妙なこと 第十七話 (10)

「ただいまー!!?」
と修二は言うと玄関マットのところにバッグを置いたのです。
すると台所から美津子が、
居間から義雄と美加が、
「お帰えりー!!!?」と言ったのでした。

修二は玄関を上がると、置いたバッグの中から、
空(カラ)の弁当のパックが入ったスーパーの買い物袋を取り出し、
それを持って台所に行ったのです。
袋だけをゴミ箱に捨てると、
空の弁当のパックを流し台に置いたのでした。

「腹減ったー!!?」
「きょうの夕飯なにー!??」
と修二が言うと、
「湯豆腐に親子丼!!?」
と美津子が言ったのです。

「親子丼かあー??!」
「湯豆腐じゃ!腹のたしにならないからなー!?」
と修二が言うと、
「お昼に美加が作ってくれた焼きそばが冷蔵庫に入っているから!?」
「それチンして食べなさい!!?」
と美津子が言ったのでした。

「オー!珍しいこともあるねえー!?」
「何か言われる前にお礼言ってこよー!?」
と修二は笑いながら言うと、居間に行ったのでした。

「お姉ちゃん!?サンキュー!!?」
「焼きそば!?」
と、修二が美加に向かって言うと、
「食後のデザートも買ってあるからネッ!」
「お父さんがお金出してくれたから!?」
と美加が言ったのです。

「お父さん!ごちそうさんでーす!!?」
と義雄に向かって修二が言うと、
「おおー!?」
「修二ががんばって勉強してるからなっ!?」
と義雄がうれしそうに言ったのでした。

「だったら!?現金のがいいんですけどー!?」
と修二が余計なことを言ったのです。すると、
「ばーかっ!!?」
「それほど成績上がってないだろー!??」
と義雄が笑いながら言ったのです。

「まあー!?それはそうですネッ!!?」
と言って舌を出すと、
居間から洗面所に行った修二でした。
手洗いをし、顔を洗いうがいを済ませると、
修二は急いで台所に行ったのです。
そして冷蔵庫を開け、焼きそばを取り出すと、
電子レンジでチンしたのでした。
そして焼きそばを食べたのです。

修二が焼きそばを食べ終わる頃、
ちょうど夕飯の支度ができたのでした。

「修ちゃん!?」
「お父さんと美加に支度できたって言ってきてー!?」
と美津子が言うと、
「はーい!」と言うと修二は、
食べ終えた皿を持って流しにそれを置くと、
居間に行ったのでした。

「夕飯の支度できたってえー!?」
と修二が言ったのです。

「じゃあー!トイレ行ってこよー!?」
と言って美加は立ち上がると、
「お父さん!?ファンヒーター切るよー!?」
と言ったのです。すると、
「ああー!お父さんコタツ切るから!?」
と義雄が言ったのでした。

修二はすぐに戻って来てイスに座ったのです。
すると美加が大きな声で、
「しゅうじー!!」
「玄関にバッグ置きっぱなしー!!?」
と言ったのでした。

修二は大きな声で、
「わかったよー!?」
「今片づけるー!!?」
と答えると、
イスから立ち上がり、急いで玄関に向かったのでした。

玄関に置いてあったバッグを持つと、
階段を急いで駆け上がり、自分の部屋を開け、
放り投げると、すぐにドアを閉め、
階段を下り台所に戻って来た修二でした。
そしてイスに座ると、
「いっただっきまーす!!?」
と言ったのです。

「美加が来るまで待っていなさい!!?」
と美津子が言うと、
「はーい!!?」
「お姉ちゃんまだかなー??!」
と言って、笑ってごまかした修二でした。
すぐに美加が台所に来たのです。
そしてみんなで夕食を食べ始めたのでした。

「お父さん!?」
「あしたで正月休みも終わりですねえー!?」
と美津子が言うと、
「そうだなっ!」
「あっという間に終わるなあー!?」
「あしたの朝はいつもの時間で起きるかー!?」
と義雄が言ったのです。

「そうですねっ!」
と美津子も納得してそう答えたのでした。
すると修二が、
「だったら俺も朝早く起きるよー!?」
と言ったのです。

「珍しいこともあるものねえー!??」
と美加が言うと、修二が、
「お姉ちゃんの焼きそばよりー!?」
「珍しくないよー!!?」
と笑って言ったのでした。






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