妙なこと 第十七話 (12)

美加はいつもどおり、
風呂に一時間以上入っていたのです。
そして風呂から上がると、バスタオルで髪の毛を拭きながら、
居間にやって来たのでした。

「出たわよー!?」
「誰入るのー!??」
と美加が言うと、
「あと30分ぐらいで番組終わるからー!?」
と修二が言ったのです。

「省エネにならないでしょ!?」
と美加が言うと、
「じゃあー!?おもしろいところだけど!?」
「俺が入るかー!?」
と義雄が言ったのでした。
そして立ち上がると、着替えを取りに夫婦の部屋へ向かったのです。

義雄はいつもどおり早かったのですが、
頭も洗ったので、15分ほどで風呂から出てきたのでした。

「しゅうじー!?」
「いいお湯だぞー!?」
と居間に来て義雄が言うと、
「もう少しで終わるから!?」
「お母さんに先入ってもらってよー!?」
と修二が言ったのでした。

「しょうがないヤツだなあー!?」
「そんなこと言うと、デザートもらえなくなるぞー!?」
「俺は知らないからなっ!!?」
と義雄が言うと、
「わかったよー!?」
「今すぐ入るから!?」
と言うとコタツを出て立ち上がると、
急いで自分の部屋へ、着替えを取りに行った修二でした。

そしてすぐに着替えを持ってくると、
風呂に入ったのです。

義雄は台所に行き、冷蔵庫を開けると、
「お母さん!?」
「きょうはまだ500飲んでいいかなー!??」
と美津子にお伺(うかが)いを立てたのです。
すると、
「しょうがないですねえー!?」
「きょうだけですよー!?」
「あしたから普段の日は、350にしてくださいよー!!?」
と美津子が言ったのでした。

「はーい!!?」
と答えると義雄は、いったん冷蔵庫を閉めたのです。
そしてガスコンロのスイッチを入れ、
網の上に”スルメ”を載せるとそれをあぶり、
「熱い熱い!?」と言いながら、
食べやすいように手で割(さ)くと、
それを中皿に載せたのでした。

小皿にしょうゆとマヨネーズを入れ、
お盆を持ってくると、缶ビールを冷蔵庫から取り出し、
それらといっしょに載せて、居間へ持って行った義雄でした。

入れ替わりに美加が来ると、
「お父さん!?」
「お酒のつまみは、うれしそうに勝手に作るんだわよねえー!??」
と笑いながら言うと、
「わたしもデザートのしたく!?」
「言われなくても、勝手にしますから!?」
と笑って美加が言ったのでした。

それから美加は風呂場へと行き、
少し大きな声で、
「修ちゃん!?デザートだけど!?」
「コーヒーと紅茶どっちがいいの?!」
と訊いたのです。すると修二は、
「まるごとバナナだよねえー!?」
「どっちでもいいけどなあー?!」
と言って少し考えてから、
大きな声で、
「コーヒーにしてくれますでしょうか?!」
「お姉さま!?」
と言ったのです。

「あいわかった!!?」
と答えると、美加は台所に戻ったのでした。
そして、
「お母さん!?どっちがいい!??」
と美津子にも訊くと、
デザートの支度を始めた美加でした。

「修ちゃん!?」
「もうしたくできるわよー!?」
と風呂場に行って美津子が言うと、
「今もう出るから!?」
と修二は答えたのでした。

それから30分ほど居間でみんな揃ってテレビを見ながら、
美津子と美加と修二は、コーヒーを飲みデザートを食べ、
義雄はスルメをつまみに、
缶ビールの500mlを飲んだのでした。

一家団らんの時間が過ぎると、
後片付けは美加がしたのです。
そして、美津子は久しぶりにゆっくりと風呂に入ったのでした。

美津子は風呂から上がると、
家族の洗濯物を風呂場に干したのです。
それから、ガスの元栓と戸締りを確認すると、
灯りを消し、最後に寝床に入ったのでした。






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