携帯によろしく 第九章(5)

「じゃあー!?」
と言って一平は手を横に振ったのです。すると、
「一平さんもっと顔を近づけて!??」
と小百合が言ったのです。
その時隣のマンションから人が自転車に乗って、
一平たちのほうに近づいて来たのでした。

一平は一歩前に出て車のすぐそばに寄ったのです。
自転車の人が一平と小百合のほうを見ながら、
鼻歌を歌いながら近づいて来たのです。
小百合は少し緊張した顔で、
「では!?土曜日に!?」
と言って会釈をしたのでした。

一方一平は、
ちょうど背中の方向から自転車が来て鼻歌が聞こえたので、
気になって振り向いたのです。
ちょうど通り過ぎるときに、
「♪好きよー、あなたー」
と歌うのが聞こえたのでした。

そして二人は、その自転車をやり過ごしたのでした。
そして顔を見合わせ、小さな声で笑ったのでした。
ふたりはいっしょに自転車が行く方向を見たのでした。
それから鼻歌が聞こえなくなるまでそこにいたのです。

「びっくりしたね!?」
と一平が言うと、
「ええ!?」と言って、小百合が笑ったのでした。
「じゃあー!?気をつけて!?」
と一平が言うと、
「では土曜日にお電話差し上げますから?!」
と小百合は言い会釈をすると、
ウインカーを出し、車を発進させたのです。

一平は小百合の車に向って手を振ったのでした。
一平は車が見えなくなると、手を振るのをやめ、
マンションまで行くと、
マンションの階段を3階まで上って行ったのです。

部屋に入ると窓を開け、空気を入れ換えたのです。
着替えを済ませると、風呂掃除をして、
風呂をいつもの温度設定にし、沸かしたのでした。
風呂が沸くまでのあいだ、
パソコンの部屋に行き、パソコンのスイッチを入れたのでした。
メールを読み終わると、
ホームページ ちょこっとブログ小説にアクセスしたのです。
(完璧に宣伝です!。削除を希望します!!。)

しばらくすると、育子から電話があったのでした。
パソコンを置いてある机の上に置いてあった、
マナーモードにしてあった携帯が鈍い音を発したのです。

「もしもしー!?」
と言って一平は、ニコニコしながらテレビ電話に出たのです。
「きょうも遅かったんだね!?お疲れさん!!?」
と一平が言うと、
「一平ちゃんに会いたいよー!!??」
と大きな声で育子が言ったのです。

そしていつものように、
「わたしのこと愛してる??!」
と育子が唇を画面に近づけ言うと、
「もちろん!愛してるよー!!?」
「チュ!」
と言ってふたりは、画面でキスしたのです。

「ほんとに??!」
と育子が言うと、
「ほんとだよー!??」
「俺も会いたいよー!??」
と言って一平は唇を画面に近づけると、
育子も唇を画面に近づけ、
いっしょに「チュ!」と言ってキスしたのでした。

「じゃあーねー!?来週は会えるからね!!?」
「切るよー!??」
と一平が言うと、
「わたしのこと愛してる??!」
とまた同じことを育子が言ったのです。

「愛してる!愛してる!愛してるよー!!??」
と一平が言うと、
「わたしも!!?」
「愛してる!愛してる!愛してる!愛してる!愛してるー!!?」
と言って画面に唇を近づけたのでした。
「お休みの、チュ!」
と言って一平は画面に近づき、キスしたのでした。

お休みと言われたのであきらめたのか、
「じゃあーねー!??」
「切るねー!??」
と言って、サッサと携帯を切った育子でした。

「はえーなあー!??」
と言うと、一平も携帯を切ったのです。
それからニュースを読んでいると、
風呂のブザーが鳴ったのでした。
一平は着替えと洗い物を持って、風呂場に向ったのです。
洗い物を放り込み、洗剤と漂白剤と柔軟剤を入れ、
洗濯機のスイッチを入れたのです。
それから一平はゆっくり風呂に入ったのでした。






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