ブログ小説 妙なこと 第十五話(4)

ふたりはみやげ物を買い終え、
駐車場に戻ったのでした。
そして、最初の日の宿へと向かったのです。

「きょうはゆっくりとお湯にでも浸(つ)かろうかあー!?」
と義雄が言うと、
「そうですねっ!」
「久しぶりの夫婦水入らずですものねっ!」
と美津子が、うれしそうに言ったのでした。

しばらく車を走らせると、霧がどんどんなくなって来たのです。
そしてじきに、所々に大きなホテルが見えてきたのでした。
川湯温泉の川湯ホテルの玄関に着いたのです。
すぐに美津子が車を降り、フロントへ行ったのでした。
美津子がすぐに駐車場を聞いてきて乗り込むと、
義雄はすぐ近くの駐車場に車を停めたのでした。

義雄はバッグを二つ持つと、
美津子とふたりでホテルのフロントまで行ったのです。
「お父さん!?わたしが手続きしますから!?」
「そこのソファーにでも座っていてください!?」
と美津子が言うと、
「じゃあー!?そうするかあー!?」
と義雄は言うと、荷物を持ってソファーに座ったのでした。

手続きを済ませると、
仲居(なかい)さんに、宿泊する部屋まで案内してもらったのです。
簡単な説明を受けたあと、
食事の時間を訊(き)かれたので、
ビールを注文し、6時半にしてもらった義雄でした。

美津子は仲居さんに、
「きょうあしたお世話になります!?」
と言って、小封筒(こぶうとう)に2000円を入れ、
座卓(ざたく)の上に置いたのです。
仲居さんは、
「お気持ちだけで結構です!?」と一度断ったのですが、
美津子が、
「ほんの気持ちだけですから!?」
と言って仲居さんへと手渡したのでした。

仲居さんは、
「そうですかあー!?」
「お気を使っていただきありがとうございます!?」
と言ってお辞儀をし、受け取ったのでした。そして、
「では6時半に、お食事をお持ちいたしますので!?」
と言うと、お辞儀をし部屋を出て行ったのでした。

「お母さん!?温泉は久しぶりだなあー!?」
「浴衣(ゆかた)に着替えてすぐ行ってこようかあー!?」
と義雄が言うと、
「そうですね!?」
「お父さん早いから!?カギ持ってくださいよー!?」
と美津子が言ったのです。

そしてふたりは着替え、大浴場(だいよくじょう)へと行ったのでした。
義雄は身体(からだ)を洗い頭も洗い、
そのあとゆっくりと、大浴場に浸かったのです。
家(うち)で入っているときよりはゆっくりと、
湯舟に浸かったのでした。

義雄は大浴場から出ると、すぐに部屋まで戻ったのです。
美津子はまだ戻って来ていませんでした。
部屋の鍵を開け、
タオルをタオル掛けに掛け、
ソファーに腰掛け大きな窓から外を眺(なが)めていると、
美津子が入って来たのです。

「いいお湯でしたわねー!?お父さん!?」
と美津子が言うと、
「そうだなあー!?」
「ちょっと硫黄の臭(にお)いがあったけど!?」
「疲れが取れた気がしたよー!?」
と義雄が言ったのでした。

「もうそろそろ、夕飯を持ってくる時間だから!?」
「こっちで座って待ってよう!?」
と義雄が言ったのです。
「そうですねっ!?」
と美津子は言うと、義雄と向かい合って、
ソファーに腰掛けたのでした。

じきに仲居さんが食事の支度(したく)をしたワゴンを運んで来て、
部屋の入り口で止まったのでした。
それから手際よく仲居さんが、夕飯の支度をしたのです。

夕飯の支度が整(ととの)うと、
「ではこれで失礼いたします!?」
「奥様!?こちらのジャーにおご飯がありますので!?」
「お食事がお済みになりましたら、フロントまでお電話ください!?」
「かたづけをした後(あと)、お布団を敷かせてもらいますので!?」
「あとはよろしくお願いいたします!?」
と言ってお辞儀をすると、
仲居さんは部屋を出て行ったのでした。


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