ブログ小説 妙なこと 第十四話(6)

美津子は駅まで美加を送り、うちに戻って来たのでした。
「ただいまあー!?」
と美津子が言うと、
「お帰りー!?ご苦労さーん!!?」
と義雄が、居間から大きな声で言ったのでした。

「もうお昼ですけど!?」
「お父さん!?何か食べたいものありますー?!」
と美津子が居間に行き言うと、
「別にこれと言ったものはないから!?」
「そうだなあー?お茶漬けでいいよー!?」
と義雄が言ったのでした。

「ご飯は夕方炊こうと思ってたので!?」
「残りのご飯、わたしがお茶漬けで食べようと思ってたんですけどー!?」
と美津子が言うと、
「じゃあー!?ラーメンでいいよー!!?」
「カップ麺でない!サッポロ一番のみそラーメン!!?」
と、”別にこれと言ったものはない”と言っておきながら、
メーカーまで指定した義雄でした。

「わかりました!!?」
と言うと美津子は居間から台所に行ったのでした。
「まったくー!??」
「最初からラーメンを食べたいって言えばいいのにー!??」
「変なところに気を使うんだからあー!??」
と美津子は言うと、
ラーメンを作り始めたのでした。

居間では義雄が、
「まったくー!?」
「自分がお茶漬けを最初から食べたいんなら!?」
「わたしは残りのご飯でお茶漬けにしますけど!?」
「お父さんは何にしますー!?って聞けばいいのにー!??」
と言ったのでした。

ちょうどメジャーリーグの試合が終わると、
美津子が居間に来て、
「お父さん!?ラーメン出来ましたけどー??!」
と言ったのでした。
「今行くよー!?」
と義雄は言うと、
テレビのスイッチとコタツのスイッチを切り、
居間を出て、食堂に向かったのでした。

テーブルのいつものイスに義雄は座ると、
「いただきまーす!!?」
と言って、ラーメンを食べ始めたのでした。

「やっぱりこのラーメンが一番うまいなあー!?」
「カップ麺はいまいちうまくないからなあー!??」
と義雄が言うと、
「そういえば!?発泡スチロールのカップですけどー!??」
「お湯で溶けちゃうんですってよー!??」
「何回か使ってるとー!?」
と美津子が言ったのです。

「そりゃー!?そうだろう!?」
「誰が考えたって!!?」
「1回使い切りだからと思って、容器にしたんだろうからさあー!??」
とラーメンをすすりながら義雄が言うと、
「グレープフルーツの汁をたらすと、溶けちゃうんですよー!?」
「びっくりしましたよー!??」
と美津子がお茶漬けをすすりながら言ったのでした。

「発泡スチロールなら、ガソリンをかければすぐ溶けるよー!?」
「グレープフルーツじゃあなくても果汁なら溶けると思うよ!!?」
「リモネンとかいう物質が入ってれば!?」
と義雄が言うと、
「果汁で溶けちゃうのに今まで容器に使っていたんですねえー!?」
「四月から容器が変わったのはそのせいでしょうかねえー!??」
と美津子が言ったのです。

「安全性に問題があれば、何十年も使ってないだろう!?」
「企業の方針でそうしたんじゃあー!?ないのかな!?」
「単価的な問題もだいぶあるかもしれないけどなあー??!」
と義雄は言うと、
ラーメンを食べ終わったのでした。

「確かにねえー!?」
「一個100円とか150円とかいう値段だと!?」
「原価いくらって聞きたくなりますからねえー!?」
「そんなに売れてるの?と思うのはわたしだけかしらねえー!??」
と美津子は言うと、
お茶漬けを食べ終えたのでした。

「最近ラーメンのおつゆ残すけど!?」
「カロリーが高いので残すんですか?!」
と、美津子が言うと、
「ああー!?ほんとは全部飲みたいんだけどなあー!?」
「カロリーを気にする年頃かなっ??!」
と、笑いながらそう言った義雄でした。

「ここしばらく、そういえばゴルフにも行きませんねえー!?」
「やっぱり!ぎっくり腰、気にしてるんでしょ!??」
と美津子が言うと、
「そうだなあー!?」
「会社の連中も、取引先も、遠慮して声かけないんだよー!?」
「あの時はみんなに迷惑かけたからなあー!??お母さんにも!?」
と義雄は言ったのでした。

そして義雄は、
「ごちそうさん!?」
と言うと、居間に向かったのでした。


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