ブログ小説 妙なこと 第十五話(7)

ホテルに戻って来たふたりは、いったん部屋に戻ったのです。
「お母さん!?」
「少し冷えたから、もう一度お湯に浸かってくるかあー!??」
と義雄が言うと、
「そうですねえー!?」
「カギをそのまま持っててくれますー!?」
と美津子が言ったのでした。

まだ少し濡(ぬ)れてるタオルをタオル掛けから取ると、
そのひとつを、
「はい!?」と言って、美津子に渡した義雄でした。

「ありがとう!?」
と言って受け取った美津子は、
「大浴場でゆっくり浸かってきますから!?」
「お父さんも、いつもよりゆっくりして来てくださいねっ!?」
と言ったのです。すると、
「わかったよー!?」と答えた義雄でした。

それから義雄は部屋に鍵を掛けたのです。
そしてふたりは、大浴場までいっしょに出かけたのでした。
男湯と女湯に別れ入ったのです。
20分ほどすると、義雄が男湯から出てきたのでした。

「ああー!?いいお湯だったあー!?」
「長湯(ながゆ)し過ぎたかなあー!??」
と真っ赤な顔をして言ったのです。
そして部屋に戻り鍵を開け、タオル掛けにタオルを掛けたのでした。
それからソファーに腰掛けたのです。

しばらく腰掛けたあと義雄は、
部屋に備え付けのテレビのリモコンスイッチを押し、
テレビを見ながら30分ほど待っていると、
美津子が部屋に戻って来たので、
すぐにリモコンのスイッチを切ったのでした。

「お父さん!?いいお湯でしたねえー!?」
「ゆっくり入ってきましたあー!??」
と美津子が言うと、
「ゆっくり入り過ぎたよー!?」
「茹蛸(ゆでだこ)になるかと思ったあー!??」
と笑いながら、まだ少し赤ら顔で義雄が言ったのです。

「やっぱり北海道ですねえー!?」
「日が落ちると急に冷たくなりますものねえー!?」
「暖(あたた)まりましたわ!?」
と美津子は言ったのでした。

「じゃあー!?歯を磨きに行ってくるよー!?」
と義雄は言い、洗面所へ向かったのです。
「わかりましたあー!?」
と美津子は答えると、タオルをタオル掛けに掛け、
自分の服から携帯を取り出し、家(うち)へ電話したのでした。

「もしもしー!?お母さんだけど!?」
と言うと、
「もしもしー!?」と言って、美加が出たのです。

「どうそっちは変わりないー?みかー!?」
と美津子が言うと、
「だいじょうぶよー!?お母さん!?」
「心配しなくてもー!?」
「ちゃんとガスの元栓(もとせん)締(し)めたし!!?」
「戸締(とじま)りもちゃんとしたからあー!?」
と美加が言ったのでした。

「そう!?ならいいけどおー!?」
「京子さんは!?」
と美津子が言うと、
「さっき帰ったわ!?おみやげ、京子のも頼むわねえー!?」
と美加が言ったのです。

「わかってるわよー!?」
「だいたい人数考えて買っていくからあー!?」
「じゃあー!?おやすみー!?」
「あしたも頼むわねえー!?」
と美津子が言うと、
「任(まか)せなさーい!!?おやすみー!?」
「じゃあー!?切るねえー!?」」
とうれしそうに美加は言い、電話を切ったのでした。

すると義雄が洗面所から戻って来て、ソファーに腰掛けたのです。
美津子は携帯をしまうと、
歯を磨きに洗面所へ行ったのでした。
家へ電話して安心したのか、
戻ってくると、
「お父さん!もうそろそろ寝ましょうかあー!?」
と言って、敷いてある布団にもぐり込んだのです。

「そうだなあー!?」
「じゃあー!?電気消すから!?」
と義雄は言うと、
ふたつ並べて布団を敷いてある10畳間の灯(あか)りを、小玉にしたのでした。
そしてすぐ、美津子の布団に入って来たのです。

「きょう久しぶりに大浴場(だいよくじょう)に行ったから!?」
「大浴場だけに、大欲情(だいよくじょう)してきたあー!!?」
と義雄は布団に入るなり言うと、
「何言ってるんですかあー!?」
と、うれしそうに美津子が言ったのでした。

それからふたりは唇を重ね、
久しぶりに燃え上がり、合体したのです。
ちょうどその日が結婚記念日だったのでした。
そしてふたりはひとつの布団で、
心地よい幸せな眠りについたのです。(めでたし!めでたし!!)


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