妙なこと 第三話 (5)

みんなが話しているところに、洗い物を済ませた美津子が居間に来ました。
「にぎやかねえー!」
うれしそうに美津子は言いました。
「お母さん!。待ってたのよ!。」と、美加が言うと、
「ごくろうさん!。ごくろうさん!。」
と、ニコニコしながら義雄が言いました。
「ごきげんね!。お父さん!」と、美津子が言いました。

「お母さんは知ってるけどな!この話!。」
と、義雄が言うと、
「もう忘れましたよ!。」「25年ぐらい前ですもの!」
美津子がそう答えると、
「お母さん知ってるじゃん!。」
「25年ぐらい前だって言うんじゃあ!」
と、修二が言いました。
「でも内容はほとんど忘れたわ!。」
美津子がそう言うと、
「じゃあ!。さっそく!お父さんに話してもらいましょうよ!」
と、美加が言いました。

「そうだな!。」そう和雄が言いました。
「わたし、和雄さんから不思議な雲の話を聞きました!。」
「美加からも!。」
そう京子が言うと、
「京子さん!。あとでその雲を携帯で撮ったのを見せてやるからね!。」
修二がそう言うと、
「だ、か、ら。あれはよくわからないからって、いったでしょ!。」
と、美加が言いました。

「ふん!。みる人が見れば分かるさ!」
と、修二がふくれっつらで言いました。
「おい!。やめろ!。お父さんの話を聞こうぜ!。」
そう、二人にむかって和雄が言ったのでした。
「お父さんいいよ!。話して!。」
そう和雄に言われた義雄は、話始めました。

「もう25年程前になるかなあー!」
「まだ俺が独身の頃の話だけど。」
「仕事でどうしても、土、日、出なきゃならなくなってね!。」
「そのとき7人出たんだけど、代休で月、火、って休みを取ったんだ!。」
「その中の5人で忘年会がてら伊豆の民宿に一泊することになったんだけど!」
「民宿の予約はもう土、日、の一泊二日の予定でしておいたんだけど、
タケちゃんという人の知り合いの民宿だったんで、
月、火、に変更してもらったんだ!。」
「よかったね!知り合いの人の民宿で!。」そう修二が言いました。

「そうなんだ!。土、日、の予定が仕事で行けなくなったんで、
独身のときだったんで、月、火、2日間
どうしようかと思っていたんでよかったよ!」
「そのときはまだお母さんと、つき合っていなかったんだ?!」
と、和雄が言いました。
「おお!。そうだ!。」「まっ、いいか!。」
「ねえ!。どうしたのお父さん?!」と、美加が訊きました。

「うん?!。」「想いだしたんだ!。」
「民宿行く前に、土、日、出た7人でお疲れさん会をやることになって、
そういえば、横浜の中華街あるだろう!。」
「そこに、名前忘れちゃったんだけど!。」
「えーと!。何とか楼って言ったんだけど。まあいーかあー!。」
「そこに勤めていた人の知り合いでスーさんという人が会社にいて、
その人も民宿に行くことになっていたんだけど!。」
「予約が取れたんだよ!。」
「結構有名だったんだけど、今もあるかなあー?!。」

「お父さん!。」
「中華街には、何とか楼って言う名前の店はいっぱいあるよなあー!」
「京子ちゃん!。」と、和雄が言うと、
「え!。わたし中華街って、和雄さんとしか行ったことがないんで?!。」
と、京子が答えたのです。
「お兄ちゃん!。京子とデートで、中華街に行ったの?!。」
「わたしもいっしょにお店に連れてってくれればいいのに?!。」
「食べたらすぐ消えるから!。」
そう美加が言いました。

「相変わらずしっかりしてるわねえー!。」
「ボーナスが出たらきっと、和雄のことだから
みんなに何かおごってくれるわよー!!。」
と、美津子が言いました。
「それって、遠まわしに要求してるんじゃあーないの?!」
と、修二が言いました。
「お母さんと、美加、いつもうまいんだよな言い方が!。」
和雄がそう笑いながら言いました。

「じゃあー!。ボーナスが出たらおごるよ!。」
「このメンバーで!」
そう和雄が言うと、
「やったー!。言ってみるものね!。」
「相変わらずうまいわね!。お母さん!。」美加がそう言いました。
「いいえ!。たいしたことではありませんから!。」
美津子がすましてそう言うと、みんなで大笑いをしたのでした。

「あれ?!。どこまで話したんだっけ!?」
義雄が言うと、
「何とか楼ってとこに予約が取れたってとこまでだよー!。」
と、修二が言いました。
「そうだ。そうだ!。」
「そこで、月曜の昼の1時半に予約が取れたんだ!。」
「7人で中華を食べたんだけど!。
ひとり確か6000円だと思ったんだけど?!。」
「そのときに店に連絡が入って、
5人のうちのひとりの人が急用で行けなくなったんだ!。」
「タケちゃんがその店から民宿に連絡して、4人に変更してもらったんだよ!。」


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