妙なこと 第四話 (4)

義雄が家を出発してから、
もう2時間が経過して12時をまわったところでした。
「まだ静岡県か!。俺のには、ナビはついてないから、
道路地図をしっかり見てくれな!。」
「しばらく走ると日本坂トンネルか!。」
「あそこのトンネルの前には、信号機がつけてあったな!。」
と、義雄が言うと、
「え!。ホント!。」
「知らなかったよ!。」
亮がそう答えると、
「また、またあー!。」
「受けようと思って!。」
そう義雄が笑いながら言いました。

「ホントだよ!。」
「なぜつけてあるんだ!。」
「兄さん知ってる!。」
そう、亮が尋ねると、
「お前よく子供たちを連れて、伊豆まで行って来たとか、
富士五湖めぐりをしてきたとか言っていたじゃないか?!。」
義雄がそう言うと、
「そうだよ!。だけど子供たちがエスパルスプラザっていうのが、
できたって言ったときに、清水インターで降りたのが、
俺が車を運転してきた一番西さ!。」
「その先は東名では来たことが無いよ!。」
「遠いところに行くには、新幹線もあるし、
飛行機もあるじゃあないか!。」
そう答えたのでした。

「それじゃあ、知らないわけだ!。」
「むかし、どのぐらい前だったか忘れたけど、
日本坂トンネルの中で追突事故があって、
10台以上が次々に追突して炎上する事故があったんだ!。」
「東名ができて以来の大事故だったんだ!。」
「何人かの人が亡くなっているんだ!。」
「テレビでずーっと映像を流していたから、
お前も憶えているだろう?!。」
そう、言われた亮は、・・・

「そう言われて、思い出したよ!。」
「テレビでヘリコプターから中継していたよ!。」
「大きな事故だったな!。」
そう答えたのでした。そして、
「そういえば、東名に信号機ができたって、
ニュースでやっていたのも思い出したよ!。」
「でも入り口に設置されているだけじゃあないんだ!?。」
「だいぶ手前からいくつもあるんだね!。」
信号機を見て亮が言いました。

「当たり前さ!。車は走っているんだから、
信号機が入り口だけだったら、急ブレーキを踏んだら、
二重事故につながるだろう!。」
「二重事故を防ぐためにも、
だいぶ手前から設置してあるんじゃあないか?!。」
「信号が青でよかったな!。」
「でもここを通るたびに、いやな感じを受けるんだ!。」
「亡くなってる人がいるからかなあ?!。」
そう義雄が言うと、
「やめてくれよ!。」
「ヘンなことを言うのは!。」
そう、亮が言うと、
「大丈夫だよ!。幽霊は出ないから!。」
そう付け加える義雄でした。

入り口が近づいて来ると亮が言いました。
「3車線に分かれるんだ!。」
そして、トンネルに入ると義雄が、
「むかしは確か2車線だったんだけど!。」
「いつだったか忘れたけど工事をして、3車線になったんだ!。」
「やっぱり、3車線だと広いなあ!。」
「でもトンネルを出てしばらく行くとまた2車線に戻るけどナ!。」
そう、言いました。
「じゃあ上下3車線か!?。」
亮がそう言いました。

そのことばを聞いて、しばらく黙っていた義雄が、
「いや、確か上りは工事をして、トンネルをふたつににしたから、
4車線になったはずだ!。」
トンネルを出て、
しばらくしてから義雄がそう言うと、
「兄さん!。もっと早く言ってよ!。」
「トンネルをだいぶ過ぎてから言われて振り向いても、
見えやあーしないよ!。」


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