妙なこと 第四話 (6)

「おい!。」
「俺が突っ込みを入れようとしたのを察知して、
ずいぶんまともな答えを言ったじゃあないか!。」
そう笑いながら義雄が言いました。
「わかった?!。」
「まったく!。油断できないよ!。」
「もう、浜松だ!。」
「有名なのはうなぎだね!。浜名湖も!。」
「最近では、スッポンの養殖が盛んだってニュースで言っていたよ!。」
そう、亮が言いました。

「うなぎは知っているけど、スッポンの養殖は知らなかったよ!。」
「スッポンってのは、服。着てないよな?!。」
義雄が言いました。
「当たり前じゃあないか!。」
「どこに服着たスッポンがいるんだよ!。」
そう、亮が言うと、
「裸だからスッポンって言うのかな?!。」
「子供の頃よく風呂に入ると言ったよな!。」
「スッポンポンだって!。」
「今!。言わないなあ?!。」
義雄が言いました。

「相変わらずくだらないシャレを言うんだから!。」
「そういえば、姉さんが言ってたよ!。」
「修二が高校に入ってから、兄さんと同じように、
くだらないシャレを言うようになったって!。」
亮が言いました。
「ふーん!?。」
そう義雄が言うと、
「それだけかよ!。」
そう、亮が言いました。

亮が義雄を気づかいこう言ったのです。
「もうすぐ浜名湖サービスエリアだけど休憩しなくていいの?!。」
義雄が答えて言いました。
「休憩なんてしなくても平気だ!。」
「知っている道だからとにかく急ごう!。」
浜名湖サービスエリアを過ぎて義雄が言いました。
「三ケ日インターを過ぎてトンネルを抜けると、
すぐに愛知県だからな!。」

三ヶ日インターを過ぎてじきに、小さなトンネルを抜けました。
そしてすぐに亮が言いました。
「やっと、愛知県かあ!。」
それを聞いた義雄が言いました。
「あれ?!。もう少し先のトンネルかなあ?!。」
「兄さん!。はっきりしてよ!。」
「そんなこと言ったって、むかし通ったことだから、
はっきりなんて覚えてないよ!。」
「トンネルを抜けるとそこは、愛知県だった!。ってか!?。」
するとすぐに、
「どっかで聞いたことのある有名な文章のパクリ?!。ってか!。」
そう、亮が言ったのです。

ふたりで笑っていると、すぐにふたつ目のトンネルに入ったのでした。
「ここだよ!。ほら愛知県だ!。」
義雄が言うと、
「やっと愛知県か!。」
「静岡は結構長いんだね!。」
「俺が思っていたより、時間がかかったよ!。」
そう、亮が言いました。

「これから名古屋まで一直線だからな!。」
「そこから先は、自分の運転では行ったことが無いから!。」
「亮!。よく地図を確認してくれ!?」
義雄にそう言われた亮は、大きめの地図帳を取り出して、
「兄さん!。ちょっと、明かりつけるからね!。」
そう言って、運転席の室内灯をつけました。

地図を見ながら言ったのです。
「名古屋インターの先、えーと?!。」
「この地図は、1センチが2キロって書いてあるから。」
「だいたい15、6キロ。かなあー?!。」
「そのくらいで中央自動車道にぶつかる小牧ジャンクションがあるけど、
そこが広くなっているみたいだから、
車線を間違えたら大変だ!。」
「地図で見ると、右側の車線を走れば大丈夫だと思うよ!。」
そう、亮が言うと、
「よかったよ!。お前がいてくれて!。」
「ナビが無いから、地図を見て、一人で運転しながらじゃあ、
大変だったな!。」
「東名だから、余計そうだ!。」
そう嬉しそうに義雄が言いました。
そして、・・・


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