ブログ小説 妙なこと 第十二話(7)

男どもがとっと(十・十)で盛り上がっているときに、
台所では仏壇の水入れで盛り上がっていました。

「だけどおー!?」
「仏壇の水入れの容器を、わざわざ替えて喜ぶ人がいるかしら!??」
と美津子が言うと、
「ほんとよねえー!??」
「何も取られたものがないで!?」
「それだけが替わっているなんて!!??」
「ふつうの人はしないわよー!??」
「ボケた人か!?」
「お父さんがよく言う!!?」
「テレパシーの声に操られた人間しかいないわよー!!?」
と美加が笑いながら言ったのです。

「おじいさんが出歩いていたときに!?」
「誰かボケた人が、うちに上がりこんで、替えたのかしらねえー??!」
と和子が笑いながら言ったのです。
「意外と犯人はおじいちゃんだったりして!!?」
と美加が笑いながら言うと、
「そうかも!?」
「ほんとにトボケたことを言うときがあるから!!?」
「可能性あるわよー!!?」
と和子がうれしそうに言ったのでした。

「まさか!?修二じゃあーないわよねえー!??」
と美津子が言うと、
「しゅうじー!??」
「まさかあー!?」
「いくらいたずら好きでも、仏壇の水入れを替えるなんて!!?」
「しないわよー!?」
と美加が笑いながら言ったのです。

「隔世遺伝(かくせいいでん)って言うのかしら!?」
「修二とおじいさん!?」
「似てるとこがあるのよねえー!!?」
と美津子が、うれしそうに言ったのでした。
「確かに!?似てるわねえー!!?」
「義雄より修二のほうがおじいさんに似てるわよー!!?」
と和子がニコニコしながら言ったのです。

「それでお母さん!?」
「銀色の容器は見つかったんですか??!」
と美津子が言うと、
「ないのよーどこにも!!?」
「もしかしたら、よそのうちの仏壇にあったりして!!??」
と和子が言ったのでした。
すると、三人は想像して大笑いしたのです。

「テレビの部屋に行ってテレビでも見ようよー!?」
「どうせ向こうの部屋で”とっと”やってるからあー??!」
「わたしがイスを持ってくから!??」
と美加が言ったのです。

「そうねえー!?そう言ってくれるなら!??」
「向こうはエアコンあるし!!?」
「テレビ見に行こうかあー??!」
と和子が言ったのでした。

「お正月番組やっているでしょうから??!」
「新聞!?向こうの部屋にあったわよねえー??!」
「そういえばきょうの広告見てないわねえー?!」
「ゆっくり見れるわ!!?」
と美津子が言ったのです。
そして三人は、座卓の置いてあるテレビのある部屋に、
移動したのでした。

一方男たちは、とっと で盛り上がっていたのです。
「最高合計20本までだよなあー??!」
「ここ、札が揃いだしたからなあー??!」
「しゅうじー!?まさか”とっと”じゃあないだろーなあー??!」
と言って亮が、修二に探(さぐ)りを入れると、
「おじさん!?ナニびびってんだよー!??」
「男らしく掛ければいいじゃん!!?」
とニコニコしながら言ったのでした。

「どうもハッタリくさいけど!!?」
「今回はやめてくかあー??!」
と亮は言うと降りたのでした。
「しゅうじー!?札(ふだ)見せろよー!!?」
と和雄が言うと、
「ごーごー(五・五)だったよー!?」
と言って札を開け、みんなに見せたのでした。

「おじさん!?ぴん(一)札(ふだ)だろー??!」
「なんだったあー??!」
と修二が言うと、
「見せたくないけどなあー??!」
「降りたから!?札を見せなくてもいいけど!!?」
「そこまで言われたら見せてやるかあー??!」
と亮は言うと、座布団の上に札を開けて見せたのです。

「なんだあー!??」
「これじゃあー?!降りるよねえー!!?」
と修二がえらそうに言ったのでした。


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