本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを好きなだけ用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
それからおもむろに義雄はリモコンを持つと、
テレビのスイッチを切ったのでした。
「成人式って言えば小学校や中学の時の同級生といっしょだろう?!」
「懐かしいだろう!?」
「しばらく会っていない子もいるだろうから!?」
と義雄が言うと、
「そうなのー!?」
「中学卒業してから一度も会ってない子がいるしー!?」
「これを機会に同窓会をやろうかっていう話も出ているのよー!?」
と美加が言ったのです。
「そういえばひとり亡くなった子がいたなあー!??」
「お前が高校の3年時だったかあー??!」
と義雄が言うと、
「うん!」
「和江ちゃん!?」
「最初の病院に入院したとき行った子は会えたんだけどー!?」
「わたしたちが知って、移った病院に行ったときはもう会えなかったの!?」
「家族以外は面会謝絶で!!?」
「それから2ヶ月ぐらい経ってからだったかしら!?」
「亡くなったって知らせがあったのは!?」
と言って思わず顔を伏せた美加でした。
「美加ごめんなあー!?」
「余計なことを思い出させちゃってえー!?」
「あの子は美人だったから!?」
「そしてお前も結構美人だから!?」
「心配したこともあったよー!?美人薄命って言うからなっ!!?」
と、よくわからないことを言った義雄でした。
「女優の夏目雅子(なつめまさこ)と同じ病気だったんだって言ったなあー!?」
「和江ちゃん!?」
と義雄がまた余計なことを思い出して言うと、
「そうよ!?」
「急性骨髄性白血病!!?」
「そういえば去年!?」
「身内と親戚だけで3回忌(さんかいき)をやったって聞いたけど!?」
「2年しか経ってないのにどうして!?お父さん!??」
と美加が言ったのでした。
「仏教では!一周忌(いっしゅうき)というのが!?」
「亡くなってから満1年経った日を言うらしいんだ!?」
「満2年経ったら3回忌って言うんだよー!?」
「だから身内に亡くなった人がいたら!?」
「葬式も含め、続けて3年間は法要を行うことになるんだよー!?」
「そのあとは7回忌になるんだけど、それは満6年経ったときに行うんだ!!?」
「だから亡くなってから、プラス1年すれば法要の回忌になるんだよ!?」
と言ってひと呼吸おき、
「ただ、今はこんな時代だから!?」
「7回忌のあと13回忌・17回忌とあるけど!?」
「やるやらないは、家庭の事情によっても違うからなあー!?」
と言った義雄でした。
「おじいちゃんもおばあちゃんも長生きしてほしいなあー!?」
「わたしが結婚して子供を生むまでは!!?」
と美加が言うと、
「誰か子供生んだのー??!」
と言って美津子が洗い物を終え、居間に入って来たのです。
それを聞いた義雄と美加は大笑いしたのでした。
「違うわよー!?」
「わたしが子供を生むまで!?」
「おじいちゃんとおばあちゃんには長生きしてほしいって言ったのよー!?」
と笑いながら言うと、
「なーんだあー!?」
「長生きするわよー!?ぜったい!!」
と言って笑った美津子でした。
「暖かいと思ったら!?」
「強のままじゃあー!ないですかあー!?」
と言って美津子はすぐに、ファンヒーターを弱に切り替えようとして、
ファンヒーターのところに行き、スイッチを押そうとする寸前に、
弱に切り替わったのでした。
「あれ!?」
「まただわっ??」
「なんでかしら!??」
と、思わず美津子が言ったのです。
「どうしたんだあー!?お母さん?」
と義雄が言うと美加も、
「お母さん!?どうしたのー??」
と言ったのでした。
「朝ファンヒーターのスイッチを押そうとしたら!?」
「触(さわ)るか触らないうちにスイッチが入ったんですよー!?」
「今はスイッチを触るか触らないうちに!?」
「切り替わったんですよー!?」
と美津子が言うと、
「台所のも、ここにあるのも同じファンヒーターだからじゃないのかー!??」
「きっとふたつともファンヒーターだけに、お母さんのファンだから!?」
「気を利かせてスイッチを入れたんだよー!!?」
とうれしそうに義雄が言ったのでした。
「くだらないダジャレを言ってえー!?」
「そういう問題じゃないと思いますけどー!!?」
と美津子が、ぶぜんとした表情で言ったのです。
すると美加も、
「そうよー!?」
「UFO見てからときどきおかしなことがあるんだからー!?」
「ねっ!お母さん!?」
と言ったのでした。
「あの、ほかの雲と逆に動いてた雲のことかあー!?」
「そういえば見てないのは運転していた俺だけなんだよなあー!?」
「でもお父さんは若いときオレンジ色に輝く物体を見ているから!?」
「お父さんのほうが上だぞー!!?」
とうれしそうに義雄が言うと、
「だったら!?」
「お父さんスイッチ入れてみてよー!!?」
と美加が言ったのです。
「あのなあー!?」
「こういうものは条件が重なって不思議なことが起きるんだよー!?」
「ただやればできるってものでもないんだっ!?」
と言ったあとすぐ、
「ところでお母さん!?」
「スイッチ入れる前になんか考えた??!」
と義雄が言ったのでした。