本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを好きなだけ用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
しばらく義雄と美加が話をしていると、
美加が小さな声で、
「お父さん!?」
「お母さん寝ちゃったみたい??!」
と言ったのです。
義雄が肩を揉むのをやめ美津子の顔をのぞくと、
小さく寝息をたてていたのでした。
それを見た義雄が、
「このまま、少し寝かせとくかあー!?」
と言うと、
小さな声で美加が、
「あっち行こう!?」
と言って、台所を指さしたのです。
それから二人は音をたてずにコタツを離れると、
台所に向かったのでした。
「やっぱり寒いわあー!?」
「ファンヒーター止めてあると!!?」
と美加は言うと、
急いで石油ファンヒーターのスイッチを入れたのでした。
するとすぐに義雄が、
「こっちのファンヒーターはどうだった!??」
と美加に訊いたのです。
「ごめん!?」
「何も考えずにスイッチ入れちゃったあー!?」
「いつもと同じだったと思うけどー!?」
と美加がイスに座り言ったのでした。すると、
「まあ!いいさあー!?」
「ところでみかー!?」
「昼はお前作ってくれるのかあー!??」
と義雄が言ったのです。
「うん!?お母さん寝かしといたほうがいいと思うし!?」
「お父さん何が食べたいのー??!」
と美加が言うと、
「昼かあー!?」
と言ってしばらく考えてから、
「やっぱり麺類がいいなー!??」
と言ったのです。
「麺類ねえー!?」
と美加は言うと、イスから立ち上がり、
冷蔵庫の前まで行き、
扉を開き、中を物色したのでした。
「キャベツあるし、鶏肉もあるから!?」
「焼きそばなんてどおー??!」
と美加が言ってすぐ、
「でも鶏肉。お母さんが何かに使うため残してあるかもしれないから!?」
「どうせ、麺買ってこなきゃできないから!?」
「お肉、鶏肉より豚肉のほうがいいでしょ!お父さん!??」
と、美加が義雄のほうを振り向いて言ったのでした。
思わず義雄はドッキリしたのです。
それは、美津子の若い時を見た感じがしたからでした。
「なにお父さん!??」
「びっくりした顔をしてえー!?」
とうれしそうに美加が言うと、
少し赤い顔をして思わず、
「いや、別にー!?」
と義雄は答えたのでした。
「そうだなっ!?」
「お母さんが使うかもしれない材料使っちゃ悪いから!?」
「近くのスーパーで買って来てくれるかあー!??」
「豚肉と麺だけだったら千円あればあるかなっ?!」
と言ってポケットから財布を取り出し、
千円札を美加に渡した義雄でした。
「お父さん!?3時にー!?」
「シュークリームかエクレアでも食べるー!??」
と美加が千円札を受け取った後(あと)に言うと、
「三時のおやつもいっしょに買ってくるのかあー!??」
「だったら、もう千円やるから!?」
「修二が好きそうなものも買ってきてやりなさい!!?」
「あとでいじけるといやだから!?」
と笑って言うと、千円札をもう1枚美加に手渡した義雄でした。
「はーい!?」
と言ってうれしそうにお金を受け取ると美加は、
「じゃあー!?いってきまーす!!?」
と言うと台所から玄関を通り過ぎ、
階段を上って自分の部屋にコートを取りに行ったのです。
そしてコートを着て2階の部屋から下りてくると、
玄関で靴を履き、近くのスーパーへと歩いて行った美加でした。
ひとりでいるのでは省エネにならないと考えた義雄は、
台所のファンヒーターのスイッチをふだんどおり切り、
静かに居間に戻ったのです。
それから静かにコタツに入り、
新聞を音を立てないように気をつけてページをめくり、
しばらく読んでいたのでした。
しかしいつの間にか美津子と同じように、
気持ちよくコタツで寝てしまった義雄でした。
義雄が寝てから30分ほどすると、こんどは美津子が起きたのです。
「いつの間にか寝てしまってえー!?」
そう言うと、かなり乾いてしまっている蒸しタオルを目のところからはずし、
座椅子から身体(からだ)を起こした美津子でした。
「お父さん!?もうすぐお昼ですから!?」
「起きてください!?」
と美津子が義雄に向かって言ったのです。
「ああー!?」
「寝ちゃったかあー!??」
「美加は帰ってきたか??!」
と義雄があくびをしながら言ったのです。
「わたしも今起きたばかりで!?」
「台所で音がしていますから!?」
「美加が何か作ってくれてるんですかねえー!??」
「ちょっと見てきますよー!?」
と美津子が立ち上がりながら言うと、
「じゃあー!?いっしょに俺も行くからー!?」
「ファンヒーター消してくれるかー!??」
「俺がコタツ切るから!?」
と言って手を伸ばし、リモコンのスイッチを切った義雄でした。
美津子はすぐにファンヒーターのところまで行き、
スイッチを切ると、
「じゃあー!行きましょう!?」
と言い、ふたりはいっしょに台所に向かったのです。
台所では美加が、一生懸命焼きそばを作っていたのでした。