本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを遠慮なく用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「あーあ。せっかくスクープを撮ったと思ったのに!!?」
「もっと早くから渋滞していれば、ちょうどよかったのになー!??」
修二はがっかりです。
「ちょうど見えなくなってから、渋滞したからな!?」
「そうすれば、俺にも見えたのに?!」と、義雄が残念そうに言いました。
まるで計算されたかのような、タイミングでした。
もう、これしかないというような、絶妙なタイミングでした。
こういうのを、グッドタイミングというのでしょうか?!。
意味合いがちょっと違うかな?。
8帖ほどの部屋に台所とテーブルがあります。
椅子に和雄と、美加が座っています。
和雄が言いました。
「修二のやつ!きっとあした学校で自慢したかったんだぜ?!」
「すごくがっかりしてるもんな!?」
「ほんと!」
「自分じゃあー、うまく撮ったと思ったんでしょう?!」
「きれいに撮れてるけど、あれだけ動いてるんじゃーわからないわ!!?」
「微妙(びみょう)だったもの?!」
と、美加が言いました。
「美加、手伝って頂戴!」
「そんなとこでしゃべってないで!!」
「和雄は、お風呂のしたくして!」
と、美津子に言われると、
二人とも”べろ”を出したあと、言いました。
「はあーい!」
いっぽう、居間のコタツでは、まだあきらめずに、
義雄と修二が携帯をいじっています。
「お父さん、このとこなら少しはゆれが少ないから!?」
「どうかなー?」と、修二が見せていますが、
「言われてみれば、止まっているようには見えるかな?!」
「でもやっぱり、逆に少し動いてるようには見えないぞ!?」
と、義雄に言われた修二は、
「やめた!」「終わりにしよぉー!?」と言ったのです。
なぐさめるように義雄が言いました。
「今度見つけたときは、車を止めてやるからな!」
すると、「うん!」と答えた、単純な修二でした。
そうそう見つかるものではありません。
ヤツラも考えています。人間の目を欺(あざむ)くのは簡単です!。
「きょうは鍋だよ、お父さん!」
台所を見てきた修二が言いました。
「やっぱなー、カレーか、シチュウか、鍋かだと思ったよ」
「地下で買い物をしたときに、買っているものが煮込み系の食材だったから!?」
「あしたは、カレーかシチュウか?!」
義雄がそんなことを言ってると、
「お父さん!ビールそれともお酒それともワイン?!」
と、和雄が訊きました。
「風呂沸いてるか?」と義雄が言うと、
「沸いてるよー」と和雄が言い、
「じゃー!?風呂、先に入るかな?」と、義雄が言ったのです。
「美加がもう先に入っているよ!」
「美加!お父さんが入るってよおー?!!」
「いつまで入ってんだー!?」
と、和雄が風呂場まで行って言いました。
「今出るから、もう少し待って!」と、美加が答えました。
「お前のもう少しは、長いんだよー」
「お父さんは、”からすの行水(ぎょうずい)”ですぐ出るからいいけど!」
そう和雄は、つぶやきました。
そういえばこんなことがありました。
まだ和雄が高3で、受験勉強してるとき、
夜中の12時頃腹が減ったので、台所に来てみると、
パンツいっちょで、冷蔵庫を見ている義雄がいました。
「お父さん、帰りが遅かったの?」と和雄が言うと、
「ああ!」と義雄が言い、
「何、探してるの?!」と和雄が訊くと、
「缶ビールをな!」「風呂から出たら飲もうと思って!」
と、義雄が言ったのです。
「ここにあるよ!」と和雄が言うと、
「おお、サンキュウ!」と、義雄が言ったのでした。
「早く入りなよ?!」「かぜひくよ!」と和雄が言うと、
「お前は、どうしたんだ今ごろ?!」と義雄が言い、
「腹減ったからラーメンでも作って食べようと思ってさ!」と、答えると、
「受験がんばれよ!俺、風呂入るから!!?」
と、義雄は言ったのでした。
そして、和雄はカップめんにお湯を注いで
ゆっくりとトイレに行って、用を済ませてくると、
義雄がパンツいっちょで、冷蔵庫を開けているではありませんか。
「お父さん!まだ風呂に入ってないの!?」と和雄が言うと、
「今、入ったばかりだ!!」と、答えたのです。
「うそだろ?!だってまだ3分たってないよ?!!」
「石鹸でちゃんと洗ったの?」と和雄が言うと、
「あたり前だろ!頭は、洗ってないけどな!!」
義雄はそう言うと、冷蔵庫から缶ビールを取り出して、
うまそうに飲みましたとさ!。