妙なこと 第三話 (6)

「店に入ったときは曇っていたんだけど寒かったなあー!」
「店に入ると、すぐにビールで乾杯したんだけど、
車はタケちゃんの乗用車で行くことになっていたんだ!。」
「民宿までの道をよく知っているタケちゃんが、運転していくことになっていたので!。」
「自分で今日は、ジョッキ1杯でやめておくって言ったから、
ほかの民宿に行く人たちはタケちゃんに悪いんで、1杯しか飲まなかったんだ!。」
「そんなことも思い出したよ!。」

「中華がものすごく量も種類も多くて、民宿に行かない人たちは、
パックをもらって、うちにお土産としてもらっていったんだ!。」
「そこの店に3時頃までいたかなー?!」
「その何とか楼って店でほかの人たちとは別れたんだ!。」
「そのあとすぐに出かけたの?!」美加が訊きました。
「タケちゃんの車が、山下公園のとこの駐車場に入れてたんで、
そこまで歩いて行ったんだけど!。」
「寒くてさ!。雨は結構降ってきたし、ビールの酔いなんかすぐに覚めちゃったよ!。」

「今日と同じように、雨は降ってるし、ほんとうに寒かった!。」
「何でこんなほうに止めたんだって、民宿に一緒に行く、
スーさんとキーさんにタケちゃんが言われたんだけど!。」
「ちょうど中華街に着いたときに12時半ごろだったんだって!。」
「中華街の近くの駐車場がいっぱいで、止められなかったんだって言ってさ!。」
「ぐるりと回って、前に奥さんとデートできたときに止めたことのある、
その駐車場に入れたんだって!。」

「おまえたちもその駐車場に止めたのか?!」
と、義雄が和雄に訊きました。
「いや!。車ではいってないよ!。」「電車だよ!。」
そう和雄が答えると、
「電車って言えばむかし横浜の桜木町のとこの壁にいっぱい落書きが、
書いてあったなあー!。お母さん!。」

「そうですねえー!。」
「道路沿いにかなり長い距離でありましたねえー!。」
「観覧車にも乗ったし、ランドマークタワーのとこは、まだ何にもありませんでした。」
「そういえばマリンタワーの展望台まで行きましたねえー!。」
「夜景がきれいでしたね!。」
「そのとき、お父さんったら、...やめとくわ!」
と、美津子が言ったのです。
「なに!。どうしたの?!」と、修二が訊きました。そして、
「途中で止めるなんてへんよ!。ちゃんと話してよ!」と、美加が言いました。

「だって!。この歳で昔のことを言うなんて恥ずかしいわ!。」
少し顔を赤くして、そう美津子が言いました。
「どうせお父さんのことだから、
『夜景もきれいだけど!君のほうがもっときれいだ!。』
なんてことを言ったんじゃあーないの?!」
と、和雄が言いました。

「よくわかったわねえー!」と、美津子が言うと、
「お父さん!いいそうだよね!。」そう美加が言いました。
「ほんと!ほんと!。言いそうだ!。」と、修二が言いました。
「俺そんなこと言ったかなあー!?」
「そんなことより続き続き!。」
そう言ってごまかした義男でした。

「駐車場から出ると、タケちゃんがすぐ近くの製麺所によって、
品物をトランクに入れてから横浜を出たんだけど!」
「海岸沿いを通っていくか、東名で行くか、もめたんだ!。」
「俺は、運転してるタケちゃんがいいほうでいいよ、って言ったんだけど」
「雨が結構降っているから、東名は止めたほうがいいって、
スーさんと、キーさんは言ったんだけど!。」
「信号で止まったりしないほうが運転が楽だからって言うんで!。」
「運転してもらうんだから楽なほうがいいに決まってるから、
通行料金は取られるけど東名で行くことに決まったんだ!。」

「休みじゃあないのにその時間帯は込んでいて、
東名の横浜インターまで結構かかったんだよ!。」
「時間は、40分以上かかったような気がするなあー!。」
「はっきり覚えていないけど!。」
「インターに入ってじきに、みんなが心配していたことがおっこたんだ!。」
「大型のトラックが横を通ったときに、水しぶきがフロントガラスにかかって、
前が一瞬見えなくなったんだ!。」

「運転しているときに一瞬でも前が見えなくなる恐怖は、
運転したことがない人にはわからないかもしれないな!。」
と、義雄が言ったのです。
「そうだね!。ほんとうに怖いよ!。」
「ぞっとするね!。ましてや、東名だから下手に急ブレーキかければスリップするし、
止まったりすれば追突の危険もあるし、見えないまま走るしかないからね!。」
と、和雄が言いました。

「そうだな!。」義雄が、そう言って話を続けたのです。
「そして、みんなトイレに行きたくなったんで海老名に寄ったんだ!。」
「あそこのサービスエリアはいつも混んでいるね!。」
「結構広いけど駐車スペースを探すのに大変なときがあるよ!。」
と、和雄が言いました。

「海老名は、観光バスが止まるからいつも混んでいるんだ!。」
「みんなでからだを温めるためにコーヒーを飲んだけど、
あんなにうまいと思ったコーヒーはなかったなあ!。」
「そして海老名から出て東名に入ることになったんだけど!。」
「その頃には少し小降りになっていたんだ!。」
と、義雄が言い終わると、
「ところでお父さん!。民宿って場所はどこなの?!」
そう修二が訊きました。


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