ブログ小説 妙なこと 第十四話(11)

義雄が居間に来ると、
「お父さん!?コーヒーでいい??!」
と美加が言ったのです。
「ああー!?なんでもいいよー!?」
「美加に任(まか)せるから!?」
と義雄は答え座ると、コタツに入ったのでした。

「お母さんは来ないのー??!」
と修二が言うと、
「洗い物を終えたら来るってさあー!?」
「お母さんには話したことがあるから!?」
と、義雄が言ったのです。

美加がコーヒーを入れみんなに配(くば)り終えると、
「お父さんちょっと待ってえー!?」
「ポットにお水足すから!?」
と言うと、台所に行ってヤカンに水を入れ、
それを持って来てポットに水を足したのでした。

再沸騰ボタンを押し、ヤカンを台所に戻し、
美加は居間に戻って来たのです。
「じゃあー!?お父さん話してよー!?」
と美加は言うと、コタツに入ったのでした。

「じゃあー!話すかあー!??」
「そうだなー!?どこから話すかなあー??!」
と義雄は言うと、少し考えたのです。そして、
「おばあさんが入院する3年ぐらい前に!?」
「おじいさんが具合が悪くなり、入院したんだけど!?」
「俺が見舞いに行ってから、1ヶ月ぐらいかなー!?」
「亡くなったという連絡があって、葬式に行ったんだ!!?」
そう言うと義雄は、コーヒーを一口(ひとくち)飲んだのでした。

「おじいさんを見舞いに行ったときの状態は!?」
「少しやせたけど!?」
「以前会った時と、さほど変わらずの顔をしていたんだよー!?」
「その時と同じ顔で亡くなっていたんだあー!?」
「だから息子や娘たちが亡くなった時に、”寝ているようだねー!?”」
「って!、みんなで話していたんだよー!?」
「葬式も終わり何ヶ月か経つと!?」
「おばあさんがボケてきたので、老人介護施設に入ったんだ!?」
「そうだなあー!?それからどのくらい経ってからか!?」
「おばあさんが病院に入院した時の話なんだけどなっ!?」
と義雄は言うと、また一口コーヒーを飲んだのでした。

「おばあさんがもう危ないって、医者に言われたからって!?」
「そうおばさんから連絡があったので!?」
「静岡のおばさんと駅で待ち合わせてなっ!?」
「島田の一つ手前の六合の駅まで行ったんだよー!?」
「島田のおばさんが迎えに来たんだあー!?」
「六合の駅からおばさんの車で島田の市民病院まで行ったんだー!?」
と義雄が言うと、
「島田の市民病院なら島田駅じゃーないのー??!」
と不思議そうに修二が言ったのです。

「おじさんの会社の事務所が六合駅のが近いんで!?」
「待ち合わせをそこにしたんだよー!?」
と義雄が言ったのでした。
すると美加が、
「島田の手前は藤枝じゃあー!?ないんだあー??!」
「そんな駅があったんだあー!??」(しつれいなあー!!)
と言ったのでした。

「それから、車で10分ぐらいかなあー!??」
「病院に着いたんだけどー!??」
「なんか違うんだよー!?」
「おじいさんも同じ病院に入院したんだけどー!?」
「その時とようすが!!?」
と義雄は言うと、コーヒーを一口(ひとくち)口(くち)に運んだのでした。

「お父さん!?何が違うのー??!」
と美加が言うと、
「建物自体も古くさくて!?」
「そうだなあー!?おじいさんを見舞いに来たときより!?」
「3年経ったというより、10年も20年も経った感じかなー??!」
「病院へ行く道や町並みはなんにも変わってないようなのに!?」
「どこがどう違うとは言えない何かが違うんだあー!!?」
と言ってから、ひと呼吸入れ、
「線香臭いという表現がいいかなっ!??」
と、わけのわからないことを言った義雄でした。

「なにそれ??!」
と、思わず修二が言ったのです。

「説明しにくいんだけどなっ!!?」
「クイズのテレビ番組で最初の映像と最後の映像では!?」
「どこが変化しているでしょう?」
「そんな問題があるだろー!??」
と義雄が言うと、
「うん確かにあるけどー!?」
「あれって、部分部分を見ているとわかるんだけど!?」
「全体を見ていると、どこが変化したのかわからないよねえー!?」
「葉っぱが伸びていたり、タイルの模様が変化していたりしてさあー!??」
と修二が言ったのでした。

「いっしょに行った静岡のおばさんも!?」
「”義雄ちゃん!?なんか前来た時と変わってないー??!”」
「そう言ったんだよー!?」
「おばさん!?変だよねー何か??!」
「そうお父さんも言ったんだけど!?」
「島田のおばさんが!?」
「”何、言ってんのー!?ふたりともー!??”」
「”こっちよー!?”」
「と言って、おばあさんの病室まで行ったんだよー!??」
と義雄は言うと、また一口コーヒーを飲んだのでした。


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