いをこらえてそう言ったのです。
「そうね!。修二が呼んだのかもね!?。」
と、美加も言ったのですがすぐに、
”プッ”と噴出して笑ったのでした。

「おおー!!。そうかもしれないなあー??!。」
「意外と、UFOを呼ぶ能力があるのかもね?!。」
と、修二がうれしそうに言うと、
「ばあーかじゃない!!。」
「UFO呼べる人が、自分が見ないなんてあるわけないじゃん!!。」
と、美加が言ったのです。すると、
「美加!。もうよしなさいよ!。修ちゃんをからかうのは!。」
と、京子が言ったのでした。

そして、
「おばさん!。話は変わるんですが、
このマカロニサラダとってもおいしいんですけど!。」
「おばさんの手作りなんですか?!。」
と訊いたので、
「そうよ!。評判がいいのでときどきするの!。」
と、うれしそうに答えたのです。
「もしよかったら、作り方を教えてくださいませんか?!。」
と言うと、

「ええ!。いいわよ!。」
「来週作るから土曜日にでもどう?!。」
「でもあなた、アルバイトがあったわねえ!。」
と、美津子が言ったのでした。
「1ヶ月に1度。土日のどちらか休めるんで、
お店の店長に言ってみます!。」
と、京子が言いました。

「そう!。でもいつでもいいからね!。
再来週でもその次でも!。」
「来れるときに電話頂戴ね!。」
と、美津子が言うと、
「ありがとうございます!。じゃあ!。
そのとき電話しますので、よろしくお願いします!。」
と言って、頭を下げたのでした。

「ところで、話は変わるんだけど!。京子さん!?。」
と修二が言うと、美加が
「修二!。あんたの場合、話は変わるんじゃなくて、
話を戻すんでしょう!!。」
と言ったのです。すると修二が、
「まあー、そうだけどおー!。」
「いいじゃん!。話が変わるって言ったって!。」
と言ったのです。

「何?!。修ちゃん!。」と京子が言うと、
「そのおばさんって、どこの人?!。」
そう修二が訊くと、
「知らないの!。アルバイトの帰りに、橋を渡ろうと自転車で行ったら、
人だかりになっていたんで聞いた話なの!。」
「そのおばさんも、夕食のしたくがあるからっていなくなっていたのよ!。」
「自転車のおじさんが、一生懸命UFOのことをしゃべっていたの!。」
「だからそのおばさんって人は見てないのよ!。」

「わたしが橋の真ん中でその話を聞いていたら、
どんどん人だかりができてきて、通れなくなりそうなので、
こっちに渡ってきたのよ!。」
「橋を渡りきる頃にパトカーも来たのよ!。」
「おまわりさんがふたり。橋の入り口でパトカーを降りて、走って行ったわ!。」
「あとどうなったか知らないの?!。」
そう京子が言ったのです。

すると美加が、
「修二が原因で交通渋滞を起こしたのよ!。」
「きっと!。捕まるわ!。」
と、深刻な顔で言うと、
「ふざけんなよ!。なぜ俺が捕まるんだよ!。」
「交通渋滞を起こしたのは、車から降りて、UFO見た人だろ!!。」
「俺は関係ないよ!!。」
とむきになって言うと、美津子が、
「ばかっ!。美加があんたをからかってるのよ!。」
と言ったのです。
美加は、手をたたきながら大笑いしたのでした。


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