携帯によろしく 第九章(9)

「悪いなあー!??絵里ちゃん!?」
「助かるよー!?」
「じゃあー一平!?ここで留守番しててくれよー!??」
「あいつも連れてくるから!??」
と言って泰三は、靴をはいたのでした。

「おやじさん!?」
「ちょっと用事で席はずすけど!?」
「3・40分(さんしじゅっぷん)もすれば戻ってくるから!!?」
と泰三が言うと、
「なんだねえー!??どこかにしけ込むのかね??!」
とニヤニヤしながら店の主人が言ったのでした。

「違う違うー!??残業のチェック!!?」
と泰三は言うと、急いで絵里と店を出たのです。
泰三と絵里は、会社の守衛所がある入り口のほうに来たのです。
「こんばんは!?」
「二宮泰三ですけど!?残業のチェックに来ました!!?」
「電話で連絡が入ってるはずですけど!??」
と泰三が言うと、
「はい聞いていますが!?そちらの方は??!」
とガードマンが訊いたのです。

「派遣会社から事務員として来ている子なんですが!??」
「手伝ってくれると言うので、いっしょに来たんですけど!?」
「いっしょには、入れないんですか??!」
「ひとりでは遅くなって、9時を過ぎてしまうので!?」(えっホント??)
と泰三が言うと、
「ちょっと待ってください!!?」
とガードマンが言って、奥の事務室に入って行ったのでした。

しばらくして、奥から戻ってくると、
「わかりました!」
「わたしがいっしょにそちらの部まで行きますので!?」
「チェック作業が終わるまで、いっしょにいますけど!!?」
「それでよければ!?」
とガードマンが言ったのです。

「もちろんいいですよ!?」
「では行きましょう!!?」
と泰三が言うと、
奥からもうひとりのガードマンが、出てきたのでした。
「では見まわりに行ってきます!!」
と言って、奥から出てきたガードマンに向って敬礼したのです。
「了解!!?」
と言ってもうひとりのガードマンが、敬礼をしたのでした。

そして三人は、
守衛所がある入り口から、少し歩いてエレベーターに乗り、
和樹が残業をやっている部まで、行ったのでした。
「おー!?やってるなあー!??」
と言って泰三は、和樹のいる机に近づいたのです。
「すいません!?課長代理!!?」
とわざとらしく和樹が言うと、
「絵里ちゃんも来てくれたから!?」
「早く済ませようぜ!!?」
と泰三が言ったのでした。

「絵里ちゃん!?悪いねえー!??」
「助かるよー!??」
と和樹がうれしそうに言うと、
「いいえ!?いいんです!?」
「早く切り上げて戻りましょう!??」
「一平さんが待っていますから!?」
と絵里が言ったのでした。

ガードマンに気づいた和樹は小さな声で、
「あの人は?!」
と泰三に言うと、
「絵里ちゃんは部外者だから!??」
「いっしょに来たんだ!!?」
「規定があるんだろー!??」
と泰三がふつうの声で言ったのでした。

「さあー!?絵里ちゃんやろうかあー!??」
と泰三は言うと、
和樹の机の上にある図面を持って、
自分の机に向って歩いて行ったのです。
「はい!!?」
と絵里は答えると、
泰三のあとを追いかけて行ったのでした。

8時10分ほど前に、和樹が図面の修正を終えたのでした。
すぐに泰三のところへ最後の図面を持って行ったのです。
「これで終わりです!?。」
と和樹が言って、泰三に図面を渡したのでした。
それからじきに泰三がチェックを終えると、
「絵里ちゃんこれで終わりだから!?」
と言って図面を渡したのです。
絵里はそれを受け取ると、すぐにファックスで送ったのでした。

「やっと終わったよー!?」
「和樹、絵里ちゃんお疲れさん!!?」
と泰三が言うと、
「お疲れ様でしたあー!!?」
と言って和樹はちょこんと頭を下げたのです。
「お疲れ様でした!!?」
「さあー!??戻りましょうかあー!?」
と絵里が言ったのでした。

そして泰三がガードマンに向って、
「今終わりましたから!?」
「今すぐ着替えますから!?」
と言うと、
「はい!!わかりました!!?」
「ご苦労様でした!!?」
と答えたのでした。

一樹は急いでロッカールームに行って、着替えを済ませたのです。
そしてタイムカードをおしたのでした。
それから四人はエレベーターで、
1階まで降り、守衛所がある出口まで戻ったのです。
いつものように用紙を渡されると、
和樹がそこに書いたのでした。

書き終わり渡そうとすると、
守衛所にいたガードマンが、
「二宮さん!?すいませんけど!?」
「一番下の備考覧に、おふたりのサインをしてもらえますか?」
「フルネームでお願いします!!。」
と言ったのです。そして時計を見て、
「時間の記入もお願いします!。」
「7時15分から8時8分で記入をお願いします!!?」
と言ったのです。

泰三は、時間を書きサインをすると絵里に渡し、
絵里はサインをして用紙をガードマンに渡したのでした。
ガードマンはそれを受け取り確認すると、
「お疲れ様でした!!?。」
と言って敬礼をしたのです。
泰三も思わず敬礼をしたのでした。
それから三人は会社をあとにしたのです。






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