本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを好きなだけ用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「おい!みんな何持ってんだ?!」
「飲み物のグラスを持たないで!」と、義雄が少し大きな声で言いました。
「だってお父さん!急に、乾杯ッて言うんだもん?!」
「いつも、準備いいかとか、グラス持ったかって言ってからするのにー!?」
「慌てて、近くにあったものを上げたのよ!」
と、美加が”ふくれっつら”をして言ったのです。
「そうだな、いつもそう言ってから、乾杯って言うよな!?」
「わるい、わるい!」
先ほどの動揺がまだ残っている義雄でした。
いくら急に乾杯って言われたからと言って、
すぐ近くにあった物をあげるだろうか??!。
ふつうは慌てても、乾杯用のグラスを捜して上げると思うのだが、
とりあえず、上げてしまえという感じで上げてしまうのはやはりおかしい!。
そんな家族が上げたものは?!。
「なんだ和雄は、箸なんか上げて!?」
「ちょうど、鍋の煮具合を見ていたんだ!!」
「美加はワインのビンを上げて!?」
「だって、ちょうど注ぎ終えたときだったんだもん!」
「修二はウインナーなんか上げて!?」
「お兄ちゃんの前にポテトとウインナーがあったんで、
味見をしようとつかんだところだったんだ!」
「どうしたんだ、お母さんは?!」
「刻んだ白菜なんか上げて!」
「白菜が煮えたんでもう少し入れようと思って、
刻んだ白菜を持ったところだったんですぅー!」
「まったっく!しょうがないヤツラだ!!」
「じゃー、やり直すからグラスを持って!!」
「いいかー!??」と義雄が言うと、
みんな一斉に「はあーい!」と、答えました。
すると義雄が言いました。
「家族全員の健康を祝して!乾杯!!」
みんなが続いて「乾杯!!!!」と言いました。めでたし、めでたし。
そうしてみんなで、鍋をつつきながら食べていると、
玄関で、「ピンポーン」とチャイムが鳴りました。
「お客さんみたいね!」そう言うと、
美津子が箸を置いて立ち上がり、玄関に向かって歩き出しました。
「こんばんは!?」玄関の外から声がします。
「どなた?」「あいていますからどうぞ!」
「失礼します!」ドアを開けながら答えました。
「あら、京子さん!?」「バイトの帰り?!」
「はい!」「美加、います?」
「おばかのが4人ほどいますけど、美加だけでいいの?」
「4人????」
「そう、美加に和雄に修二にうちのお父さん!」
「そ、そういう意味ですか?わたしはほかに誰かいると思って!」
「おばかのは、4人もいれば十分です。は、は、は、は!」
笑い声を聞いて、修二が来ました。
「あれ、京子さん!おかあさん?!なに、笑ってたの?」
「別にたいしたことじゃー、ないの!」
「ふーん」。「おねーちゃん、京子さんだよぉー!?」
簡単にごまかされてしまう修二でした。
「今いく!」美加がそう言うと、
「俺も行く!」と和雄も言い、ふたりで玄関に来ました。
「きょうさー、バイト先でショートケーキ3つもらったんで!」
「おばさんと3人で食べようと思って来たんだけど!」と京子が言うと、
「ラッキー。食後のデザートに食べよー」
「京子、夕飯まだでしょ?!。あがって食べてきなよ!」と、美加が笑いながら言うと、
「そうして!」「今、したくするから!?」
と、ニコニコしながらがそう言って、
美津子は台所に戻りました。
「遠慮しないであがれよ!」和雄がそう言うと、
「うん!」と言って、
自分の靴と、脱ぎっぱなしの修二の靴を揃えてあがりました。
美加と京子と和雄3人で、台所に向かいました。
それを見ていた修二が、
「いい嫁さんになるぜ、お兄ちゃんにはもったいないかな?!」
などと言っていると、台所から和雄が言いました。
「修二、早く食べないとだめだぞ!」
そう言われると、
「あれ?!いつもなら”早く、食ちゃえよ!”って言うのに!?」
「京子さんを、意識しているんだ!」
そう思いながら台所に行く修二でした。
いっぽう台所では。
「すいません。おじさん」「お食事中にお邪魔して!」
と京子が言うと、
「おお、京子ちゃん!べつにいいんだよ、遠慮しなくても!?」
「俺は、野球を見ながら一杯やるんで居間に行くから!?ゆっくりしてって!!」
と義雄が言ったのでした。
「ありがとうございます!」と、京子が遠慮しながら言うと、
「ごめんね。うちは食べるところが狭くて!?」
「手はそこで洗ってくれる?!」と台所の蛇口を指差し、京子が行くと、
「タオルは、そこの冷蔵庫の横に掛かっているから!?」
そして、「あなたたちいつまで食べてるの?」
「食べ終わったら、お父さんの相手をしてやって頂戴!」
「女性は、女性どうしで、話すことがあるんだから!?」
と言って、仕切る美津子でありました。