ブログ小説 妙なこと 第十五話(5)

「わかりました!?ご苦労様!?」
と美津子は答えると、歩いて10畳間を抜け、
部屋のドアをロックしたのです。
そして戻ってくると、用意されたお膳の座椅子に座ったのでした。

義雄と美津子はお互いビールを注ぐと、
すぐに義雄が、
「お母さん!?25年間ご苦労様でした!!?」
と言ったのです。すると、
「お父さんこそ25年間ご苦労様でした!!?」
「これからもよろしくお願いいたします!!?」
と言って美津子は、深々と頭を下げたのでした。

「お母さんお互い様だよー!?」
と義雄は少し照れて言ったのです。そして、
「とにかく乾杯しよう!?グラスを持って!!?」
と義雄が言うと、
「わかりました!?」
と言って美津子はコップを持ち、
ふたりで「カチャーン!?」と合わせたのでした。

義雄はビールを一気に飲み、
美津子は味わうように一口飲んだのです。
すぐに美津子は義雄のコップにビールを注いだのでした。

「ありがとう!?」
「でもお母さん!?」
「ふたりで向かい合って食事をとるなんて、何年ぶりかなあー!??」
と義雄が言うと、
「お父さん!?」
「和雄(かずお)が生まれてから初めてですよー!?」
と美津子が、感慨深(かんがいぶか)げに言ったのです。

「そうだなあー!?」
「結婚式の時にはもう和雄がお腹(なか)にいたからなあー!?」
と義雄は言うとまた一気にビールを飲んだのでした。
美津子はすぐ義雄のコップにビールを注いだのです。

「結構料理の種類多いなあー!?」
「修二(しゅうじ)がいれば全部食べちゃうだろうけどー!!?」
と笑いながら義雄が言うと、
「そうですねっ!!?」
「アッ!!忘れてたあー!?」
そう言ってすぐに美津子は立ち上がると、
「お父さん!?カメラはズボンのポケットですか!??」
と義雄に訊いたのでした。

「ああ!?そうだけどおー!??」
と義雄が言うと、
美津子は義雄のズボンからカメラを取り出したのです。
そしていろんなポーズで、写真を撮ったのでした。
そしてふたりのツーショットも撮ったのです。

それが終わると、
美津子は自分の服が掛けてあるところに行き、
携帯を取り出したのでした。

「もしもしー!?」
「しゅうじー!??」
と美津子が言うと、
「アッ!?お母さんだあー!?」
と修二がテレビ電話を見て言ったのです。

「今ホテルに着いて、お夕飯を食べてるけど!?」
「あなたたち!?ちゃんと食べてるのー!??」
と美津子が言うと、
「だいじょうぶだよー!?」
「京子(きょうこ)さん来てるから!?」
「お姉ちゃんひとりじゃあー!?心配だけどねっ!!?」
と修二がえらそうに言ったのです。

「そう!?京子さん来てくれたんだあー!?」
「ちょっと替わって!!?」
と美津子が言うと、
「おばさん!?心配しなくても美加とふたりでできますから!?」
「ゆっくりしてきてください!?」
と京子が言ったのでした。

「ありがとう!?」
と美津子が言うと、
「お母さん!?どんなごちそう!??」
「見せてよー!??」
と修二が言ったのです。

美津子は携帯で料理を映(うつ)したのでした。
「どおー!?結構種類があるでしょー!?」
と美津子が言うと、
「見れても食べれないからしょうがないけど!!?」
「おみやげ頼むねえー!?」
と修二が言ったのです。

「修二!貸しなさいよー!?」
と美加(みか)の声が聞こえると、
「今ハンバーグ揚げていたのよー!?」
「京子と替わってもらったあー!?」
と美加は言うと、
画面に、度(ど)アップで顔が映し出されたのでした。

「わたしにも見せてよー!?そのお料理!!?」
と美加が言ったので、
さっきと同じように携帯で映したのでした。
そして見終わると、
「おいしそうだけど!!?」
「見ても食べれないからしょうがないわねえー!??」
と美加が言ったのでした。

「まったくー!?」
「姉弟(きょうだい)で!!?」
とあきれたように言うと、
「じゃあー!?美加頼むわねえー!??」
「ガスだけは気をつけてよー!?」
と美津子が言ったのです。すると、
「はーい!!?おみやげお願いしま−す!!?」
「じゃあねえー!??」
と言うと美加は携帯を切ったのでした。


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