本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
義雄の話を、黙って聞いていた修二が、言いました。
「お父さん!。似た者親子って言うけど本当にあるんだね!」
と、ニコニコしながら言いました。
「修二どういう意味だ?!」
そう義雄が訊ねました。
「きょう俺も、同じようなことを見たもん!」
と、修二が言ったのです。
「ほんとうか?!」と、義雄が言うと、
「嘘ついたってしょうがないじゃん!」
「でも俺は、幽霊だなんて思わなかったよ!」
「だいいち、足があったんじゃないか!」
そう修二が言うと、
「テレビじゃあ、足もある幽霊が多いよね!」
と、美加が言いました。
「俺は、5人も見たんだぜ!」
「えっ!!。5人!!!」
そう3人がびっくりして言いました。
そして義雄が言ったのです。
「5人だって!。字が違うんじゃあないのか!?」
「数字の”5”じゃなくて、”ごんべん”に”くれ”の、
”誤認”じゃないのかあ!?」
「お父さん!くだらないシャレ言わないでヨー!」
と、美加が言いました。
「そうですよ!。」
「修二、5人ってどういうこと?!」
美津子が修二に訊いたのです。
「それはね」と言うと、
修二は右手を差し出したのでした。
「なにその手?!」美津子が言いました。
「貴重な体験をただでは話せません!」
そう言ったのですが、修二は美津子の顔色を見ると、
その手を義雄の前に持っていきました。
「100円か!?。」
と、とぼけた振りをして、義雄が言いました。
「はっ!、はっ!、はっ!、はっー!」
と、美加と美津子が大笑いしました。
「お父さん。いくらなんでも幼稚園の子じゃあ、ないんだから」
「桁がひとつ違いませんか?!」
「親子なのに金とるのか!?」
「あとで払うから!」義雄がそう言うと、
「前払いでお願いします。」
と、修二がニコッと笑い言いました。
「まったくしょうがないヤツだ!」
そう言って義雄は席を立ち、
自分の財布から1000円札を1枚持って、戻ってきました。
義雄は言いました。
「3人分な!」そして修二に1000円札を見せました。
「3人分?!。1000円で!」と、修二が言うと、
「いやならいいんだぞ!」と、義雄が言ったのです。
「まったっく、しっかりしているんだから!」
そう修二は言うと、1000円を受け取ったでした。
「ばかっ!。こっちが言うせりふだ!」
義雄にそう言われると、
ぺろっと舌を出して、笑ってごまかす修二でした。
「じゃあ、話をするかなあ」
「修二。待って!」
「あとかたづけしちゃうから、それが終わってから聞かせて!」
「美加!。手伝ってちょうだい!」
そう言う美津子でした。
「わかったよ!。じゃあ、居間にいってるよ!」と修二が言うと、
「修二。さき行ってろ!」と義雄がが言い、
「お父さんは?」と、修二が訊いたのです。
「居間に、”いまに”行くから。なんちゃって!」
と、義雄が言うと、
「はい!、はい!、はい!。」
そう言いながら、居間に向かう修二でした。
居間に入ると修二が言いました。
「お父さん。お風呂入っちゃえばいいじゃん」
「お母さんたちはまだすぐには、終わらないと思うよ!」
「そうだな、そうするか!」
と、義雄は言うと、着替えを部屋に取りに行き、
着替えを持って、風呂場に向かったのでした。
そのあいだに、自分の机の上にある貯金箱に、
お金を入れてきた修二でした。
「お母さん!。修二、ほんとうに見たのかしら?!」
「そういえば、帰ってきたときに、
”途中でちょっとヘンなことがあったもんで!、遅くなっちゃった。”
って修二が言うんで、何?、ヘンなことって!?って、私が訊いたら、
”あとで話すよ!”って、修二が言ってたわ!」
と、美加が言ったのです。
「へえー」と美津子が言うと、
「あれ?!。お父さんお風呂に入ってるみたい!?」と美加が言うので、
「ほんと?!。」
そう言うと風呂場に向かった美津子でした。
「お父さん。お風呂入ってるの?!」と、美津子が言うと、
「おお!。もう出るけど!」と、義雄が言ったのです。
「着替えは?。」と、美津子言うと、
「もって来て洗濯カゴに入れてある。脱いだのは、洗濯機に入れた。」
と、義雄は答えたのでした。
「それならいいけど!。」
そう言うと台所へ戻った美津子でした。
「お父さんも、もうすぐ出るって言ったから、美加もういいわ!。」
「ありがとう!。あと最後にもう一度テーブルを拭けば終わりだから!」
と、美津子が言ったので、
「じゃあ、お母さん!。先にいってるから」
そう言って、居間に向かった美加でした。