本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「帰ってきたときに”ヘンなことがあった”って言ったけど、
それってこのことだったのね!」
と、美津子が言いました。
「うん。そうだよ!」
「5月にあの変な雲を見てから、どうもなんかおかしいんだよなあー!?」
と、修二が言うと、
「おかしいのは、前からだから、しょうがないじゃないの!」
「わたしは別に、何にも変わったことはないのよ!」
「修二と、お父さんだけよきっと!」
そう話す美加でした。
「お母さんはどうなんだ!?」
と、義雄が言いました。
「わたしは、別にこれといった変わった体験はしていないけど!」
「和雄は、どうなんでしょうねえー?!」
と、美津子が不安そうな顔をして、言いました。
「京子のところへは、ときどき連絡があるみたいだけど!。
忙しくて、日曜日しか休みが取れないからって、
京子に”日曜日じゃなくて寝て曜日だ”って言うんだって!」
と、美加が言うと、
「京子さんのところに電話するなら家にも電話よこせばいいのに!」
と、美津子が言ったのです。
「お母さん!、やきもちやかない。そういう年頃なんだから!」
と、修二が言いました。
「福岡に行ったきりだからなあ」
「新入社員だから、いろんな体験を積んだほうがいいし、
学生気分も、もう抜けただろう!」
そう義雄が言いました。
「お母さん、お兄ちゃんのことが心配なら、携帯に、休みの日曜日に電話したら?!」
と、美加が言ったのです。すると、
「だって!。お父さんが絶対に電話なんかするなって言うのよ!」
と、美津子が言いました。
「うちの教育方針ですね!」と、修二が言うと、
「そのとおり!。」と、義雄が言いました。
「ところでお父さん!。
俺が見た自転車に乗ったおばさんと、
お父さんが見た自転車に乗ったおばさんみたいな人と、見た向きがちょうど逆だよね!?」
と、修二が言うと、
「そうだよなあ?!。」
「だけどあの橋を渡ったところで、ふたりとも見ているんだよな!」
「ほかになんか、不思議なものを見たっていう、うわさかなんかないのか?、修二!。」
と、義雄が言いました。
「UFOを見たって言う人がいたっていう話は聞いたことがあるけど!」
「でも、その見た人が、ビデオも写真も証拠になるものはないけど、
ほんとうに見たんだって!」
「だから見たことがない人に、いくら話しても信用してくれないから、
今は、自分と同じにUFOを見たって言う人にしか話さないんだって!」
「その気持ちわかるよ!」
「雲の話を話しても、だれも信用してくれないもの!」
そう修二は、はき捨てるように言いました。
「そうよねえ!。確かに雲の話は必ず見間違えとか、
風の方角がその雲のところだけ違ってたとか、言われるものね!」
と、美加が言いました。
「家族だけしか見てないから余計にそう言われるのね!」
と、美津子が言ったのです。
「おい!。俺は運転してて、見ていないんだぞ!」
と、義雄が言うと、
「でもお父さんは、みんなの話を聞きながら運転していたから、
本当だってわかったでしょ!」
と、美加が言いました。
「それはそうだけど!。やっぱなあ!。本物を見たかったよー!」
と、義雄が言ったのでした。
「こんどは、本物の不思議な体験をしたからね!。」
「でもこんどは、お父さんも、俺もひとりだったから、
この話をしてもだれも信じてくれないよ!。きっと!。」
と、修二が言うと、
「そうだな!。UFO見た人と同じ心境だな!」
そう言って義雄は、修二の前に手を差し出しました。
「そうだね!。お父さん!」
そう修二が言うと、二人で握手をしたのでした。
「修二!、食うか?!」
と言って、
義雄が残っているアジのフライが半分のっている皿を、
修二の前に差し出したのです。
「うん!。」そう修二は言うと、
義雄の箸を使って、残っているアジのフライを、
おいしそうに食べたのでした。
「じゃあ!。俺は、残っているビールを飲むかな!?」
と、義雄が言うと、ジョッキに残っているビールを、
うまそうに飲み干したのでした。
「じゃあ、きょうはもう歯を磨いて寝るからな!」
そう義雄が言うと、
「じゃあ、お布団を引いておきますから!」
と、美津子が言い夫婦の部屋に行ったのでした。
「じゃあ、これは俺が洗ってかたづけるから!」
そう修二が言うと、ジョッキを皿の上に置き、それを持って、
台所に向かったのでした。
そのあとを美加が追いかけて、台所に来たのです。
「修二!。あんたが洗うと雑に洗うから、
私が洗うからお風呂にでも入りなさいよー!」
と、美加が言いました。
「ありがとう。お姉ちゃん!。」
そう修二は言うと、流しに持ってきたものを置いたのでした。
「いつもこうなっちゃうんだから!」
と、洗いながら美加が言ったのでした。