ブログ小説 妙なこと 第十五話(8)

翌朝ふたりは、すっきりと目覚(めざ)めたのでした。
義雄はトイレから戻ると、
自分のほうの布団を使ってないことに気がついたのです。

「お母さん!?」
「やっぱりおかしいよなあー!??」
と布団を見て義雄が言うと、
「何がですかあー!??」
と美津子が不思議そうに言ったのでした。

「こっちの布団使ってないのバレバレじゃあー!?なあー!??」
と義雄が言うと、
「そうですねえー!?」
と美津子も納得してそう言ったのです。
すぐに義雄は使ってない布団にもぐり込んだのでした。

腹ばいになったり、それから仰向(あおむ)けになったりして、
敷布にシワを作ったのです。(芸が細かい!!)
「これでよーし!!?」
義雄はそう言うと、布団から出て立ち上がったのでした。

「風呂は24時間使えるって言ってたけど!?」
「お母さん!?風呂行かないかあー!?」
と義雄が言うと、
「お父さん!?まだ6時じゃあー団体さんがいるから!?」
「混んでますよー!?きっと!!?」
「お風呂も朝食のバイキングも!?」
と美津子が言ったのです。

「そうだなあー!?」
「きのうの夜は、団体さんと時間がうまくずれていたからよかったけど!?」
「朝はいっしょになるから、ずらさないとなあー!?」
と義雄は言ったのでした。

「仲居さんが”団体さんは7時半出発”だって言ってたから!?」
「それまで待っていましょうかあー!??」
と美津子が言うと、
「じゃあー!?それまで時間があるから!?」
「一発やるかあー!?」
と、義雄がうれしそうに言ったのです。

「何言ってるんですかあー!?」
「きょうは長い距離を運転するんでしょ!?」
「体力を温存してくれなきゃあー!?もう若くないんだから!??」
と、美津子があきれたように言ったのでした。すると、
「わかったー!?」
と、素直にそう答えた義雄でした。

ふたりはそれからテレビをつけ、
テレビを見ながら、7時半まで待ったのです。
時間がくるとすぐに大浴場に向かったふたりでした。
義雄が先に部屋に戻って来たのです。
そして美津子が来るまで、テレビを見て待ったのでした。

美津子が部屋に戻ってくると服に着替えて、
1階のレストランに向かったふたりでした。
朝食はバイキングだったのです。
ふたりは朝食を済ませると、部屋に戻り、
出発の準備をしたのでした。

美津子がフロントへ電話をしてから、
義雄がバッグを2個持ち、ふたりは1階へ向かったのです。
義雄はフロント近くのソファーに腰掛け、
美津子がチェックアウトの手続きをしたのでした。

義雄が腰掛けているソファーのところにボーイが来たのです。
「山本様!?」
「お車をお持ちいたしますので、キーをお借りしたいのですが!?」
と言ったので、
「アッそー!?」
と言うとすぐにキーを渡した義雄でした。

ボーイは車を玄関前に横付けすると、
すぐに車から降り義雄のところに来たのでした。
そしてボーイはバッグを二つ持ち、
「このお荷物はトランクにお入れしてよろしいでしょうか?!」
と訊いたので、
「ああー!?そうしてくれる!!?」
と答えた義雄でした。

美津子がソファーのところに来たので、
「お母さん!?」
「ボーイにチップ渡さなきゃなあー!?」
と義雄が言うと、
「仲居さんに渡したのに!また渡すんですかあー!??」
と美津子が不満そうに言ったのです。

”しょうがないなあー!?”
と義雄は思い、自分のポケットマネーで渡そうと、
「こういう時チップは、いくらぐらい渡すのー!??」
と、ボーイに訊いた義雄でした。

「いいえー!結構です!!?」
「仲居さんの大石さんから連絡受けてますから!?」
とボーイが答えたのです。
「あっ!そーなんだあー!?」
「国内旅行なんてあんまりしたことないから!?」
と言い、ポケットマネーを出さずに済み、うれしそうな義雄でした。

ふたりは車に乗り込むと、ボーイの見送りを受け、
ホテルを出発したのです。
そしてすぐ近くの相撲会館へと向かったのでした。


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