本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものをイッパイ用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「なによーお父さん?!」
「こっち見て笑ったりしてえー!?」
と美加が言うと、
「やっぱり親子だなー!?」
「最近お母さんの若い頃に似てきたなあー!?」
「そう思っただけだあー!?」
と、うれしそうにそう答えた義雄でした。
「そういえば最近修二が、お父さんにそっくりになってきましたよー!?」
「くだらないギャグをやったりしてえー!?」
「さっきだって!?」
「カレーが冷めたからチンするよう言ったのにー!?」
「鼻をかんだんですよー!?」
と美津子が少し笑いながら言うと、
「そういう頭の回転は速いのにー!?」
「勉強はイマイチなんだからねっ!?」
「修二は頭の構造が違うんだよー!?」
と美加が少し笑って言ったのです。
「ところで、みかー!?」
「カレーを食べててこんなこというのもおかしいけど!?」
「カレー(彼)はいないのかあー??!」
とカレーを一口食べて義雄が言うと、
「また、ダジャレ言ってえー!?」
「ボーイフレンドはイッパイいるけどー!?」
「特定の人はいないわよー!?」
と美加が不機嫌そうに言ったのでした。
「お父さん照れてるんですよねえー!?」
「娘に面と向かって言うのがいやだから!?」
と美津子が言うと、
「まあなっ!!?」と言って、
残っているカレーを急いで平らげた義雄でした。
「ご馳走様でした!!?」
そう義雄は言うと、
スタコラサッサと居間に行ってしまったのです。
そしてコタツに入るとテレビをつけたのでした。
そして、みのもんたの番組をしばらく見ていたのです。
庶民のことを考えて定額給付金を給付するよう決めたのではなく、
選挙目的のために決めたことだから、
やめるべきだというようなことを言っていました。
そして経費に800億円以上かかるという試算を出していました。
そんなに費用がかかることをやっていいのかとも言っておりました。
しかし番組に出席していたアナウンサーを除く人たちは、
年収何千万以上の人たちと思われます。
みのもんたにいたっては億の年収でしょう。
その番組を見ていた義雄が珍しくテレビに向かって怒鳴ったのです。
ちょうどその時美加が洗い物の手伝いを終え、
居間にやってきたところでした。
「お父さんどうしたのー!??」
「珍しく怒鳴ったりしてえー!?」
と美加が言ったのです。すると義雄が、
「いやなっ!!?」
「あまりにも実情を知らなさ過ぎるから怒ったんだよー!?」
「お金が必要で困っている人がいっぱいいるんだ!?」
「年収が何千万もあるヤツラが、庶民の云々(うんぬん)を言うなってえー!!?」
「12月に派遣切りされた人が多いけど!?」
「10月・11月にも契約切れでそれ以降更新されない人もいるんだから!?」
「お父さんの会社でも正社員を守るために派遣切りがあったんだよー!?」
「それに!!」
「緊急を要することに経費がかかること自体おかしいだろう!!?」
「区や市町村の職員は奉仕活動の一環としてやらなければいけないことだ!!?」
「手当てやその分の残業代をもらおうなんて!とんでもない!!?」
「何のために町内会の役員や民生委員がいるのかって!!?」
「支給するために、お金がかからない、いろいろな案を考えるべきだってねっ!!」
「そうお父さんは思ったんだよー!!?」
と一気に話したのでした。
「お父さんの会社でもいろいろとあったんだねえー!?」
「そういえばIMF(国際通貨基金)への出資を!?」
「去年の11月頃1000億ドルとか言っていたけど!?」
「それってえー!?その時点で、10兆円だわよねえー!?」
「定額給付金って、予算2兆円とかって言ってたから!?」
「外国の為に10兆円出してー!?」
「国内の人には一時的かも知れないけど!?2兆円って!??」
「よくわからないけど!?へんじゃないー!??」
と美加が言ったのでした。
「一時的なものと永続的なものとでは意味合いが違うけど!?」
「とにかく今、企業が労働者を経費の一部としかみていない事!!?」
「そのことが一番恐ろしいことだと思う!!?」
「企業が人を育て!人が企業を支え育てていかなければ!?」
「これからの会社はダメだと思うけどなあー!?」
「むかしの会社のよいところは残し、バージョンアップする!!?」
「そんな会社が理想かなっ!?」
そう言って義雄は、苦笑いしたのでした。
「お父さんも大変なんだねえー!?」
「わたしもこれから我が家の経費削減に協力するよー!?」
と美加が言うと、
「みんな仕事をやっている仲間なんだから!?」
「正社員も派遣会社の社員も本当はかわらないと思うんだけど!?」
「現実問題として、やはり正社員を守らなければならないからなあー!?」
「売り上げ減少や経費が増えれば、しわ寄せはどうしても!?」
「人員削減にいくことになる!?」
「俺はなんにも出来ないことが歯がゆいんだ!!?」
と言ったあと義雄は、
「美加の言うとおり!?」
「とりあえず、今は我が家の経費削減から始めるしかないかなあー!?」
と言ったのでした。
「お父さんごめんねえー!?」
「こんな時に成人式なんてなちゃってえー!?」
「着物、高かったしー!?」
「1年早くやれればよかったのにねえー!?」
と美加がすまなそうに言うと、
「何言ってるんだー!!?」
「一生に一度の成人式なんだから!?」
「そんなことは気にするなよー!?」
「バカだなあー!??」
と言って、笑顔の中に涙が光っていた義雄でした。
「悪かったなー!?」
「お前にまで心配かけちゃってえー!?」
「この先はわからなけど!?」
「今のところうちの会社は何とかだいじょうぶだから!?」
と義雄が言うと、
「今大変困っている人が大勢いるけど!?」
「その人たちに比べればわたしは幸せだなー!?」
「そう思うわ!?」
「だってえー!?成人式に参加できるんだもの!?」
と美加が言ったのでした。