妙なこと 第十七話 (4)

そんなことがあって、
夕飯がカレーになったきのうでした。

和雄は洗面所から戻ってくると食堂に寄り、
「じゃあー!?」
「お母さん!?もう行くからねえー!?」
と言ったのです。

「御ご飯はー!??」
と美津子が言うと、
「駅で何か買って食べるからさあー!?」
と美津子に向かって言い、
「じゃあなあー!?」
と和雄は、美加と修二に向かって言ったのでした。

そして和雄が居間に行くと義雄はもういませんでした。
荷物を玄関から運び車へ入れていたのです。
「かずおー!行くぞー!!?」
と義雄が言うと、
和雄は急いで靴を履き、
「今行くー!!?」
と言ったのでした。

そして食堂にいた三人も急いで車のところに来たのでした。
「じゃあー!?気をつけてねっ!!?」
と美津子が言うと、
「うん!!?」
と答えた和雄でした。そしてすぐに、
「じゃあねえー!?」
「バイバイ!!?」
と美加と修二が言ったのでした。

「おおー!!?」
と言って和雄は、片手を上げたのでした。
それから車に乗り込みシートベルトをしたのです。
そして義雄の運転する車で、いつもの駅まで行ったのでした。
そしていつもの駅で、
美加の親友で恋人の京子と待ち合わせをしていた和雄でした。

ふたりで新宿駅に出て乗り換え、東京駅へと行ったのです。
東京駅に着くと京子が手作りのお弁当を手渡したのでした。
和雄は、「ありがとう!!?」
と言うと、急いで飲み物を買い、
新幹線のぞみ指定席の博多行きに乗り込んだのです。
そしてその日のうちに職場のある福岡に戻ったのでした。

和雄を見送った修二は、
「俺も図書館へ行かなくちゃあー!?」
そう言ってテーブルの席に戻り、
残ってるカレーを急いで食べ終えたのでした。

「いってきまーす!!?」と言うと、
美津子に作ってもらったお弁当を持って、それをバッグに詰め込み、
玄関を出ると自転車のカゴにバッグを入れ、自転車に乗ると、
親友の健介と待ち合わせている図書館へと向かった修二でした。

修二が出かけてしばらくすると、
和雄を送って行った義雄が戻って来たのです。
「ただいまー!?」と言うと、
玄関からまっすぐ洗面所へと向かったのでした。
「お帰りー!!?」
と食堂から美津子と美加が大きな声で言ったのです。

しばらくして、義雄が洗面所から食堂に来ると、
美加と美津子がおしゃべりしながら、朝ご飯のカレーを食べていたのでした。

「修二はもう出かけたのかー!??」
と義雄が言うと、
「お父さんが出かけてからすぐに行きましたよー!?」
「あわてて!?」
と、美津子が少し笑いながら答えたのです。
そしてすぐに立ち上がると、
「お父さんご飯はどのくらいにしますー??!」
と美津子が訊いたのでした。

「少しでいいよー!?」
「カレーは少し多めにして!?」
と義雄は答えると、自分の席に座ったのです。すぐに、
「わかりましたー!?」
と美津子は言い、
皿にご飯を少なめに盛り、カレーをその横に盛ったのでした。
そして義雄の前にカレーの皿を置いたのです。

「アイツ間に合ったのかなあー!??」
と、スプーンでご飯とカレーを合わせそれを一口、
口に入れ義雄が言うと、
「指定席だから心配だわねえー!?」
「でもまだ東京駅に着いていないんじゃないのー!?」
「ねえー!?みかー!??」
と美津子が言ったのでした。

あきれたように美加が、
「着いてるわけないじゃん!!?」
「ふたりとも心配性(しんぱいしょう)なんだからー!?」
「お兄ちゃんのことだから!?」
「博多に着いたら電話よこすわよー!!?」
と言ったのでした。

「5時間ちょっとって言ってたなー!??」
「のぞみでも出発時間によって到着時間がまちまちらしいなあー!?」
「同じ博多直通でもー!?」
と義雄が言うと、
「でもむかしに比べると便利になりましたよねえー!?」
「新幹線で九州まで!乗り換えなしで5時間ちょっとで行けるんですから!?」
と美津子が言ってから、カレーを一口食べたのでした。

「そういえば駅で!?」
「京子ちゃんに似た子が、俺に向かって会釈したなあー!??」
と義雄が言うと、
「京子に決まってるでしょ!!?」
「”送って行くかもしれない”って言ってたからー!?」
と美加が当然のように言ったのです。

「そうかあー!??」
「女の子は服や化粧でずいぶん変わるからなあー!?」
と言って義雄は、
美津子と美加を交互に見て、少し笑ったのでした。






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